マガジンのカバー画像

R-50 Ladies Only

46
本来は中年女性である私の心の触れたあれこれ綴るつもりが、「父がひとりで死んでいた」という記事が思いがけず多くの方に読まれたことで、親の死や介護や実家の空き家問題を書くことが増えて… もっと読む
運営しているクリエイター

#幸せ

衰えてゆく自分を受け入れることは、他者を受け入れることだった

衰えてゆく自分を受け入れることは、他者を受け入れることだった

それはまず老眼からやってきました。

薄暗いレストランで、私はおしゃれなメニューの文字がよく見えず、わかっているふりをして適当なことを伝えるようになりました。ちらちらと文字がかすむので、夜に読書ができなくなりました。通勤電車の中で、iPhoneの文字が見えなくなりました。PC画面を見ていると、まぶしくて文字が読みづらいと思うようになりました。

それは目が疲れてるせいだ、仕事のしすぎなんだとずっと

もっとみる
"都会のキャリアウーマン"になりたくてなったわけじゃない

"都会のキャリアウーマン"になりたくてなったわけじゃない

50歳になったことを機会にこの連載を書き始めようと決めたとき、まず一番目に大きくメモしたのは「今の立場は自らの意志でつくってきたものではない」という一文でした。

この言葉には2つの意味があります。

ひとつは「"都会でキラキラおしゃれに仕事をしてる独身キャリアウーマン"になりたくてなったわけじゃない」という意味。

もうひとつは「求められなければここにはいない」という意味です。

私は(たま

もっとみる
はじめに〜年齢から自由になるために

はじめに〜年齢から自由になるために

最初に訪れたクライシスは40歳になる前でした。

どうしよう。私はこれまで何もしてこなかった。仕事で大した成果も出していない。かといって何か努力をしているわけではない。夫もいない。子どももいない。それなのにもうすぐ40歳になってしまう。

それはただ漫然と生きてきたという証のように思えたのです。

40歳以上の女性向けとされる雑誌やサービスやイメージはどれもこれもがくすんで見えて、私はそのくす

もっとみる