見出し画像

【一緒に勉強】文章力を高めよう⑥

こんばんは、如月伊澄です。

文章のリズムについて、解決編②です。
今日の内容は即効性がある内容ですので、必見ですよ!

これの続きです。

前回、文章のリズムを作るのは「論理」というお話をしましたが、今日見ていくのは「センテンスの切り方」や「句読点の打ち方」、「改行のタイミング」といった、すぐに使える内容です。

参考文献はこちら

【話は耳で聞く。では文章は?】

あなたは人の話を聞くとき、何を使うだろうか?
会話は音声を使うので、耳を使うはずだ。

では、文章を読むときはどうだろうか?
そう、耳ではなく目を使う。

そう、会話と文章ではリズムの意味が異なる。

文章を書く際には聴覚的なリズムよりも、視覚的なリズムを意識して、考える必要がある。

それでは、視覚的リズムとは何か。
簡単に言えば、文字や句読点が並んだときの、見た目の気持ちよさのことを言う。

例えば、本屋で文庫本を開いたとき、読みやすそうか、直感的に判断した経験はないだろうか?
ネットサーフィンをしていて、つい惹かれるページとすぐにプラウザバックしてしまうページの違いは?

視覚的リズムが整っていない文章は、直感的な「なんか読みづらそう」という印象を、読者に与えてしまう。

この「なんか読みづらそう」によって、いくらあなたが素晴らしい内容を書いても、感動的なストーリーを描いたとしても、読みづらいと判断された時点で、それは読者に届かない可能性が高いのだ。

特に、絵や映像で働きかけることができない文字書きにとっては、この文章の視覚的リズムが整っているか、そうでないかは死活問題だろう。

著者はこの「視覚的リズム」について、以下の3つにより生まれるものと記している。

①句読点の打ち方
②改行のタイミング
③漢字とひらがなのバランス

古賀史健(著)20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)2012 p60

それぞれ一つずつ見ていこう。

【視覚的リズム・句読点】

あなたの書く文章は、句読点が多いほうだろうか、少ない方だろうか?
そのどちらかが正しい、というわけではないが、一行の間に句読点は一つくらい入っていた方がいい。

例えば上記の文章を句読点なしで書いてみよう。

あなたの書く文章は句読点が多いほうだろうか少ない方だろうかそのどちらかが正しいというわけではないが一行の間に句読点は一つくらい入っていた方がいい。

たった73字の文章でしかないが、かなり圧迫感や読みづらさを感じるのではないだろうか。

句読点のない文章は「だらだら続くマシンガントークや、興味のない営業トーク」のようなもの。
誰も好き好んで、読もうとはしない。

句読点は、物理的にはたった半文字文ほどのスペースでも、視覚的にはとても効果的ということが、わかったと思う。

ちなみに、読点「、」の本来の役割は、視覚的リズムではなく、文意を明確にすることなのだが、この記事では触れないこととする。
気になる方は、ぜひ参考文献を手にして、読んでみて欲しい。

【ここから追記分です】

【改行のタイミング】

句読点の次は「改行のタイミング」である。

改めて言うが、読者は文章に向かい合う時「読む」より先に「見る」ことになる。

いくら内容が良くできていたとしても、ページ全体の見た目がヒットしなければ、そもそも読んでもらえない可能性が高まる。このことから、書き手は内容だけでなく、見た目にも気を配らないといけない、ということが分かっていただけるだろうか。

視覚的リズムに観点から言うと、①の句読点は「文字間=縦」の圧迫感を解消するのに有効であり、改行は「行間=横」の圧迫感を解消するのに有効である。

特に現代では、スマホ等小さな画面で文章を読むことが多くなっている。そんな小さな画面で、びっちりと黒い文字が躍っていたら、誰だって読むのが嫌になる。

読みやすさを優先して考えるのであれば、10行と言わず、最大5行あたりをメドに改行を行うとよい。文字がびっしり詰まった文章は賢そうに見えるかもしれないが、相手にやさしくはない。大切なのは「文章が相手にどう読まれるか」という視点である。

さらに、改行は「アクセント」の意味を持たせることもできる。

他者と話していて、特に伝えたい部分、強調したい部分は、声のトーンが高くなったり、声の大きさが大きくなったりするはずだ。それが会話の「アクセント」である。

それと同じように、「改行」することで、会話するときと同じように、文章にアクセントをつくることができるのだ。文章の中で、特に伝えたいことがある場合は、改行を活用できるとよいだろう。

【漢字とひらがなのバランス】

①句読点、②改行の説明で、共通して登場したキーワードがあったが、覚えているだろうか?

