むね

痛みを知れ

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痛みを知れ

    最近の記事

    たちまち行き過ぎる

    懺悔の刻印も 深い後悔も 青空の前には何も残らない 私たちは気にしすぎる 薄明も夜空も青い空も たちまち行き過ぎる あなたのことを忘れないように そのことだけを考えていたけれど あなたのことも あなたのことも あの日ついた嘘や理由さえ あなたの涙さえも 薄明の前に行き過ぎて だんだんと忘れてしまう 何もかもを忘れて たちまち行き過ぎる あなたのこともかなしみを知っていたことも 私は忘れてしまった そこにだけ 当たり前の青空だけがある

      • 躁鬱

        Lifeless eyes A coffin drenched in rain I couldn't save I Couldn't save Broken radio Bullet holes and blood They didn't try to help They didn't try to help A chilling wind blows through my chest A judge with his eyes and mouth closed A rop

        • If no one understands me, I'd rather live alone. If the happiness of the whole is not realized, there can be no individual happiness

          有料
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          • 春日狂想

            愛するものが死んだ時には、 自殺しなきゃあなりません。 愛するものが死んだ時には、 それより他に、方法がない。  幸せっていうのは何だっけとこさちに聞いたことがある。  幸せを呼ぶと書いて呼幸、綺麗な名前だと思う。 「私が思うにその質問をした以上幸せについては漠然とわかっているんですよ。  例えばやかんについて聞くとき『やかん』ってものは分かってて聞くんです。  『やかん』すらわからない人は質問にやかんなんてつけないし質問も成り立たなくなるんです。  だから幸せとは何かと

             景色がぶれて見え始めたのはいつからだろうか。  右眼では現実が見えて左眼では森と枝に繋がれたロープが吊り主を探してるかのように揺れている。  どちらが現実かは分からなくなってきた。  夢と現実の違いなんて最初からなかったのかもしれない。  ふとした瞬間に頭の中にささやき声が響く。 「罪の重さを考えてみろ」 「ここいらで諦めたらどうなんだ」  歩いているときも寝ているときも声は響いてくる。  気が狂いそうだ。  毎晩見る夢がある。  箱の中に閉じ込められる夢だ。  箱は無数

            没案

            1  寝る前に水が飲みたくなって下の階に下りた。  1階には妹が薬を飲むために下りていた。水と薬を無表情に見下ろして。 「まだ飲んでないの?」  俺がそう聞くと妹は首を横に小さく振った。  彼女は所謂引きこもりだった。行かなくなった理由は誰にもわからない。虐めもない今では珍しいくらい仲のいいクラスだったという。俺も後輩にそれとなりに聞いてみたが、そんな話は聞いたことがないと答えた。  担任も理由がわからないと言い、母親も父親も困りに困った。 どうして行かないのか、理由が

            奇麗なままだったらいいのに、と彼女は言った

            心理学は嫌い、と彼女は言った。 待ち合わせなんかしていない屋上を俺と彼女は放課後になると訪れ言葉遊びのような戯言を話し合った。 「どうして?」 「だってすべての行動に名前を付けるから」 彼女は飄々とした顔でそう答えた。 いつだって唐突に何の脈略もない言葉を放つ。 ここで話すことにルールなんてなかった。ただ、お互いの考えている言葉を相手にぶつける。それがキャッチボールになることもあれば壁打ちにしかならないこともある。だけど俺は彼女のそういうところが好きだった。彼女も俺

            時間を巻き戻す方法

            時間を巻き戻したいと思ったことはないか? 博打で負けた時、振られたとき、好きだった人が結婚した時、博打で負けた時 考えれば後悔と悔しさにまみれる生活だった。呪ってやる。 俺は不思議な体験をした。 あれは肝臓をわざわざアルコールに浸したような男だった。 男はもうすぐ死ぬようだった。 酒におぼれるより女におぼれた方が俺としてはかっこいいと思ったが男は金も家族も酒も手に入れていた。そして酒に殺されそうになっていた。 健康な人から見たらなんて不幸な人だと思うだろうが、精いっぱいの

