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菫色の一年に感謝を込めて——

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 2020年も明日まで——皆様がお健やかな年の瀬をお迎えになられていることを願いながら、激動の本年の活動記録と共に、皆様への感謝の気持ちを綴りたいと思います。

 本年最後のイベント《モーヴ街のクリスマス》の年内分発送も無事終え、新しい年に向けて、ようやく気持ちをゆったり持つ時間を作ることができた今日——

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 思い返せば、日々迷いながら、心休まることなく走り続けた一年でした。自分の中のどこに、ここまでの気力と体力があったのか——不思議に思う程、全力で駆け抜けた毎日。
 胸躍らせながら、シーズンごとに予定を組んだ展覧会は、コロナ禍の影響で4月から実店舗を休業したため急遽開催方法や会期を全て見直し、一部来年に延期しながら、オンライン開催という新しい方式で年内最後のイベントまでお届けしてきました。

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 いま、立ち止まって、走ってきた一年という道を振り返っています。
 不安が増し、先の見えない時世の中にいまだ呆然と立ちつくしながら、しかし新しい一年に向けて、晴れやかな一歩を踏み出す準備ができています。
 決してひとりではそんな風に思うことはできなかったでしょう。当初ぬかるんでいた道なき道は、道中たくさんの方々に支えて頂いたお陰で、振り返った今、「小さくとも思い高い」花々が咲き誇る道となっていました。

お花3

 新しい一年がどのような風景になるのか、誰にもわかりません。わからないけれど、踏み出した一歩は確かさを持って、過去にしっかりとした足跡を残します。振り返った過去の風景がこれほどまでに胸に迫り、未来への希望に繋がった一年はなかったように思います。

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 人影のない菫色の小部屋でひとり黙々と作業を続けながら、作品に宿る作家さま達の息遣い、オンライン上の向こう側にいらっしゃるお客様の温かな気配を感じることができた掛け替えのない日々——
 これからも、状況に合わせて軽やかに形式を変えながら、菫色の小部屋が皆様に文学・アート・モードの美しい世界をお届けできるよう願いを込めて、2020年の活動記録をお届け致します。ご高覧頂けましたら幸いに存じます。

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 本年、菫色の小部屋(実店舗)で開催できた企画展はふたつのみ。2月開催《ジョルジュ・サンドの5つの書簡》展と、3月開催の佐藤すみれ 1st フォトブック刊行記念《すみれ色の魔法の小部屋》展でした。

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 各方面でご活躍のプロデューサー・佐藤すみれ様の1st フォトブック『すみれ色の魔法』内に、霧とリボンの菫色の小部屋を訪れた様子が掲載されたご縁で開催が叶った展覧会——この会期以降、実店舗が休業に入ったことも重なり、ひときわ思い出深い、すみれ色の時間です。

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 そうして迎えた4月、コロナ禍にあって展覧会を中止・延期するのではなく、「オンライン開催」という新しい方式に切り替え、霧とリボン 別館としてここnoteにオンライン・ギャラリー「MAUVE CABINET」をオープンしました。

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 実店舗にて開催予定だった7つの展覧会をオンラインに変更して開催。予定変更に快くご対応下さった各作家さま・ブランド様、《少女の聖域》展プロデューサーの高柳カヨ子先生、《菫色の実験室vol.5〜菫色×スミレ属》連動企画展をご一緒した鉱物アソビ様、《ディケンジング・ロンドン》展共同企画者の熊谷めぐみ様に改めまして深く御礼申し上げます。全国からたくさんのお客様にご高覧頂き、実店舗開催と変わらぬご厚意で、作品をご鑑賞頂きました。

 見通しのたたない状況下、ひとつひとつの展覧会が先を照らす灯火となって、誰もいない菫色の小部屋の行き先を煌々と照らし続けてくれています。

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 ここMAUVE CABINETにて、いつでも展覧会の全記録をご高覧頂けます。ぜひお好きな時間、お好きな場所から、美しい作品たちに会いにいらして下さい。

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《MAUVE STREET|モーヴ街》とは、オンライン上のストリート。各noteを美術ギャラリーや図書館、アトリエや百貨店などの建物に見立て、多彩な文化発信と作品の展示販売を行うプロジェクトです。現在建物は全部で9つ。あちこち寄り道しながら、モーヴ街のお散歩をお楽しみください。

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 実店舗が休業に入った翌5月、今後を見据え、オンラインでのアート活動をいっそう楽しく充実したものにすべく「モーヴ街MAUVE STREET」を開通。3つのイベント、モーヴ・ヌーヴォー(開通記念)《モーヴ・セロファン(夏)》《モーヴ街のクリスマス(冬)》を開催、皆様にオンライン上のストリート散策をお楽しみ頂きました。
 ここ「MAUVE CABINET」もモーヴ街2番地に位置するオンライン上の建物になります。

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 霧とリボンが運営する、文学、アート、モード、音楽など、カルチャー全般を通して親睦を深める会員制社交クラブ《カルチャー・ソロリティ 菫色連盟》。本年はイラストレーター・ヨネヤマヤヤコ様主催《香水談話室vol.3〜甘蜜香水》を2月に開催したのみ、以降、各サロンはお休みに入りました。

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 香水談話室での甘やかなひとときを追想しつつ、皆様とまた集える日を楽しみにしております。モーヴ街6番地《ブライオニー荘》は菫色連盟のアジト。来年もこちらから文化発信を行いますのでどうぞお楽しみに!

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 霧とリボンが力を注いできた、敬愛するアーティストの方々とのコラボレーション作品を本年も続々発表。ドレスなどのモード作品にはじまり、ティタオル、架空のアブサン酒、作品集、オーガニック紅茶など、多彩な内容をお届けしました。
 各作家さまの高い美意識とセンス、卓越の技術に改めて感銘を受けた一年でもありました。

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 展覧会テーマに合わせて発表した霧とリボン オリジナルの作品です。ジョルジュ・サンドの書簡に捧ぐアクセサリー、最初期装身具の2020年版復刻、ルネ・ヴィヴィアンにオマージュを込めた書物のためのブローチ(栞)、ディケンズ『荒涼館』を題材にした香水箱(ポプリのオブジェ)——好きを目一杯詰め込んだ作品群、お楽しみ頂けましたでしょうか。

 作品を受け継いで頂けることがいかに奇跡のような出来事か——感謝という言葉では言い尽くせない、厳かな気持ちに満たされながら、お客様へお届け致しました。

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 オンライン展覧会をこうして継続できたのは、ご賛同下さった作家さま・ブランド様、関係者の皆様と、様々な形でご支援下さった全国の皆様のお陰です。温かなお便りやメッセージもたくさん頂戴致しました。心より深く御礼申し上げます。皆様のお陰で、菫色の小部屋を守ることができました。

 2021年最初の企画は、2月開催のモーヴ街・春のオンラインイベントとなります。春待つ華やかな内容をお届けしますので、どうぞご期待下さい。それ以降の展覧会については、状況を見ながらの開催を予定しています。 

 一日も早く、入り口を飾るクレマチス・アーマンディが、皆様をお迎えできる日がきますように。春の雪が舞った日から時を止めた菫色の小部屋より、願いと感謝を込めて——

クレマチス

 皆様、どうぞお健やかで佳いお年をお迎え下さいませ。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 菫色の一年に、心からの感謝を込めて——
 霧とリボン主宰
 ミストレス・ノール

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