|BRIONY LODGE|ブライオニー荘

|モーヴ街6番地|アイリーン・アドラー率いるカルチャー・ソロリティ《菫色連盟》は、世界…

|BRIONY LODGE|ブライオニー荘

|モーヴ街6番地|アイリーン・アドラー率いるカルチャー・ソロリティ《菫色連盟》は、世界を菫色で満たすことを目的とする謎の組織。ここブライオニー荘は《菫色連盟》東京支部のアジト、アイリーンの門下生ビジュー達の住まいです。

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    金田アツ子|Pudding à la mode

    ★販売は先着順 ★転売目的のご購入はお控え下さいますようお願い申し上げます ★【ゆうパック(60サイズ)送料込みのお支払い】となります *決済の際に別途送料が表示されます 【ご注意】 ★他の商品と複数注文の際は、注文を分けずに一度にご注文ください。遅い納期に合わせて一括発送致します。 別々に注文の場合、送料がその都度加算されてしまいますので、ご注意ください。別々に注文の場合、一括発送ができず、別々の発送となりますこと、ご容赦願います。 ★発送は【ご入金日翌日からカウントして7営業日以内(土日祝休)】に手配 大変恐れ入りますが、順番に対応しているため、具体的な発送日のお問い合わせにはお答えすることができませんので、何卒ご了承願います ★配送のご希望がある場合は備考欄にご記入願います ・曜日 ・時間帯【午前中】【12〜14時】【14〜16時】【16〜18時】【18〜20時】【19〜21時】【20〜21時】 ご指定がない場合は【一番早い発送・時間指定なし】でお届け致します お日にちの指定に関しては、ご入金日翌日からカウントして7営業日(土日祝休)以降のみご指定可能です * モーヴ街4周年記念イベント《菫色の実験室vol.9〜菫色×デザート》出品作品。 ・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ 春の花でいっぱいの、プリン・ア・ラ・モード  ……金田アツ子 ・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ 文|高田怜央 東京にはまだ、訪れたことのない名曲喫茶がたくさんある。うっかりしているうちになくなってしまった場所もある。さみしい。 けれども金田アツ子さんの出してくれる昔ながらのデザート菓子は、いつまでたってもなくならない。遅くなってもいつも出迎えてくれる、わたしが来るより少し前の街の記憶。 春先の花々を摘みとって、一体なにをこしらえよう? 指輪? 王冠? ブーケ? それとも……アツ子さんの手にかかると、ひとたび季節のデザートに。お花畑のようなプリン・ア・ラ・モード。 薄明かりのランプの下、カフェテーブルに花束のようなデザートが並んでいく。蓄音機がチラチラとラヴェルを奏でる。かぐわしい花の香りに包まれながら、音楽の続く限り時が止まる。カウンターのレース越しに、アツ子さんが微笑む。 ★作品情報 アクリルガッシュ・バロンケント 作品サイズ|9.2cm×14.2cm 額込みサイズ|14cm×19cm 制作年|2024年(新作) ★プロフィール 金田アツ子|画家 絵を描いて、個展やグループ展などで時々発表しています。静かな喫茶店とピアノの音が好きです。 ★重要なお知らせ ご不在で商品をお受け取りできなかった場合は、必ず【7日間以内に配送業者さんにご連絡の上】お受け取りをお願いします。配送業者さんの保管期間を過ぎた場合、お荷物は当方に戻り、再発送の際は、所定の手数料がかかりますこと、ご了承願います。 【発送業者さんへの手数料(着払い送料と同額)】と【再発送にかかる送料】を1週間以内に指定口座にお振込頂いた後、3営業日以内に商品を再発送致します。 ★返品・交換について 作品や商品に不備があった場合は、商品到着後、7日以内にご連絡願います。作品については問題解決後にお届け、商品については良品と交換させて頂きます。但し、代替品をご提供できない場合は、交換ではなく返金対応とさせて頂きます。返送や交換にかかる送料は当方で負担します。 お客様のご都合による返品は受け付けておりませんので、ご不明な点はご注文の前にお問い合わせ願います。 *画像の色味はできる限り現物に近づけておりますが、ご覧頂く環境により見えは変化します。ご了承願います。
    25,000円
    KIRI to RIBBON
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    横井まい子|泡沫のお茶会