            あれから

             思考は湯水のように流れるが言葉となると口に出すのは難しい  思考というよりもはや妄想、栓無きこと。  たらればを口にすると自分がみじめになるのは仕方ないがそうやって逃げるというのも案外悪くない。逃げ回った結果のことなど未来の自分に任せてしまえばいい。未来の自分は今とは違うのだから他人だ。 他人には優しくしなさいとはお母さんやおばあちゃんの言葉だが俺は中国歴史を学んでいたので「師いわく、ぶっ殺せ」と孔子が残した言葉を大事にし、墓場まで持って行くことだ。 2  就活する上に置

            汝、隣人を殴れ

             なんだかんだ27になる歳になった。  なんだかんだ生きてなんだかんだ遊びなんだかんだ病んでなんだかんだ今も生きている。    産まれは変な町だ。  パチンコ屋と釣り用具店と安っぽい電気屋に本屋。  どこにでもある変な町。  変な町には変な人もつきもので、多分に漏れず俺も変な人になった。  夜な夜な繁華街を走り立ちんぼの横を通り過ぎ変な空気を吸って吐いて家でマラを擦り付けて寝ていた。  俺も変ではありながら人並みの欲望はあった。  有名になりたいだの権力が欲しいだの自意識だ

            その5

            吐き気が止まらない。 弁当に何か仕込まれたか。脱水か、ヤクのやりすぎか。 筋トレしてからどうにも気持ち悪さと嘔吐が止まらない。 もともと拒食症なのもあるから今まで食ってきた反動もあるような気もする。 すごい気持ち悪い。 毎日筋トレは体に悪いんだろう。 いきなり体を動かしたもんな。 ずっと家と事務所の行ったり来たりだったし体を強く動かすなんてことは半年以上なかったから反動が大きくの鹿かてきてるんだろう。 今日も特筆するようなことがない一日だった。 まじで何もない一日。 素晴ら

            その4

            昨日多分書いてない気がする。 覚えていない。毎日似たような生活と似たような食事と似たようなルーティンをこなしているせいでもう日付の感覚もおかしいし曜日もわからないし何日ここにいたかも覚えてない。食事の内容も覚えてない。 隔離ってここまで人を堕落させるのか。 流石にやることも思いつかないし元来の飽き性のせいでアニメも真面目に見れやしない。 スタミナもないからエアロバイクも長いこと漕げないし筋肉もないから筋トレも長いことできない。 すね毛とけつの毛を剃った。いろんなところを引っ掻

            その3

            朝、腹痛で目が覚める。 これも考えられる中で最悪の一つだと思う。 健康的な生活に強制的に慣れさせられた弊害か今まで取ってない栄養を一気に取ったからか体もびっくりしていると思う。 筋トレの効果もあってか全身がひどい筋肉痛だ。 ここまで体を動かすなんてこと、仕事を始めてから無かったような気もする。慢性的な運動不足とそれをよしとする現代の問題にはいつも気づきがあるな。 どう考えても個人だけの問題じゃない。休みが一日しかないのに苦行をして翌日筋肉痛なんてバカのすることだ。やはり運動は

            その2

            今日は考えうるうち最悪の目覚めだった。 まずここの照明だが、体育館を思い出してほしい。あの照明だ。 太陽より鋭い光をいきなり網膜に浴びせられた気持ちを理解してほしい。目が焼けた。 それが朝の7時くらいだったと思う。 朝食は食べなかった。元々、食が細いのもあるし朝からもりもりと飯を食う姿なんて今更気持ちが悪いとさえ思う。 というか、量が多かったから手にしなかった。 群発の頭痛は相変わらずで今日も2回注射を打った。 刺し方が悪いのか服やシーツが血まみれになっていた。注射は嫌いだ

            コロナ隔離病棟日記その1

            熱っぽいなとは思った。 熊本からの帰りの飛行機で風邪をひいた時と同じ関節の痛み、震え、寒気を覚えた。 (きっと旅で出た疲れに違いない)と考えてはいた。実際、自由気ままなうつ病フリーター生活は遠くに行くこともなくなったし泊まりなんてもってのほかだ。体力が落ちたからも理由になるだろう。 そう考えていた時期が私にもありました。 翌朝、熱を測るとやかんを沸かすくらいの高熱であった。 内心、(あーこりゃやらかしたな)と諦念を浮かべながら近所のクリニックに電話をしてPCRを受けてみた。

            はじめに

            頭の中の景色を文章にしてみたい。 考えは言葉になり言葉は物語になると信じている。 そんな私の小説や雑記である。