見出し画像

携帯に「イタズラしちゃった」お客様殺到。

「いやぁ、イタズラしちゃって。直してよ」

「よくわからないんだけど、イタズラしちゃったみたい」

「イタズラしたら、ちょっとおかしくなったんだよね」


何してくれたのでしょうか、お客様。

窓口でお困りのご様子で皆さん、そうおっしゃる。

新人の私と同期は戦慄しました。私に対応できるだろうか。筐体を分解でもしたのか、ルート解除でもしてしまったのか、変なアプリでも入れてしまったのか。一体、何をやらかしたのか。私たちはそれはもう一生懸命、ヒアリングしました。いつ、どこを触ったのかと。物理的に何かやらかしたのか、データをどうにかしたのか。

老いも若いも「イタズラ」したと半笑いでおっしゃる。

私と同期の二人はその言葉を聞くたびにドキドキしました。

先輩たちは「イタズラしちゃったんですねー」なんて、さくっと流してる。さすが先輩、こんなことでは動揺しないのですね。

毎日のように、何人も症状「イタズラしちゃった」で来店する人々。でも、大抵すぐ解決するようなこと。壊れてもないし。不具合でもないし。

おかしいな・・・

不可解な言動を繰り返すお客様に私と同期は3、4ヶ月悩まされ。

ふと、文学部卒の私、気が付きました。

あれ、これ、もしかして方言では。

私「イタズラしちゃったとは、よくわからないがどこか設定を変えてしまったみたい、ということでしょうか」

客「そうなのー。どこイタズラしちゃったのかしらー。」

正解だったー。ここでは私と同期以外、地元民。逆に「イタズラした」は標準語だと思っていたと、後で聞きました。焦るー。


※フィクションです

#エッセイ #仕事 #携帯 #携帯ショップ #日常 #日記 #エッセイ #人間関係 #トラブル #思い出 #スマホ #携帯電話

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?