生活する沖縄 #7|百円の恋
『百円の恋』を観た。安藤サクラさん主演。
目の前の一勝のために頑張るのって難しくて、そんでめっちゃかっこいい。
部活とかは特にわかりやすいけど、
「どうせプロになれないのに」「全国優勝できないのに」必死に頑張る意味を自分に問いかけてしまいがち。
ただの自己満じゃねって言われがち。
自己満でいいんだろうね、自己満で上等なんだろうね。
それが好きで、勝ちたいから、頑張りたいから頑張るってかっこいい。
必死になったことがないという自覚を持ちながら生きてきたから、
目の前の一勝にこだわって全力で頑張る人を見ていると胸が痛むことがある。
皆さんはどうでしょうか。
富や名声、地位のようなリターンがなくても、
そんなの関係ねぇと、全力になったことはありますか。
世間で認められるとか、何かで一位になって名を残すみたいな目にみえる結果を出すためじゃなく、
ただ目の前にあるしんどいこととかキッツイ戦いに向かって、とにかく勝ちたくて命を燃やす。
『桐島、部活やめるってよ』に出てくる野球部の先輩や映画部のあいつもそう。
プロになるとか将来映画監督になるために必死になってるわけじゃなくて、好きで、好きだから今はまだ諦めたくないから全力で向き合っている。
意味ないとか、どうせ将来は、とかそんな後先を度外視できるくらいに無我夢中。
自分が一生懸命になれないのは、
一生懸命になりたいものが見つからないんじゃなくて、
そもそも本気になれない性質だったらどうしようとか考えたりもした。
けどそんなことも吹き飛んで忘れるくらいにがむしゃらでいられたらいい。
最近、それっぽい風が自分の中に吹いてきているような気がする。
風向きの変わる音。
いつもの公園に行くとサッカー対決に誘われた。
じゃんけんで勝ったほうから順々にメンバーをドラフトしていく形式。
小学生の頃からたいてい最後の方に残りがちだった僕は、例によって今回も最終ピックまで残りました。
先に「髪クルクルのかっこいいほう」と友人が選ばれていく。
「最後に残ったほう+カッコ悪いほう」という屈辱の称号をいただきそうになったので慌ててツッコもうとすると、
我がチームのキャプテンは、
偉大なるキャプテンは、
「ズボンがカッコよくて、かっこいい人」と言って、ワタクシめを選んでくれました。
絶対に負けないと固く誓って戦いに臨むものの、
3:4の数的不利は厳しく敵チームに2点のビハインドを負う展開。
キャプテンは絶好のチャンスを何度か外し、その度に地面を叩いたりチームメイトに猛烈に謝罪をしたり、とにかく彼はこの夕暮れマジックアワーフットボールチャンピオンシップ in つかざん公園に全力を注いでいることがビリビリと伝わってくる。
その時すでに私の体力は限界を遥かに超えており、
視界はすでに消えかけている。
深海の魚たちはこのくらいの視界で、光のない自分たちの国を泳いでいるのでしょうか。
絶え間ない頭痛、肺の空気が入れ替わり切らないうちに、新しい酸素を体内に取り込む。
心拍数はBPM125。
心電図がビートを刻み、医者たちも踊り出すリズム。
そんな時に百円の恋を思い出してしまったから、
もうここで終わってもいい、と全てを出し切る覚悟を決めた!
そこから獅子奮迅、3点とってチームは勝利。
試合終了と同時に選手たちの門限が来たので余韻もなく解散した。
出し切りました。文句なしに、これは全力を出し切った。
まあでも、小学生相手にかあ。大人気ないだけだな。
でも勝ちたくて頑張りました。
これを一歩前進と呼ぶことにする。
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