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勇気をくれたコーラの話

勇気をくれた、一杯のコーラの話です。

東京で暮らしていた頃働いていた会社は、みんなで会議室のテーブルを囲んでお昼ごはんを食べるのが習慣だった。

無理に話さなくてもいいし、携帯をいじってても何も言われない。
じゃあデスクで食べてもおんなじやんけ、とは思いつつ、昼休みだけ電源がつけられるテレビで、朝ドラの再放送が見れるのはうれしかった。

その日は木曜日、朝ドラの前に「サラメシ」の再放送がある。

サラメシは、「ランチをのぞけば人生が見えてくる」をテーマに、昼ごはんを皮切りにいろいろな仕事をしている大人に密着し、その人の生き方や仕事の流儀を紐解いていくNHKのほっこりドキュメンタリー番組。

その日の特集は、大手広告代理店に勤めるシュッとしたお兄さん。
立派なオフィスが映し出されたところで、なんとその日が最終出勤日であるとのナレーションが。(中井貴一さんのナレーション、暖かくてとても良いですよね)
いきなり退職するとこからスタートなの?!と若干混乱しつつ見ていく。

会社でとる最後のランチにお兄さんが選んだのは、バナナとコーラ。
「お昼ご飯もまともにとれないくらい忙しかった時に、よく食べていた」という定番セットらしい。

「すごく忙しかった日々を忘れないように、最後のランチもこのセットにしました。」

バナナを頬張りコーラをごくごくと飲む彼の、少年みたいな笑顔が印象的だった。

その日のサラメシは、若手社員が広告代理店のお仕事に奔走する!という話ではないらしかった。
その日のサラメシが、私に勇気をくれたコーラとの出会いだった。

彼は、世界初のクラフトコーラ、「伊良コーラ」の創業者、だった。
その名もコーラ小林

小林さんは、市販のコーラを飲むことで自身の偏頭痛が和らいだ経験をきっかけに、コーラに興味を持つようになる。
もともと薬として飲まれていたコーラ。大学時代に世界中を放浪し、各国のコーラを飲み歩いた。
社会人一年目のある日、インターネット上で、100年以上前のコーラレシピ「シークレットフォーミュラ」に偶然出会う。

「自分でコーラをつくることができるかもしれない」
急いで材料をかき集めて作った初めてのコーラは、市販のそれには遠く及ばない出来だったけれど、でも、これでわかった。
コーラは自分で作ることができる。

それからは、会社員としての仕事の傍ら、自宅のキッチンでコーラと向き合う毎日だった。
夜な夜なシロップを煮詰める日々の中で、ヒントになったのは漢方職人の祖父の存在だった。
漢方の調合技術や、遺品として残された調合道具との出会いに導かれて、「伊良コーラ」が誕生した。

伊良コーラのパッケージには、カワセミの姿が描かれている。
「コーラはクラフト(手作り)できないもの」という常識に挑戦する姿勢を、カワセミが「空から水中に飛び込み、魚を捕らえる」姿に重ね、アウェーな環境に自ら飛び込む姿勢を表現しているそうだ。

安定した仕事をやめ、独立をするというその選択もまた、普通だったらなかなかできないことだと思う。パッケージに描かれたカワセミは、伊良コーラのコンセプトだけじゃなく、小林さんの生き方や指標をも、まるごと表現している。

木曜の昼、流し見をしていたサラメシで、偶然出会ってしまった小林さんのコーラ物語。
安定した環境や常識にとらわれず、自分の好きなものを追求し挑戦する姿は、大人として、人として、すごくかっこよかった
市販のコーラにはないこだわりの味。夢と挑戦の味がするコーラ。
どうしてもそのコーラを飲んでみたくて、久しぶりに週末に早起きをして、青山に出かけた。

▲夢の味!