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地上の喧騒など聞こえない、水底色の場所では、貝の形のお菓子にふさわしいお茶で。
カップの中は、彼女の服と同じ色でしょうか。
 魚たちは、次はいつ会えるか分からない透き通るような女の子に、好かれようと気にかけています。 もし今夜、夢の中で貝殻を拾ったら、朝の世界へ持ち出せるでしょうか?
 彼女の面影やお茶の味を忘れてしまっても、貝殻の触り心地だけは、泡のようには消えないでほしいものです。 ★作品情報 油彩・綿キャンバス 作品サイズ|22cm×16cm(オーバル) 額込みサイズ|約33.8×26.9cm 制作年|2024年(新作) ★プロフィール 横井まい子|画家 少年や少女の姿を通して自然や物語を絵に表したいと思い描いています。 個展 2018年マリアの心臓(銀座)、アサヒギャラリー(甲府)他、グループ展などで作品の発表をしています。 ★重要なお知らせ ご不在で商品をお受け取りできなかった場合は、必ず【7日間以内に配送業者さんにご連絡の上】お受け取りをお願いします。配送業者さんの保管期間を過ぎた場合、お荷物は当方に戻り、再発送の際は、所定の手数料がかかりますこと、ご了承願います。 【発送業者さんへの手数料(着払い送料と同額)】と【再発送にかかる送料】を1週間以内に指定口座にお振込頂いた後、3営業日以内に商品を再発送致します。 ★返品・交換について 作品や商品に不備があった場合は、商品到着後、7日以内にご連絡願います。作品については問題解決後にお届け、商品については良品と交換させて頂きます。但し、代替品をご提供できない場合は、交換ではなく返金対応とさせて頂きます。返送や交換にかかる送料は当方で負担します。 お客様のご都合による返品は受け付けておりませんので、ご不明な点はご注文の前にお問い合わせ願います。 *画像の色味はできる限り現物に近づけておりますが、ご覧頂く環境により見えは変化します。ご了承願います。
    70,000円
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    金田アツ子|Pudding à la mode

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    25,000円
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    横井まい子|泡沫のお茶会

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地上の喧騒など聞こえない、水底色の場所では、貝の形のお菓子にふさわしいお茶で。
カップの中は、彼女の服と同じ色でしょうか。
 魚たちは、次はいつ会えるか分からない透き通るような女の子に、好かれようと気にかけています。 もし今夜、夢の中で貝殻を拾ったら、朝の世界へ持ち出せるでしょうか?
 彼女の面影やお茶の味を忘れてしまっても、貝殻の触り心地だけは、泡のようには消えないでほしいものです。 ★作品情報 油彩・綿キャンバス 作品サイズ|22cm×16cm(オーバル) 額込みサイズ|約33.8×26.9cm 制作年|2024年(新作) ★プロフィール 横井まい子|画家 少年や少女の姿を通して自然や物語を絵に表したいと思い描いています。 個展 2018年マリアの心臓(銀座)、アサヒギャラリー(甲府)他、グループ展などで作品の発表をしています。 ★重要なお知らせ ご不在で商品をお受け取りできなかった場合は、必ず【7日間以内に配送業者さんにご連絡の上】お受け取りをお願いします。配送業者さんの保管期間を過ぎた場合、お荷物は当方に戻り、再発送の際は、所定の手数料がかかりますこと、ご了承願います。 【発送業者さんへの手数料(着払い送料と同額)】と【再発送にかかる送料】を1週間以内に指定口座にお振込頂いた後、3営業日以内に商品を再発送致します。 ★返品・交換について 作品や商品に不備があった場合は、商品到着後、7日以内にご連絡願います。作品については問題解決後にお届け、商品については良品と交換させて頂きます。但し、代替品をご提供できない場合は、交換ではなく返金対応とさせて頂きます。返送や交換にかかる送料は当方で負担します。 お客様のご都合による返品は受け付けておりませんので、ご不明な点はご注文の前にお問い合わせ願います。 *画像の色味はできる限り現物に近づけておりますが、ご覧頂く環境により見えは変化します。ご了承願います。
    70,000円
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    川野芽生 × 高田怜央|【Wサイン入り】詩と短編小説『黎明通信』

