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静 霧一/小説
2021年8月9日 21:25
健康診断の帰り道。渋谷駅から少しばかり離れた場所に足を進める。喧噪の街並みの音が次第に消えていき、古い民家を吹き抜ける風の音が、昔ながらの趣の音を心地よく鳴らしている。そんな宮益坂の路地裏にひっそりと佇むのが、珈琲店『茶亭 羽當』である。①茶亭 羽當1989年9月に渋谷の宮益坂下に誕生した『茶亭 羽當』は、30年以上営む老舗の珈琲店だ。昔ながらの趣をそのまま閉じ込めたようなお店からは
2021年5月19日 18:09
『あなたはレシピ本を何冊持っていますか?』ほとんどの人がこの質問に、「持っていない」と答えるだろう。逆に、ごく少数の人が、『十何冊持っています!』と誇らしげに答えることもある。世の中には数々のレシピ本が存在する。その出版数も毎年右肩上がりに伸び始め、レシピ本の需要の高さが伺えることからも、あなたの知らないところでレシピ本というのは買われ続けているのだ。レシピ本としてイメージするの