偶蹄目

キリンです。 現在はタイ北部・チェンマイ大学に交換留学しています。

偶蹄目

キリンです。 現在はタイ北部・チェンマイ大学に交換留学しています。

最近の記事

クーデターは近くで。

先日、カチン族の友人に誘われて日曜ミサに参加した。その時の備忘録。 ミャンマー。日本にいた頃、この国の名を聞いて連想される単語は幾つあったかな、と最近思う。 北タイ最大都市であるこの街には、隣国ミャンマーからの移住者が多い。屋台で何気なくチキンを買った店員さん。あの人ミャンマー人だよ、ミャンマー語を話していた、と言われて初めて気付く。社会開発について学ぶクラスメイトは8割以上がミャンマー人。中国ガールとウチら少数派だねって笑ってる。いえーい。 社会科学部に併設された、英語で

    • 北タイ留学備忘録:3ヶ月記

      北タイのこの街への留学が始まって3ヶ月ほどが経った。随分とこの暮らしにも慣れてきたように思う、良くも悪くも。 もとより良く言えばおおらか、悪く言えば雑で適当で面倒くさがりな生来の気質は、留学を経て加速した気がする。この文章もバイクに乗りながら左手でカオニャオ食べながら書いてる。初めは怖すぎてどんびいてたのに、適応力と生命力。 相変わらず英語は決して上手くはない。わかっているふりをした頷きが上手くなった。私の英語力の低さに対しイライラした空気を感じたり、深い議論はなんとなくの

      • 北タイ留学備忘録:タイ時間と方言と

        12月23日。クリスマス前日。 翌日に控えたクリスマスイベントのリハーサル・準備が14時からだったので、午前中は部屋で書き物をしたり昼食を食べたりして過ごしていた。 14時半、やばい遅れた、と思っていつもの練習場所(社会科学部食堂)についたけれど、相変わらず人が揃っていなくて、ゆるゆるとノリでミニ合奏をしていた。指揮者が来たので、半分くらいの人数のまま練習が始まる。 今から40分間休憩で、トラックに荷物や楽器を積んで移動するよー、と言われたので、楽器を片付けたり譜面台を運

        • 北タイ留学音楽事情

          こちらの記事は、ねぽびアドベントカレンダー2023(https://t.co/fMNz63okjQ)に寄せるものです。 こんにちは!私は今、タイ北部の都市•チェンマイにいます。AIMSプログラムという、政府•大学主導の東南アジア圏交換留学プログラムを利用して滞在を始め、はや1ヶ月になりました。 この記事では、そんな北タイでの音楽話でも。 1.日常に紛れ込む音楽たち タイ北部最大都市だからなのか、屋台文化の発展故なのか、チェンマイでは毎日のようにどこかでなにかのステージ演

        クーデターは近くで。

          旅行記  東尋坊に行くための旅をした。延び延びになっていたのでようやく行けてよかった。 東尋坊に夕暮れを見に行くことだけは真っ先に決まっていて、そのほかはほとんど決まっていなかった。 深夜、ぼんやりと集まり、東京を出た。夜行バスはどうも男女でだいたいの座席が分けられているらしい。初めて友人と夜行バスに乗るものだから少し緊張し、何度も目覚めてしまった。 早朝、福井に着く。想像より暑い。福井は城を中心に機能が集まっているようで、地図上の配置が美しかった。博物館や庭園が見ごたえ

          金木犀

          だいたい夜はちょっと感傷的になって金木犀の香りを辿る季節ですね。 秋口に差し掛かったこの季節が、この世でいっとう好きで、いっとう思い入れのあるものだなと感じます。 きのこ帝国のことも、「金木犀の夜」のことも、大学生になってからはじめて知った。街に金木犀の香りがあふれるたびについ思い出してしまう歌になったな。大学一年生の夏から秋にかけての思い出話。 大学一年生の夏、私は暇を持て余していた。当時は緊急事態制限も発令され、予定していた帰省や旅行なども躊躇い、サークルでの大会参加も

          図書館

          最近夢として「いつか自分の図書館を持つこと」というものを言葉にできるようになってきた。 言葉にしていれば、それが本当に輪郭を持った夢として立ち現れてくるような気がしたから。そしてそれは、割合いろいろな人に面白がって捉えていただけるらしい。現実味のない、夢語りだと馬鹿にされると思っていた。 いつか自分の図書館を持つこと。図書館でなくていい。古本屋、書店、ふらりと寄れる近所の魔女の家。ブックカフェみたいなのはいやだな。入りたいときに入れないから。お金がないと寄り付けないのは、ち

          駅そば

          駅そばを食べるのが小さな冒険、という話。 駅そばを食べることが昔からなんとなく好きだった。スーツを着た大人に紛れ、制服姿でかけそばを啜った日々。手軽に、安く、適当にお腹を満たせる、部活帰りの学生にはうってつけの補給地。 10代の頃食べる駅そばは、いつも小さな冒険だった。周りは父ほどの年齢のサラリーマンばかりで、なんとなく自分はお呼びではない場所のような気がした。100円玉を3枚握り締めて、暖簾の前をいったりきたり、券売機に並んでは列から抜け、何人も見送ったり。Yahoo検

          遠くへ

          遠くへいきたい、という感情は、幼いころからずっと持っている。 遠くへいきたい。知らない街をぼんやりと歩きたい。けれどいまこうして遠くへと行ける立場になっても、大して出かけていない私がここにいる。 幼いころ、スナフキンになりたかった。特に理由はない。緑色が好きだからだった気もするし、なんとなくあのあり方がかっこいいと思ったからな気もする。するりとどこかへ行ける身軽さが欲しかった。キャンプ地で迎える、朝露に濡れて草の匂いがする朝を毎日のものにしてみたかった。物置から発掘して少