    ★販売は先着順 ★転売目的のご購入はお控え下さいますようお願い申し上げます ★【クリックポスト(全国一律185円)送料込みのお支払い】となります *決済の際に別途送料が表示されます 【ご注意】 ★他の商品と複数注文の際は、注文を分けずに一度にご注文ください。遅い納期に合わせて一括発送となります。 別々に注文の場合、送料がその都度加算されてしまいますので、ご注意ください。別々に注文の場合、一括発送ができず、別々の発送となりますこと、ご容赦願います。 * モーヴ街4周年記念イベント《菫色の実験室vol.9〜菫色×デザート》出品作品。 ・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ 文|川野芽生 こんにちは。歌人・小説家の川野芽生です。
詩人・翻訳者の高田怜央さんと一緒にZineを作成しました。
造本・デザインは霧とリボンさんにお願いした、トリプルコラボ本です。 内容は詩と短篇小説(怜央さんとわたし、おのおの詩5篇、小説1篇)。
怜央さんが小説を発表するのははじめて。
わたしが詩をまとまったかたちで発表するのははじめてです。 [発端] 発端はおそらく約一年前、怜央さんの詩集『SAPERE ROMANTIKA』の刊行記念の高田怜央×永井玲衣トークイベント(代官山蔦屋書店)を聞きに行った時でしょうか。
話を聞いていたらなんだか詩が書きたくなり、その夜にその勢いのまま書いた詩を怜央さんにLINEで送るという蛮行をしました。
怜央さんが過分に褒めてくれるので調子に乗って過去に書いた詩も読んでもらったり、その後も詩が書けるたびに送りつけたりしていたら、どこか発表の場を作ろうよ、ということに。 同じころわたしが『奇病庭園』を刊行し、「文学はつねにすでに翻訳である」と題して、『SAPERE ROMANTIKA』とのW刊行記念トークを本屋B&Bさんにて開催したとき、特典として二人が詩を書き下ろし、それぞれに日英両バージョンを用意して(怜央さんは英→日、わたしは日→英)、ペーパーを作りました。
それがこのZineに再録した「竜胆に就いて/On Rindoh」です。 そのまま、次は一緒にZineを作りたいね、という話になりました。
そして、霧とリボンさんにデザインをお願いしたらどうだろう?
その怜央さんのアイディアにわたしは夢中になりました。
昨年、わたしと怜央さんは霧とリボンさんのコフレセットに文章で参加させていただいていました。
そのときの、繊細な紙のデザインの美しかったことといったら。
霧とリボンさんに自分たちの本を作ってもらったら、どんなにかわくわくするだろう。 [個人的な文学遍歴] 実をいうと以前にも詩を書いていたことがあります。
最初に本を出したり原稿依頼をもらったりするようになったのは歌人としてなのですが、それよりずっと前、ものごころついた頃から物語を書いていて、中学・高校では詩も書くようになりました。
ジャンルに関係なくとにかく〈文学〉が好きで、なんというか欲深なんでしょう、色々なジャンル・形式に手を出してきました。 といっても当時は文芸部や同好会の部誌で発表するくらいでしたが。
(ちなみに俳句も川柳も作ったことがあります)

