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キャプテンはカオス

走りながら、考える。
管理職になり立ての時なんて、
そんなもの。

日々、試行錯誤しながら、
より良い方法を模索して
ひた走る。

そして、一息ついて
振返ってみると、このやり方が
一番よかったかな、と気づくときがあり
そこを深掘りしていく。

経験のないことをやるのだから、
間違えや失敗があって当然

そうなったときに、変なプライドは捨てて、
さっさと謝ればいい


「切り換え」が早ければ、
傷が浅いうちに立て直すことができる。


任された部署に上位部門から
示された方針の中で、

売上と在庫に絡むものについては、
具体策と、数値目標を示すことで
年間方針を示す目処が立った。


次は、
「管理強化(不正の排除)」
に取り掛かる。

「不正の排除」って、穏やかじゃない 汗
確かに、事態は穏やかじゃなかった。

なんだなんだ、ソレは。


全社の営業職の基本的な考え方として、
使用していた基幹システムで処理できれば
万事オッケー
という認識があった。

各自がその基幹システムに入力し、商品の出荷手配や
売上の計上を行っていた。

使用していた基幹システムとは、
IBMのAS400というソフトで、通称「キャプテン」と
読んでいた。

背景が黒で、緑の文字。
基本、文字や数字情報しか表示できない。

今となっては、キャプテンどころか
ベンチ入りできない補欠。

初めて見たとき、
「なんだ、このインベーダーゲームは!」
と、衝撃を受けたことを覚えている。

そのソフトを介して、
全社の各部門の基本情報から、
お取引先情報、売上や商品在庫などの
情報が連動している。


それも、改修に改修を重ねており、
かつ、改修担当者もコロコロ代わってきた過去もあって
メニューを見るだけでもカオスだった。


更に、各営業の運用もカオスだった。
先ず、「伝票の日付の改ざんがシステム上で出来る」
という仕様。

基本的には、自社が伝票を発行するものについては
「出荷日に売上を計上するのが原則」、というルールで
運用していた。

でも、わざわざ「先付け伝票処理メニュー」なるものが
追加されており、自社と先方の締日の差を利用して、
売上等の調整
をしていた。


そんなものはまだカワイイ方で、
月末付近に売上予算が達成できていないと、
こんなことをしていた。


出荷手配と売上計上の処理を終え、
自社の商品センターでパッキングも終わっているのに

「すみません、ちょっと手違いがあったようで確認中なので
そのまま少し、パッキングしたまま出荷を停止して
頂けませんか?」

と自社商品センターに連絡し、社内の売上だけ計上したまま
商品を輸送中という体にしたまま、商品センターに滞留させる
ということも行われていた。


挙句の果てに、
消化取引(売上仕入)という、店頭販売した時点で
自社の売上と先方の仕入が起きる取引のメニューでは、
なぜか、卸価格が手入力で調整できる仕様になっていた。

要は、架空の売上を上げられる仕様のシステムで
営業も調整弁としてそれを活用
していた。

もう、抜け道だらけで、
やろうと思えば不正し放題の
粉飾し放題の状況だった。

経理からの入金確認も遅く、
また確認の仕方もぬるぬるの
ユルユルだった。


更に厄介なのが、
「本人たちが悪い事をしている」
という自覚が全くなかったこと。


ニヤニヤしながら、
「これはね、こうすればいいんだよ!
お前、マネージャーなのにそんなことも知らないの?」

と、言われる始末。
戦慄した。

しかし、何年も前から「管理の強化」は
営業方針として言われてきたはず。
一体どうなってるんだ。。

このままじゃ、イカン。


大きな事故が起きる前
ルールをしっかり確認し、
周知徹底しなければ、

と思った。


こういったところで、
基本的な原理原則に立ち返るべく、
簿記の知識が役立つ。

刑事さながらに、
伝票と各段階の処理とそれらの流れを
イチから洗うことにした。


んー、まだ先は長い。



最後までお読み頂き、ありがとうございます。

マネジメントでお悩みの方、
管理職になって日が浅い方、
上司の考えに「?」と思っている方、
カッチカチに古い体制の会社に疑問を持たれている方、
などなど。

お仕事でそんなお悩みを持たれている方に向けて
発信していきたいと思います。

 きのした

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