見出し画像

ビジネスマナー?え、ヒマなの?

世の中、
よくわからないマナーが
溢れている。


溢れすぎていて、
正しい礼儀作法が何なのか
わからないことも出てくる。

でもこれは違う、というものがある。

公然とビジネスマナーとして
「印鑑の押印時の角度」は
上席者にお辞儀する角度にした方がいい、

なんて書かれていることがある。

さすがにこれは、
気にしなくていい。


気にしている上司がいるとしたら、相当ヒマな人。
相当、相当、ヒマな人。

そして、本来行うべき業務を行っていないから
ヒマなわけで、
明らかに仕事ができない人。

経営幹部にはなり得ない人。
すぐにあなたが飛び越えていく人。

そもそも、円形の印鑑だから角度をつけられるだけで、
角型であれば、水平の線に合わせないと
バランスが悪い。

押印や捺印による決済自体も減っている中、
くだらないことに時間を割く必要はなく
もっと有益なことに時間を割くべき。


ただ、けっこう迷うビジネスマナーもある。


例えば、メールの書き始め。
宛名」を名刺通りの
正確な社名、部署名、役職名を
全て記すべきなのか。

「○○株式会社
 事業戦略本部 新規事業部
 開発課 マネージャー
 □□ 様」


そして、導入の挨拶

「平素より、格別なるご高配を賜りまして、
 誠にありがとうございます」


例文は、宛名も導入文もカチカチのカタめ。

もっと崩したものや
いろいろ省いたものなど、
多くの定型文があるからこそ
どれにすべきか迷うところ。

迷った挙句、どのようにしたか、
わたしが考慮していた点を下記したい。

営業職という、
お客さまと直接やり取りをする
経験から辿り着いたもの。

①相手に合わせる
対等に近い相手、ということにはなるが、
相手と同じであれば、
基本的に失礼には当たらない。

ただ、
サービスを発注する側と受注する側の関係性や
上司と部下の関係性など

自分がへりくだった方がいい場合は
相手より丁寧な形にした方が無難。

メールひとつに時間をかけるなんて無駄、
という方もいるかもしれないが、

特に対外的なやり取りにおいて、
表情声のトーンもわからない、文字だけのやり取りである
メールは、あらぬ誤解を招く可能性もあるので
注意が必要。

短縮できる時間と、相手に悪印象を残す
リターンリスクのバランスを考えた方がいい。

これは、自らの経験でもそう思う。
お取引のあった人材会社の担当者とのメール。

こちらが発注側、相手より年長であり
相手が一般社員でこちらが役職者でもあった中で、

メールの序文に「お世話になります」という
略式挨拶もなかったときは
さすがに

社内向けのメールじゃないんだから

と、思った。
(正確には、なんだコイツは、と思った)


とにかく1分1秒でも無駄を省く、なんて
よくビジネス書に書いてあるが、
この場合においては、
ただ、自分本位なだけと相手は捉える。


省いても失礼にならない相手か、
理解してもらえる関係性が築けている相手か、
自社が圧倒的優位性を持っているか相手か、

それらを満たしている場合を除き、
1分1秒をケチらない方がいい。
失うものは、意外と大きい。

むしろ、たかだか20文字程度のキーボード入力だとしたら、
入力速度を上げる努力をすべき。


②時と場合を選ぶ
公の度合いというか、より公式なご案内や文章の場合は
形式ばった、丁寧な表現の方がいい。

例えば、イベントへのご招待とか、
自社の代表からの文面とか、
宛先が相手の会社の役員の方とか、
お詫びの文章とか。


宛先は正式名称で、
導入の挨拶文も書面のような「敬具」で閉める
格式ばったものが良いかもしれない。

メリハリをつけることで、普段との違いも強調でき、
かつ、相手への配慮も欠いていない。


③自分のスタイルをアレンジする
ビジネス書の影響でも何でもいいので、
自分のスタイルを見つけ、その方法を
適宜アレンジする。

①、②の優先順はしっかり守ったうえで、
普段のお取引先とのやり取りは
できる限り簡素にしたかったので、

わたし自身は
宛名は基本、社名なしの「苗字+さま」のみ。

導入挨拶は、相手が書いていなくても、
そのときのやり取りの始めは
「いつもお世話になります」で、

以降、その件でのやり取りは
「お世話になります」で始めることを
基本とした。


これは業界での常識というものもあると思うので、
それぞれの慣習も気にした方がいいかと思う。

そして、社内向けメールの宛名は
「苗字+さま」

挨拶文は基本、ナシ。

取締役に向けての時だけ、仕方ないので
「お疲れ様です」

を入れた。
部署内への転送は、特筆すべきことがなければ
ひと言もいれず、そのまま転送。


社内の慣習は、
昭和の古い会社だったので、

「取締役○○本部長殿(?様?)」
という宛名で

「いつも大変お世話になり、ありがとうございます」
という導入の挨拶文で、ベテランはやり取りしていた。

社内なのに、

気持ちわるっ。


メールを確認する側もヒマじゃないとしたら、
ダラダラと呼称と挨拶文を入力するのではなく、

簡潔でわかりやすい文章にするための
推敲に時間を割くようにしていた。


昭和の体質の会社の中では
けっこう衝撃的な省き方だったとは思うけど、
そこは社内なので、と割り切った。

波風立ちそうな会社は、慣習に倣った方がいい。


いずれにしても、相手があることなので
慇懃無礼にならない程度の丁寧さは必要だけど、
かといって、そればかり気にしていてもよくない。

相手に
「宛名と序文は丁寧なのに、中身がない!」

と思われてしまっては、本末転倒。


自分の経験では
対外的、社内的なやり取り含め、

メールの宛名、導入文、本文が長ければ長いほど、
仕事ができる、とは思えない方が多かった。


そう、だから
ビジネスマナーを保った範囲で

いかに少ない文字数
誤解を生まず
的確に理解してもらう

というのが、いろんな意味での
ビジネスマナーなんだと思う。


そして、
マネージャーのこういったスタンスも
多少なりともチーム内に
影響を与える。



最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。

 きのした


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?