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俳句

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テレビ番組のプレバド特に夏井さんのファンで俳句の面白さ、奥深さに感心していました。そこで私も無謀な挑戦を始めます。でも俳句と呼ぶのも恥ずかしいので誰かさんを見習ってタイトルは 「…
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2022年10月の記事一覧

霧島の鹿覗きたる露天風呂

霧島の鹿覗きたる露天風呂

今日はそろそろ行きたいなと思っている露天風呂です。いつも冷たいお風呂を描いているので今日はめちゃくちゃ湯気をたてました。ちょっとやりすぎですね。おでんの湯気では溶けない白を後から塗りましたが、今回は湯気をたくさん描く為、湯気を描かない白抜きでトライです。ついでに初めてのヌードにも挑戦です。

露天風呂と言うと昔からあったイメージがありますが、これが普及したのは昭和それも1980年代以降なんですね。

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仏壇を拝みて開けし新酒かな

仏壇を拝みて開けし新酒かな

杉玉は造り酒屋が新酒が出来たことを知らせる為に店の前に飾ったと言うことですが、新酒が出来る2月頃に新しい青々とした杉玉を飾り、夏にはそれが薄緑となり夏酒、秋には枯れた色となって、ひやおろしの季節を表すとありました。あれれ!杉玉は春の季語なのかと思いましたが、どうも季語にはなっていないようです。「新酒」は秋の季語なのに本当の新酒が出回るのは春なのか!「きごさい」によると昔は新米が取れるとすぐに酒を作

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山装うマリリン・モンロー・ノーリターン

山装うマリリン・モンロー・ノーリターン

いつの日か来たる逢瀬や寒薔薇鉛筆画の方が人物がよく描けるかと思って再度描いてみました。でも描いてみるとなかなか微妙です。やはり本物とは違いますね。でも雰囲気はつかめるようになって来ました。マリリン・モンローは特徴があってみんなが知っているので練習としてはいい素材です。

マリリン・モンローの本名はノーマ・モーテンソンと言います。マリリン・モンローのモンローは母親の旧姓です。1926年にロサンゼルス

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教会を見下ろす丘や祈り虫

教会を見下ろす丘や祈り虫

もうすぐ冬と言うのに今になって何故カマキリを書いたのでしょう?
実は季語を眺めていたらカマキリは別名、祈り虫とか拝み虫だと書いてありました。イメージが違うなと思ってさらに調べて見ると西洋では元々カマキリのイメージは全然悪くないというか真逆のイメージなんですね。Mantisという英語名も僧侶とか預言者と言う意味です。手を合わせた姿が祈りを上げる姿に似ているからですね。イスラムの世界でもカマキリはメッ

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親父

親父

いつの世も塞翁が馬秋の雲私の父は11才の時に父親を亡くしています。父は8人兄妹の上から2番目なので弟や妹6人はまだ10才以下だったことになります。父もショックだったとは思いますが、8人の小さな子供を残された祖母の気持ちはいかばかりだったのか想像も付きません。その後、再婚もせず全ての子供を立派に育てたのですから大したものです。

親父が残した自叙伝によると祖父は当時としては珍しく生命保険を掛けていて

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ショート・ショート 茂くん

ショート・ショート 茂くん

旧友の越し方聞くや秋深しひろしは高校3年になると本格的に受験勉強を始めました。でも他に何もしなかった訳ではありません。男友達5人くらいで交換日記をやり始めました。男同士で交換日記かと気持ち悪く感じる人もいるかも知れませんが、日頃思っていることを書くだけ、それはそれで彼らにとっては受験勉強の息抜きになっていたのでした。その仲間の一人が茂でした。特に変わったところもなく、強いて言えば自分は大人だとカッ

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砂埃り学舎の小屋の白兎

砂埃り学舎の小屋の白兎

次第に冬の足音が聞こえて来るようになりました。立秋は8月8日だったのでピンと来ませんでしたが、立冬は11月7日ということで暦の季節と体感が一致しそうです。今日の絵は一足早い冬の季語「兎」ですが、来年の干支でもあるので今から練習開始です。

兎ってなんとなくリスに似ているので、耳が伸びて大型化したリスの仲間かと思っていたら、そうではないんですね。勿論、哺乳類の誕生まで遡れば同じ仲間でしょうが、兎はウ

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筆休み

筆休み

冷房のリモコンテレビに向けし父
今日はショート・ショートはお休みです。
でも俳句はやりますよ!最近は引きこもり気味なのでそれを俳句にしてみます。

携帯をテレビにかざすボケ老人

あれっ季語がない!そうだボケ老人と言わずにそれを表すのが俳句です。ボケ老人を止めて季語に変えましょう!

