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個展Noel 『メリーゴーランドの馬』のおはなし

こんにちはすっかり寒くなりましたね❄


私は今個展を開催しているのですが、
その個展のメインビジュアルをなぜ
〘メリーゴーランドの馬〙にしたのかを
今日はお話させて頂きたいと思います。
とても長くなります‥ごめんなさい


 先日個展を見に来てくださったお客様にどんな思いで描いてるのか話した方がいいよ それを知りたいよと言って頂けて、他にも聞かれる方がいたり、知れて嬉しいと言ってもらえた方がとても多くいらしたのでお話しようと思いました。
これまで、絵のことを語るのは恥ずかしいし、見る人がどう受け取るのか余地がある方がよいのではと思っていたのですが、そんなことを言ってもらえて話そうと勇気が湧きました。

※メリーゴーランドの馬は物語があり5枚のつづく絵になっています。




今回はじめての個展ですが『Noel』というテーマに決めたのは9月頃のこと。

個展は11月に開催。11月とは‥‥
私は青森出身なので、小さい頃は11月半ばになるともう雪景色。今は気温が高くなってしまって、
あの頃の11月とは変わってしまいましたが、
それでも11月は白と青、そして冬のものたちが浮かびます。

それで11月開催なので冬にちなんだテーマにしようと思いました。

そして冬を想った時にどうしても馬たちのことが頭から離れず、メインの作品には馬たちを登場させることに決めました。

私の地元は馬産地だった街で、その名残から牧場が沢山あり、いたるところに馬のオブジェやモチーフのものがあり小さい時にはあちこちに牧場もありました。(今は宅地化が進みなくなってしまったところが多いです)

私の家の目の前にも馬が暮らしていたり、学校に行っても学校の横に馬が飼われている場所があるので昼休みに遊びながら友達と勝手に馬に名前をつけたり、馬の口の中がどうなっているのか観察してお絵かきしたりして馬が一番身近に生きる動物でした。

ちなみに父親も馬顔の馬年の馬好きで、わたしは馬に育てられたようなものです。
父の実家も昔馬を飼っていました。父から聞いた話の中で一番印象に残っているのも馬の話。
「馬は連れていかれる時に分かって、涙を流すんだよ、動物も泣くんだよ」というのを小さい時に聞いて‥それがとても印象深く残っています。

雪が降るとまつげの先を白くした可愛い瞳、
また官庁街通りには馬が走る姿の銅像があり、それが私はとても好きでした。青銅が雪にとても似合い、自由に走る馬たちの姿は格好良いのです。
それで、雪・冬を想ったとき故郷青森を思い出すと馬が浮かんでくるのでした。


そんなことを思い出していた9月には、
インボイス制度が施行されるかされないかの色々な状況の渦巻きがありました。これが始まるといろんな日本を下支えしてくれていた方が困ってしまう、地域格差や余波で貧困家庭が増えてしまうこと、そんなことを考えていると気持ちがどんどん沈んでいきました。
そしてそんな中で絵を描いて個展をするということに罪悪感を覚えるようになってしまいました、もう会期は近づいて決まっているのに。

生活に困窮する人がいる中で個展、
‥‥していていいのか とぐるぐるぐると。
そんな中でまたさらに中東の社会情勢の悪化がありました。情報を直視出来ないほど世界で起きている恐ろしい現状に‥‥普段は明るい絵を描いていますがどうしてもそれらを描く気持ちが持てず‥そんな時に何故か分からないのですがアニメ鬼滅の刃のことが頭に浮かびました。鬼滅の刃で起きていることは漫画の世界の話で現実世界に鬼はいませんがそれでも、自分で選択出来ない過酷で残酷な運命の中に生きている人が大勢いる‥この世の中はあの漫画で起きているようなことがあちこちでたくさん実際に起こっているな‥と。
そんな中で泣きながら明け星を聴くと本当に歌詞がどこまでも今の現状‥
そしてその歌がメリーゴーランドの馬のお話と絵のインスピレーションを一瞬で連れてきました。

いつもの絵とは印象が変わってしまうけど、それでも、今はこれを描かかないと他の絵も描けないと思い、このメリーゴーランドの馬のお話の絵をメインにすることに決めました。

明け星の歌詞は今世界で起きていることや辛い想いをしている人のことがまるで書かれているように感じます。あの歌はアニメの話の流れであの歌詞になったのでしょうがそれでも。
メリーゴーランドの馬の5枚を描く時はいつも深夜。明け星だけを繰り返し聴いて祈るように描きました。

「メリーゴーランドの馬」という題名でメリーゴーランドの馬を描いていますが、私はメリーゴーランドが好きではありません。
メリーゴーランド、あれは実際に生きている馬ではありませんが、あんな風に馬がモチーフになったものがしばりつけられてぐるぐる回ってる乗り物、馬が可哀想で苦しそうに見えてとても怖いです。


 上京してきてはじめて連れて行って貰った動物園。大きな動物達があんな狭いところに住まわされていてシロクマも狭いところを右左行ったり来たりしているのを見て、びっくりしてしゅんとしてしまい、連れてってくれた彼には大変申し訳なかった思い出があります。

「自由を奪われること」「選択できない」ということ、とても怖い。
あの動物園の動物達はどこか遠い国から連れて来られたのか、それとも広くて美しい大地を知らずに狭い中で生まれて一生狭いところを行ったり来たりして人間の見世物になって生き続けるのか‥まるでメリーゴーランドの馬みたいなことを本物の動物で人間は娯楽のためにしているの‥
(‥でもそこでとても動物をかわいがってお世話してくださってる方がいるのも知っています。動物園も水族館も遊びに行くことはあります、色んな種類の生き物が見られてうれしいです。たくさんお世話になってきました。否定しているのではなく、でも悲しいのです)