そのキーワードとは「圧迫感」である。

視覚的リズムを邪魔するものは「圧迫感」なのである。

そして日本語の場合、上記2つを意識しても、避けられないことがある。

それは「文字そのものが持つ圧迫感」である。

シンプルに考えてみよう。漢字とひらがな、どちらの方が、視覚的に受ける圧迫感が強いだろうか?

もちろん、漢字である。ひらがなに比べ、漢字は画数が多い文字だ。すなわち、漢字を使えば使うほど、画面は黒一色に近づいていくことになる。

見た目の黒さ、文字の多さは、そのまま圧迫感につながってしまう。

漢字を多用するのが賢いわけではないが、なぜか書き手は漢字を多用したがり、難解な文章の方がかっこいいと、捉え方を間違える。この歪みがある限り、視覚的に読みやすい文章を書くことは難しいかもしれない。漢字を多用した文章は第一印象が悪いのである。

では、ひらがなを多用すればいいのね、と先走ってはいけない。

物事は白か黒かで図ることはできない。白も黒も混ぜ合わせた、グレーが適切になる場合もある。

漢字と同じく、ひらがなにはひらがなの圧迫感がある。

具体的に言えば、ひらがなが続くと、今度はどこで息継ぎをすればいいかわからなくなり、目が滑ってしまうような文章になってしまう。

上記の一文をひらがなだけに変換して書いてみよう。

かんじとおなじく、ひらがなにはひらがなのあっぱくかんがある。
ぐたいてきにいえば、ひらがながつぐくと、こんどはどこでいきつぎをすればいいかわからなくなり、めがすべってしまうようなぶんしょうになってしまう。

上記の一文は、読み飛ばした方も多いと思う。まあ、そういうことである。

リズムが上手く取れない文章は、読者に読み飛ばされてしまうのである。

ということで、大切なのは「漢字とひらがなのバランス」

ひらがなの中に漢字が入ることで、文章にメリハリがつき、核となる文章を読者に伝えることができる。漢字とひらがなのバランスを整えることで、文字の持つ圧迫感を解消することが、読みやすい文章を作るコツなのだ。

【まとめ】

視覚的なリズムを損なうもの、それは圧迫感である。スカスカではいけないが、文字を詰め込みすぎてもいけない。
そこで句読点によって「文字間=縦」の圧迫感を解消し、改行では「行間=横」の圧迫感を解消する。そして漢字とひらがなのバランスを整えることで「字面そのもの」が持つ圧迫感を解消するのだ。
この3つを意識的に使いこなせば、視覚的なリズムはずいぶんよくなるはずである。

古賀史健(著)20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)2012 p119


【考えたこと】

Noteの記事は「改行」の使い方が独特といいますか、文章と文章の合間に行間を作って、書かれている記事が多いように思います。

例えば、こんな感じで。上に1行行間が空いていますよね。

見よう見まねで始めた書き方ですが、パソコンやスマホで読む文章のプラットフォーム、としてはこの書き方が確かに読みやすい。その答えが、この「改行」と「バランス」なのだと思います。

先に書いたように、電子文章では紙と違って「全体をまず眺める」ということが難しいです。故に、書き出しのページやブロックが目につきやすい。

ここに文字がごちゃっと書かれていると、ついプラウザバックしたくなる。

最初に「読みやすそう」と思ってもらえなければ、そもそもスタートラインにすら立てない、ということですね。

逆に伸びている人の記事や反応が多くもらえている人の記事は、大体書き出しがすっきりしています。適当にクリックしても、文章の圧迫感がない。

何度も言いますが、いくらいい文章を書いても読者に読んでもらえなければ、そこに価値は生まれません。そのための努力は、よほどの天才でなければ必要になるのだと、この本を読んでいると強く感じます。

この後、聴覚的なリズムともう一つのシンプルな方法、について話は続いていきますが「一緒に学習」での、第一講はこれにて終了とさせていただきます。

次回からは「文章の構成」のお話。
第二講では「論理展開」の方法について見ていきましょう。

この記事が参加している募集

#最近の学び

181,254件

少しだけでもあなたの時間を楽しいものにできたのであれば、幸いです。 ぜひ、応援お願いいたします。