携帯をテレビにかざす秋うらら

あれっボケ老人をなくしたらインターネットテレビに携帯をかざす若者の姿が見えて来まし

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ショート・ショート 山登り(2)

ショート・ショート 山登り(2)

昨日の続きです。
まだ薄暗い中、ひろしは重いキスリングを背負ってなんとか駅までたどり着きました。まだサラリーマンの出勤前のせいか駅には人もまばらで、息を吐くとすぐに凍ってしまいそうな寒さです。新宿で仲間たちと合流するといよいよ出発です。中央本線で小淵沢駅まで行くとそこから北沢峠に近いところまでバスに乗りました。計画では北沢峠にベースキャンプを張り、2日目は甲斐駒ヶ岳に登り日帰りでキャンプに戻る。さ

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ショート・ショート 山登り

ショート・ショート 山登り

春暁や揺れるリュックに憂う母
ひろしは生物班に入ったものの、もともと生物には興味がないので小旅行以外は徐々にさぼり気味になっていました。やはり男友達とやれるものがいいなと思いながらも、殆どの運動部は皆入学時から練習しているので途中からではハンデが大きいなと入るのをためらっていました。そんなある日、ひろしと同じクラスの生徒がワンダーフォーゲル部に入っていることを知りました。これならハンデはないかも知

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アイススケートとアイスクリーム

アイススケートとアイスクリーム

夕焼けのとうに闇なり吾子帰る
なかなかショート・ショートのネタが出て来ません。というわけでもっと古い子供の時代の話を書いてみます。

はっきり何年生とは覚えていないのですが、小学校の高学年だったと思います。同級生4人で東神奈川の駅前にあるアイススケートリンクに行った時のことです。それまでにも1〜2回は行ったことがありましたが、まだ棒立ちで足を前後に動かして滑っている、スピードを出す人が近づいて来る

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ショート・ショート オレンジの香り

ショート・ショート オレンジの香り

薔薇一輪マツコはやはりデラックス
ひろしは見たかったフランス映画が新宿歌舞伎町の映画館で上映されているのを新聞広告で見つけるとその週末に一人で見に出かけました。大学生になっていたひろしは映画を見る時は基本一人で行くことに決めていました。誰かに気を使うことなく映画だけに集中出来るからです。映画を見たあと、そのまま下宿に戻るのも何となくもったいない気がして、しばらく新宿をぶらついていました。映画館を出

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ショート・ショート 夏の思い出

ショート・ショート 夏の思い出

秋の山色を違えし分水嶺
ひろしは高校に入ってしばらくしたある日、自分の教室に戻る途中、廊下で少し憂いを秘めた綺麗な女子生徒とすれ違いました。それがひろしにとって初めて恋に落ちた日だったのかも知れません。胸の高鳴りは今までに感じたことのないものでした。確かに中学の時、学級副委員の山科が気になってはいましたが、こんな気持になったことはありませんでした。なんクラスだろう?名前はなんていうんだろう?教室に

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ショート・ショート 赤月君

ショート・ショート 赤月君

語らいし友との別れ赤き月ひろしが大学生活を始めてしばらく経った頃のことです。高校の同級生だった赤月君から会って話をしたいと連絡が来ました。高校時代、特に親しかったわけでもなく、ただ仲の良かった友達の友達でした。当時としては珍しかった高校浪人を経て入学した彼は一つ歳が上で、無口で皆に溶け込むことを拒否している感じでした。でもすらっとして知性的な顔付きの青年にひろしは何となく興味を持っていました。ただ

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