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在来作物どう繋いで行くか

ポケマルふるさと納税というのがある、通常のふるさと納税と違い、直接生産者と繋がることができる。

詳しくはポケマルこと株式会社雨風太陽代表の高橋さんの投稿からどうぞ。

【国内初、寄附者と生産者がつながる「ポケマルふるさと納税」が大好評】 ふるさと納税の本来の趣旨から外れ、自治体間の豪華返礼品合戦に陥っている現状に一石を投じようと、これまでにない寄付者と生産者がつながる新しいふるさと納税を発明したわけです...

Posted by Hiroyuki Takahashi on Thursday, December 1, 2022

素晴らしい取り組みである一方、ふるさと納税は返礼品を確実に出せるのが前提で、1万円のふるさと納税額に対し、農家に入るのは2000〜3000円位である。

しかし「知的財産」「生きた文化財」として言われています在来作物(伝統野菜)は、生産性が低い、種取り農家が1人で高齢ですぐにでも途絶えそうで、そもそもふるさと納税に参加しにくく、伝承していく為の支援にはふるさと納税では効果が薄い。

実際、農水省や各地域の行政、農協などでも在来作物(伝統野菜)に特化した支援というのはほとんど見かけないか、支援条件が厳しい。

ポケマルふるさと納税は返礼品の過当競争に一石投じる素晴らしい取り組みで、在来作物などの支援ではもちろん無いが、ふるさと納税する中には支援の気持ちを強く持っている人が多い側面もある。

生産者と消費者の距離が開き続ける一方、生産の現場には入れなくても応援したいという声が高まっているのも事実である。

では、そんな存続危うい在来作物などの具体的かつ効果的な支援はどうしたらいいか、生産者目線でしかないけど、現場の状況を踏まえるとこんな支援が有効なのではと簡単に書いてみました。

在来作物の特性とそれに見合った支援


いちばん必要とされているのは、長い目で見た保護や調査、直近ではシンプルかつ大胆な金銭的支援の両輪だと思います。

細かい支援としては食育に使う野菜として在来作物は野菜の味、生育方法などいい素材になるので、学校などで毎年一定量を買い取りするなど色々アイデアはあると思います。

買って応援というのは、量を出せる品目に限られるので在来作物支援の優先順位としては低いかと。ただ生産量増やしている最中はふるさと納税や各種支援の返礼品などとして高めに買い取る事で金銭的な支援になる。

海外より農業への支援が日本は弱いと言われているので、在来作物、生産性の低い固定種、古来種、郷土料理位しか使われない野菜などからまず農業のみのベーシックインカムの様な事を取り入れるというのも。
条件面をどうするかは難しい面もありますし、TPPだ、RCEPだと農業の立場が弱まる日本では無理そうですが農水省や財務省などが検討してくれるといいなと思います。種取り量、生産量がしっかりと伸び後継者生まれないと意味が無いので、半端なやり方ではなく手厚い支援は必要です。

 農水省や市町村の農政課、農協などなのか、ポケマルなど販売支援をしている所でチームやプロジェクトを組むのか、消費者が支援団体作るかとか、どこがやるのがいちばんいいかは取り組む方向性次第な面もあると思います。
山形では日本国内でも一番最初に「在来作物研究会」ができ20年経ち、ひとつの役割を終え解散したのですが、在来作物の継承にはまだまだ前途多難です。

在来作物の中でもだだちゃ豆のように機械化に成功している農産物は稀で、機械化、農地の集約などのための支援では在来作物の強化、継承には効果が薄いです。6次産業化でも、収量が少ない、形が不揃いで効率が悪い、収穫期が短いなどで難しい場合も多くあります。

手間が多い在来作物は付加価値を付ける前から手間の分だけ売値がそこそこ高いこともあり、その上に付加価値、ブランディングで値を上げると、とんでもなく高額になり、一般の消費者が買いにくくなってしまいます。

またほとんどの在来作物は高齢な農家が1人で残してるなど多いので、生産量を増やすには、人手の確保がまずは必要です。
種取りも1人で続けることで、種が急激に弱ったなんて話も聞いており、種取りする生産者を増やすことも必要です。各県にシードバンクを公的に作ることもあると必要だと思います。

生産者が連絡係せず人集めできるお手伝いできる仕組みもあるといい。ちゃんと人件費払って雇えばいいじゃないかと思うだろうが、焼畑など短時間、しかもスケジュール調整が難しい作業は、雇用で補うのは難しい。

シンプルなプロジェクトひとつでどうにかなる問題では無いと思います。それほど存続危うい在来作物が多い。
力強い在来作物支援が待たれています。税金や国際情勢などと並んで国会のいちばん最初にでもぜひ議論してもらいたい。

宝谷かぶの種と畑山丑之助さんの手


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