その後、大学入学前後から短歌にはまり、数年間は短歌ばかりやっていましたが、小説のことも忘れられず、卒論の時期を前にして小説執筆を再開したりしました。
今では短歌と小説の両方を発表させてもらっています。 でも詩は長いこと書いていませんでした。
短歌にはまり、ある程度同時代の短歌なども読むようになると、詩を書くにはもっと現代詩のことをきちんと学ばないと……! という気持ちになってきて、ハードルが上がってしまったのも一因だと思います。
それまで読んでいたのは、近代詩か翻訳詩が主だったので。 そんなわけで詩を書くのは久しぶり、人に読んでもらうことも滅多になかったわたしが、このたびZineで詩を発表することになったのでした。
まだちょっと照れがあります。 [テーマ「海」について] Zineのテーマは「海」。
これも個人的な理由で、海の近くに住んでいるもので、春頃、まだ水のつめたい波打ち際を散歩しながら、心にうつりゆくよしなしごとをiPhoneの音声入力でメモして数篇の詩となし、怜央さんに送ったからです。
今回のZineに載っているわたしの詩はそのとき作ったものです。
それに合わせて怜央さんも海の詩を作ってくれることになりました。 [短篇小説] わたしが普段発表する機会のない詩を出すのだからと、怜央さんもはじめての短篇小説に挑戦することに。
長さ的には短篇、というより掌篇かな。
寄せては返す波のような不思議な文体を持つ小説を書いてくれました。 [デザイン・造本] このZineの造本やデザインは、手に取ってじっくり眺めてほしいところです。
暁、波打ち際にきらめく砂のような、冷涼な装幀。
帯つきの本体冊子に、蛇腹状の小冊子が挟み込まれ、蔵書票もついています。
蔵書票には怜央さんとわたしの書き下ろし短歌が載っているので、実はこのZine一冊で詩+掌篇小説+短歌が読めるという計算です。 ・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ ★収録作品 【詩】 花飛沫 Many Oceans [海たち]
 (足)(跡) 
Blue [ブルー]
 (貝)(殻) 
APPARITION
 メニュー
 Crying Blue [クライン・ブルー]
 そこに
 最後のように 【短編小説】
 難破船
 TWILIGHT THEORY 【対話詩】
 竜胆に就いて/On Rindoh
 初出:川野芽生 × 高田怜央『奇病庭園』『SAPERE ROMANTIKA』W刊行記念トーク「文学はつねにすでに翻訳である」特典ペーパー(本屋 B&B、2023年) ★書籍情報 3点セット仕様: [本体冊子] A6サイズ/中綴じ製本/32p/表紙:特色印刷/本文:二色刷り/帯付き
 [蛇腹小冊子] 112mm×80mm/外五つ折/帯付き
 [蔵書票 ] 名刺サイズ/表面:特色印刷 写真:川野芽生 編集:高田怜央 造本・デザイン:霧とリボン 発行日:2024年8月31日 限定 600部 ★プロフィール 川野芽生|小説家・歌人・文学研究者 1991年神奈川県生まれ。2018年に連作「Lilith」で第29回歌壇賞、21年に歌集『Lilith』で第65回現代歌人協会賞受賞。24年に第170回芥川賞候補作『Blue』を刊行。他の著書に、短篇小説集『無垢なる花たちのためのユートピア』、掌篇小説集『月面文字翻刻一例』、長篇小説『奇病庭園』、エッセイ集『かわいいピンクの竜になる』、評論集『幻象録』、歌集『人形歌集 羽あるいは骨』『人形歌集II 骨ならびにボネ』がある。2024年7月、第二歌集『星の嵌め殺し』刊行。 高田怜央|詩人・翻訳者 1991年横浜生まれ、英国スコットランド育ち。上智大学文学部哲学科卒。バイリンガル詩に第一詩集『SAPERE ROMANTIKA』、対話篇 『KYOTO REMAINS』(遠藤祐輔 共著)、「FUTURE AGENDA[未来の議題]」他 二篇(『ユリイカ』)、「AFTER YOU[あなたの跡]」(読売新聞)など。主な翻訳に、映画『PERFECT DAYS』(制作・脚本・英語字幕)がある。NY派詩の翻訳を構想中。 ★返品・交換について 作品や商品に不備があった場合は、商品到着後、7日以内にご連絡願います。作品については問題解決後にお届け、商品については良品と交換させて頂きます。但し、代替品をご提供できない場合は、交換ではなく返金対応とさせて頂きます。返送や交換にかかる送料は当方で負担します。 お客様のご都合による返品は受け付けておりませんので、ご不明な点はご注文の前にお問い合わせ願います。 *画像の色味はできる限り現物に近づけておりますが、ご覧頂く環境により見えは変化します。ご了承願います。
    1,650円
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   なかでも物語としての起

