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気まずい人にお菓子を渡しますか?

金曜日の夜に「ラーメンでも食べに行こうよ」と同じ部署の女性社員たちに誘われて、飲み会に参加した。私入れて4人の女性社員と上司の男性社員が1人。田舎の小さな居酒屋に入った。

まだ転職して3ヶ月。仕事にも食らいついて、それとなくこなしている毎日で、疲れるがそれ以上でも以下でもない。適当が一番だ。

「言いたいこと言っときなよ」

と言われたが、特に物申したいこともないのでよく喋る他のメンツの話を聞きながら、黙々と食べていた。話題を振られた時に気の利いた回答がすぐできなかったり、気心知れた仲でもないのでグイグイ話すこともできなくて1人で落ち込んでいた。みんなそんなこと微塵も考えてないので、簡単に受け流していればいいのはわかっていても一気に目線が集まると緊張する。

デスクが隣の歳の近い女性の先輩は、話しやすく面白い人でよくお菓子を交換する。なかなかデスクで世間話をすることもないので、お菓子をきっかけにどうでもいい会話をするのが楽しい。

「(先輩社員)とはどうなの?話してる?」

と上司が気を遣って聞いてくれたので

「そうですね…お菓子を一緒に食べてます笑」

と答えると、言葉が足りなかったようで

「それ気まずいからお菓子で誤魔化してるんじゃないの〜笑」

と上司からは返ってきた。場を盛り上げることも考慮しての言葉だろうが、先輩社員もいる場所でかなりズケズケした発言だなと思った。女性がお菓子を渡すのは何故だろう。少なくとも、私は「もっと仲良くなりたい」とか「ちょっと話したい」の表現の一つでお菓子を渡す。もちろん渡す時も渡さない時もある。

そもそも気まずい人に何かをあげようと思うことはない。相手を想って渡すものに対して「気まずいから」という理由になる上司は男性なので、また考えが違うのかもしれない。差別でもなく、その考え方が始めてだったのでかなり印象に残った。

これはプレゼントとかお土産とかお祝いとかにも繋がっていく気がする。自分の気持ちの表現だと勝手に思っているので、義務的に渡そうと思って買ったことは一度もない。逆にどうでもいい人には同じ組織にいても別に渡そうとも思わない。前職は人事で大異動がある前は「喜んでくれるかな」と、お土産を頻繁に買っていた。人事異動後はそんな気にもならないので、何一つ買うことはなかった。



私自身がどんな人間かどうかを会社の人にわかってもらいたいわけではないが、少し踏み込んだ飲み会の場だと「どんな人か」を探られることになる。興味があるのかないのか、味のしない薄い会話が続く。

つくづく、私の人間関係は狭く深くが性に合っていると実感させられてしまった。「お前に私の何がわかる」と上司の返答1つでずっと頭の中が忙しない。休日に友達とサシで遊ぶ時の心の軽さと比べようのない時間だった。きっと当分参加はしないだろう。

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