本当に私は、なにも言える立場じゃありません。

毎日絵を描いて絵の具で汚れた水を流して海や川を汚して、デジタルで描いて見ても電気を使って地球を熱くして、どちらもだめ。
制作終わりの明け方に白い洗面所を流れる色水を見て罪悪感に胸が痛むのに、それでも絵を描くことを止められない本当に矛盾している、どうしようもない。生きているだけで自然と地球を汚して、動物達の命を食べて生きてるんだから。そんな私がこのお話を描くのもおかしいけど、自由に生きられる命がどうか増えますように守られますようにと祈りながらお話と絵を描きました。そして今起きていること、世界でも日本でも抱えていることが小さくても大きくても。

無宗教なので何に祈っているのか分かりません
でも何かに願わずにはいられませんでした。

そんな形で出来上がった今回の個展のメインの絵。

これを描き終えるとなんだかやっと少し絵を描くことを許されたような気持ちになり、その後他の「手紙」というこれも物語に合わせて展開する立体の作品、他の楽し気な冬のイラストタッチのもの木工品なども描けるようになりました。

そんなこんなでぐるぐるとした感情の渦の中出来上がった今回の展示の絵たちですが、
ちゃんと展示の準備が終わると白い部屋の中で
優しくみんなで立ってくれてるみたいでした。



 今回はせっかくはるばる来てくれた人が楽しめるようにと全てアナログで沢山制作したのですが、その変わり額装準備等郵送に間に合わないとのことで全部手持ち搬入になってしまいました。
ガーン‥!!!!と思っていましたが、

世界堂で額やマット受け取りに行った時も店員さんがどのフロアに行っても優しく対応してくれて、キャリーケースがしまらなくて半泣きになっていたらおじいさんが手伝ってくれました。神保町の額屋さんも、がんばってよ!初個展!と言って私のDMをお店の窓に貼ってくれたり‥

搬入日も、ふらふらになりながら大雨の日に沢山の作品を担いで運んでいると、埼玉でも東京でも見ず知らずのすれ違うやさしい方が助けてくれて無事に搬入することが出来ました。行く方向違うのに手伝ってくれる方までいて思い出しただけで涙出ます。

初日の日、どきどきと不安の中朝ご飯を買いに行ったお店のお姉さんが眩しいくらい素敵な笑顔で接客をしてくれて「ありがとう~いい日になりそう絶対!」と、握手してもらいました。
徹夜明けでおかしくなっていましたね‥

でもとても忘れられない朝でした。



以前私は公立保育園の保育士でした。
公立ということはいわゆる安定の公務員。
安定を捨てて絵を描く人生を選んだバカな私を許してくれた家族や、大好きな友人いつも励ましあってきた絵を描く仲間、前職の同僚、来てくれた方や遠方から応援してくれる方、ギャラリーの夢野さん、快くDM置かせてくれた優しい店舗さん達、通りすがりの愛しい人達、私の会ったことのない紙やキャンバスをつくる人達、いつも支えてくれる絵、歌や本をつくる人‥書ききれない色んな人たちの働きの中でこうして個展って出来るんだな‥と思うと感慨深すぎて一昨日はみんなのことを想うと一睡も出来ませんでした‥沢山の感謝でいっぱいです。
(※まだ個展終わってませんw 23日までですよ、)

また、一昨日私は自分の個展が終わった後に急いで大好きな絵を描く方の展示最終日にかけこみました。そしてどうしても心を奪われてしまった絵がありそれを買いました。絵を買ったのは初めてです。
こんなに個展で出費がかさむのにそれでもどうしても、どうしても欲しくて。この絵があったら私は変われるかもしれない、元気いっぱいになれるかもしれない!と思いました。
最後に握手してもらったのですが手がとってもあったかくて、当たり前なんですけど、あー生きてるんだな、本当にと思いました。生きてこうして描いてくれて元気をくれる絵を。‥私もそんな人の気持ちを癒やしたり励ましたりそっと見守ってくれる絵を絶対描きたい!そうなる!と心から思いました。
くよくよばかりしちゃいられない、きっと祈るだけじゃなくてやれることはたくさんある。

そして今日は、保育士をしていた時にとってもお世話になった大好きな先輩にやっと、今日絵を描く人になったことを伝えました。あんなにお世話になったのに、保育士やめてしまったこととてもごめんなさいと思っていたのでそれでも今なら言えると思いました。そしたらずっと応援してくれると言ってくれました。絶対頑張ります。

ということで自分を責めることはこれからもあるかと思いますが、それでも描いていきます。
本当に長すぎで、誰も読んでないと思うけどここまで読んで頂いてありがとうございました。



「メリーゴーランドの馬」

まわるまわる  ぼくらはまわる
繋がないで この鎖をとって
ここは目がまわるんだ まぶしくて
どこまでもかけていきたい どこまでも
いつかしずかな森へと
夢を見てはしる



原画がとても馬たちが動き出しそうなので、
自分で言うのもなんですがとてもよいので
是非見に来て頂けると嬉しいです𓃗


他にもたくさんの展示をしてありますので是非お待ちしています 

SNSには載せてない秘蔵ファイルもお持ちしてますみなさん笑ってくれてます♡
(最初の2日間に来てくれた方ごめんなさい、
3日目からグッズとファイルが増えました)

また他の作品のことについても書きにきます。
みなさんのnoteもいろんなことが終わって落ち着いたら見にゆきますね!

それではまた書きにきます
いつもありがとうございます𓃗❄



Noel
森田はぐみ初個展 Noel

行き方詳細はこちらに▽

https://www.instagram.com/p/CzzuoynSgK2/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==




       
お仕事の絵以外は基本的に
いつも音楽の力を借りています
いつもありがとう歌たち。

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