        YURI YAMAGUCHI|幻想デザートを寓話にのせて

        マガジン

        • ROOM 2B|YURI YAMAGUCHI
          2本
        • ROOM 3A|HITOSHI NAGASAWA
          6本
        • ROOM 1C|RIE EGUCHI
          6本
        • ROOM 2A|KAYOKO TAKAYANAGI
          14本
        • |ROOM 3C|YAYACO YONEYAMA
          15本
        • |ROOM 1B|MISTRESS NOOHL
          1本

        記事

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           大文豪、夏目漱石(1867-1916)の作品を好きになったのは、実はわりと最近である。  『坊っちゃん』や『こころ』には遠い昔に教科書で触れたはずだが、教科書というだけで敬遠してしまっていた。だが友人に薦められて読んだ『草枕』の幻想的な雰囲気と流麗な文章、大好きなラファエル前派のミレーの「オフィーリャ」の絵画の描写にすっかり嵌まって以来、何かを取り戻そうとするかのような勢いで読んでいる。『幻影の楯』、『薤露行』、『文鳥』、『明暗』などが好みの路線だけれど、『坊っちゃん』もや

          RIE EGUCHI & 野村直子|文学者の音楽室《2》|夏目漱石と音楽

          RIE EGUCHI & 横井まい子|シスターフッドと音楽《2》|ふたりのマリア、そして無数のマリアたち

           ——12月。  空が深い菫色に染まり、「創造力」という名の星々が燦然と煌めくモーヴ街のクリスマス。  何十年も昔、英国で過ごした子供時代のクリスマスの想い出は、何人かで近所の家々を訪ね、玄関先でクリスマスソングを披露して募金を呼びかける「キャロリング」だ。今では以前ほどは行われないと聞くが、玄関の扉を開くと大人や子供の小さな即席合唱団が歌をプレゼントしてくれる光景は、忘れられないノスタルジックな一幕。この風習はヴィクトリア朝から盛んになったものだといわれる。クリスマスはい

          RIE EGUCHI & 横井まい子|シスターフッドと音楽《2》|ふたりのマリア、そして無数のマリアたち

          HITOSHI NAGASAYA & 合田ノブヨ|メルヴェイユのはざま《1》|冬の羊歯

           丹念に織り込まれた「細部」というものがある。  そうした美しい「細部」はしばしば人を驚かせ、感嘆させる。  合田ノブヨさんの作品には、そんな細部がそこかしこにある。  羊歯を手にして霜の模様を描くような仕草をする少女。  窓霜の模様が羊歯を連想させることを、少女を媒介にしてまるで冬の奇跡のような作品にしている。  羊歯も窓霜も、どちらも「細部」がある存在だ。  そして手前の羊歯から白く霞む窓外まで、冬の白く溶け込む光景がしっかりした暗色の窓=フレームによって囲まれる。

