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双子座

双子座。

言語を獲得する。

対話が始まる。

それは独り言ではない、誰かと言葉を交わすことで生まれる世界。

その世界の中でもう一人の自分を探すという旅が始まる。

魂の片割れを求めて。

ヘルメス神(水星)のお膝元でもある双子座で人は「言語」と「情報」を扱う術を身につけ、旅をし移動することで自らの好奇心を満たしていく。それは単なる一人旅ではなく、物と物を交換する商売の旅でもある。双子座はその軽やかさと若々しさから中性的、少年的な印象が強い一方で、商売のサインとも称され、優れたビジネスセンスで窮地を鮮やかに切り抜ける賢明さも併せ持っている。

守護星である水星は、太陽の「意志」を伝達する役割を担い、自分の想いや理想を「言語化」し他者と共有することで、双子座の世界を構築していく。

言語を介して、お互いを理解し合うこと、そこには言語への信頼、他者への信頼が必要とされる。双子座はおしゃべりだとか弁が立つと言われることも多いが、それは「言語」というものに出会い、それを使ってみたいという未知なる興味がそうさせるのだろう。「言語」というものが信じるに値するものなのかを絶えず模索しているとも言える。「言葉でなら何とでも言える」この言葉の意味を真に理解できるのは双子座だけかもしれない。

双子座の「双子」たる由縁は、他者の中に自分に似た「もう一人の自分」を発見していくというプロセスが含まれているからだ。

相手との対話や関わり合いの中で相手の中に自分の欠片を見つけていく。それは自分一人では成立し得ない新しい世界の始まりでもある。そして、眼には見えない、ふれることもできない、遠くにいる誰かとも「言語」をとおして、つながっていくことを覚える。それは情報や通信、様々な文学を生み出し、世界をさらにカラフルなものにしていく。

他者との結びつきを求めつつも、そこに安住することが無いのも双子座だ。柔軟宮に属し、相手や状況に合わせる臨機応変さを発揮しながら、多様な関係性を育んでいく。そうすることで、出会う他者の中に「自分」というものを見つけ、自分自身への理解を深めていく。

似ているようでいて違う、その違いや違和感を抱えつつも、どうしてだか、何だかわからないけれど、分かり合えたと感じられるような「瞬間」を手にすることで双子座の世界は広がりを増していく。それは蟹座で他者への共感力を養い、周囲の人間と共存していく力を身につけるための準備期間でもあるのだ。



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