▲右下においてあるのはコーラの実

▲カワセミが真ん中にどん!レトロなマークが可愛い。

シナモン、クローブ、バニラビーンズ、コーラの実。
すべて天然素材で作られたシロップがお洒落なパウチの袋に注がれて、続けて炭酸水、薄切りのレモン、赤いストローが差し込まれる。
よくかき混ぜて、どきどきしながらごくりと一口。

しっかりとスパイシーで香ばしい風味。なのに、やさしくて奥行きのある味。スパイスの効いたカレーや、アジアのご飯が好きな人だったら絶対好きな味だと思う。
もともとコーラは薬として飲まれていた、なんて信じられなかったけど、たった一口でなるほどと納得してしまう。手渡してくれたお姉さん曰く、二日酔いにも効くらしい。
本当にびっくりするほど美味しくて、夢中でごくごく飲んでしまった。

よく晴れて、じわっと汗ばむほどの良いお天気の中。
空になったパウチの袋のカワセミをみつめながら、私もやっぱり、やりたいことを諦めたくないなあ、と思った。
大学を出て、地元から出てきて、毎日を無事に終わらせることに精一杯で、本当にやりたいことを仕事にすることは叶わなかった。
消化試合のような日々の中で、世間体や周りの人の言うことを気にしすぎて、言い訳にして、もやもやしながら最初の一歩を踏み出していないのは、誰でもない自分自身だった。
そして、立ち止まったままのその足を動かすことができるのも、私だけだ。

その日一杯飲んだコーラは、頑張っている人たちのことはもちろんだけど、頑張りたくて、でもまだ何もできていない私のことも、やさしく応援してくれている気がした。勇気をくれた気がした。
パウチの中の綺麗な色に、かっこいい大人の物語が、透けて見えた気がしたのだ。

あの日、背中を押してくれた一杯のおかげで、この春から私は新しい会社で、ずっとやりたかった仕事を始めることができました。
まだまだわからないことばかり、キャパオーバーで毎日がいっぱいいっぱいだけど、世界の色がワントーン明るくなったように思います。
がむしゃらで勢いだけで進んだ一歩で、まだまだカッコ悪いかもしれないけど、あの時よりは、かっこいい大人になれているといいなあ。

僕がわくわくしながら作っている伊良コーラを多くの人に届けることで、子どもたちに夢を与えたり、大人たちの見方を変えたりすることにつながればと思っているんです。その思いを、このロゴにも込めています。
SNSのコメント欄に「今日は伊良コーラが届いたから、飲むのがたのしみだ」と書いてくれた人がいたら、ああ、自分のコーラで“しあわせ”や“わくわく”のいいエネルギーをこの世の中に増やせてるな」とうれしくなるんです。
とびきりおいしくて、しかも手作り。そんな伊良コーラに出会った人々が、まるでいい映画を観た後みたいに、ものごとを見る視野が広がったり、ハッピーな気分になったりするといいなと思っています。それで、この世界がちょっとでもよくなったら幸せに思います。

▼素敵なインタビュー記事「PINTSCOPE 心に一本の映画があれば」より
https://www.pintscope.com/interview/takahide-kobayashi/

きっと伊良コーラを飲むたびに、「まだまだやれる、頑張るぞ」と踏ん張ることができる。
飲むたびに、やさしい美味しさが嬉しくなる。
飲むたびに、背中を押してもらうことができる。
これからもきっと、どんなときにも勇気をくれる、私的、スーパーエナジードリンクなのです。

パウチのラベル側が見えるように持って歩いていると、道行く人に注目されます。謎に誇らしい気持ちになって、胸を張ってずんずん歩きます。
私が広告塔だ!

▼伊良コーラ公式サイト

▼オンラインストア \魔法のコーラシロップが買えちゃいます!/

いろんなことが落ち着いて、躊躇いなく飛行機に乗れるようになったら、
一番に下落合の総本店に行きたいです。
しばらく飲めていないから、そろそろオンラインショップで注文するぞ。
魔法のシロップ、名前だけじゃなく、瓶もかわいいのです。


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