          HITOSHI NAGASAYA & 合田ノブヨ|メルヴェイユのはざま《1》|冬の羊歯

          KAYOKO TAKAYANAGI|日野まき|天使の降る夜

           クリスマス、特別な季節。暗く寒い冬に光を灯す、アドベントの祈り。  天使が舞い降りる聖なる夜。  モーヴ街初登場となる日野まき。  彼女の作品にはじめてふれた人は、その情報量の多さに驚くことだろう。優しい筆致で描かれた造形の中には、時間と空間が幾重にも多層的に埋め込まれている。二次元で描かれた世界は切り取られることで三次元となり、過去と未来に向かって伸張する。  それはまるで一冊の本を読み聞かせてもらっているような体験であり、本の内容は観る度に角度を変える。  余白に落

          KAYOKO TAKAYANAGI|日野まき|天使の降る夜

          YAYACO YONEYAMA|倫敦都市香水

          Textヨネヤマヤヤコ  菫色連盟潜入取材として参戦したサロン・ド・パルファンでのことです。香りの坩堝に飲み込まれ時折溺れそうになっていた我々を待ち受けていたのはゲラン帝国でした。  目に留まったのはメゾンの象徴である蜂をあしらった深い深い菫色のビーボトル。その美しい佇まいはまるでアメジストの神殿のようです。霧とリボンのために用意されたとしか思えないその香水の名は。秒で購入されたノール様のご相伴に預かりムエットをいただくと疲れ果てた脳に柑橘類とルバーブがとても爽やかで、乾い

          YAYACO YONEYAMA|倫敦都市香水

          HITOSHI NAGASAWA|宿命の女と死─『死都ブリュージュ』の世紀末

          Text|長澤 均  およそ夕暮れと散策を語ったら、ジョルジュ・ローデンバックの右に出る作家はいないかもしれない。1892年に書かれた『死都ブリュージュ』は妻亡きあと、「灰色の街」であるベルギーのブリュージュに移り住んだ主人公が、夕暮れどきに街を彷徨するうちに亡き妻そっくりの女性と出会う物語だ。  毎日、同じ夕刻に色が沈んだ街を散策する主人公ユーグの寂寥感は、亡き妻へのひたすらな愛によってさらに寂しい風景となる。彼は妻のものは何ひとつ棄てず、さらに金色の遺髪をクリスタル・

          HITOSHI NAGASAWA|宿命の女と死─『死都ブリュージュ』の世紀末

          RIE EGUCHI & monomerone|文学者の音楽室《1》|ヴァージニア・ウルフとロンドン

           物語の中には、音楽に関するモチーフがわりと頻繁に登場する。本シリーズ「文学者の音楽室」では、作家・文学者たちがどのように音楽を受容し、関わってきたのかを記述や記録から辿り、彼らの音楽のある菫色的なライフスタイルと一緒にご紹介。毎回アーティストをお迎えし、その回のテーマから自由に着想した作品を制作発表して頂く。  ウルフ(1882-1941)は、英国の20世紀モダニズム文学を代表する作家の一人で、霧とリボンの展覧会にも度々登場する極めて菫色的な存在。  “意識の流れ”とい

          RIE EGUCHI & monomerone|文学者の音楽室《1》|ヴァージニア・ウルフとロンドン

          KAYOKO TAKAYANAGI|神林長平|『ぼくらは都市を愛していた』

           生成都市、という概念がある。  それは都市が自立的に増殖するというイメージを想起させ、あたかも都市というものが一個の生物として存在しているかのような印象を抱かせる。  実際都市とは、人々の希望や欲望や絶望を飲み込んで果てしなく膨張し続けるものなのかもしれない。  日本SFの最前線を走り続ける神林長平の小説には、都市が印象的なかたちで描かれているものが多い。  タイトルからしてインパクトが強い『過負荷都市』、上空に浮かぶ浮遊制御体に監視された都市を妖魔と色彩が乱舞する『プリ

          KAYOKO TAKAYANAGI|神林長平|『ぼくらは都市を愛していた』