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「厚労省がPfizer社の新型コロナ経口薬「パキロビッドパック」を特例承認」

TONOZUKAです。

1ヶ月ほど前の記事から。


厚労省がPfizer社の新型コロナ経口薬「パキロビッドパック」を特例承認

以下引用

厚生労働省は2022年2月10日、米Pfizer社の日本法人であるファイザーが申請した「パキロビッドパック」(ニルマトレルビル・リトナビル)を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として特例承認した。軽症から中等症IのCOVID-19患者に使用できる経口薬としては、国内では「ラゲブリオ」(モルヌピラビル)に次いで2剤目となる。パキロビッドの投与においては、複数の医薬品が併用禁忌・併用注意とされている。そこで、厚労省は2月14日から同月27日にかけて新型コロナ患者受け入れ確保病床を有する医療機関約2000施設と一部の地域の薬局で試験的にパキロビッドを提供し、適正使用に向けた検討を重ねる。同月28日以降は、全国の医療機関・薬局で取り扱い可能となる予定だ。

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パキロビッドはニルマトレルビルの錠剤とリトナビルの錠剤がセットになった製品だ。1日2回、5日間連続で、ニルマトレルビルを2錠とリトナビルを1錠服用する。Pfizer社が創製したニルマトレルビルはSARS-CoV-2のメインプロテアーゼ(3CLプロテアーゼ)を阻害することにより、ウイルスの複製を抑制するとされている。リトナビルはSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性を示さないが、ニルマトレルビルの主要代謝酵素であるCYP3Aの阻害作用を有し、ニルマトレルビルの血漿中濃度を維持する。

 リトナビルがCYP3Aを阻害すること、ニルマトレルビルとリトナビルがCYP3Aの基質であることから、パキロビッドの添付文書上では複数の医薬品が併用禁忌・併用注意とされている。具体的な併用禁忌の薬剤としては、高血圧治療薬の「レザルタス配合錠」(オルメサルタンメドキソミル・アゼルニジピン)や、抗凝固薬の「イグザレルト」(リバーロキサバン)などがある。厚労省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課の担当者は、「多くの薬剤が併用禁忌となっているため、患者が服用中の全ての薬剤を医師や薬剤師が確認する必要がある」と説明した。また、重度の腎機能障害を有する患者には推奨されず、中等度の腎機能障害を有する患者には用量調節が必要となる。

 パキロビッドは、重症化リスク因子を有する軽症から中等症IのCOVID-19患者のうち、成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児を対象としている。さらに具体的な投与対象については、日本感染症学会の作成するガイドライン「COVID-19に対する薬物治療の考え方」の改訂において規定される予定だ。軽症から中等症IのCOVID-19患者に使用できる経口薬としては他に、MSDのラゲブリオがある。ラゲブリオは妊娠または妊娠している可能性のある女性に対して投与禁忌となっている。一方でパキロビッドは、ラットでの実験でリトナビルが胎盤を通過して胎児へ移行することが報告されているものの、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合は妊婦にも投与可能とされている。ラゲブリオとパキロビッドの使い分けについて厚労省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課の担当者は、「現時点でラゲブリオとパキロビッドを効果の違いで使い分けるのは難しい。妊娠の有無や併用薬などを踏まえて、どちらを処方するのか選択することになるだろう」とした。

 パキロビッドの国際共同第2/3相臨床試験(EPIC-HR試験)では、18歳以上のCOVID-19患者を対象に、ニルマトレルビルとリトナビルを1日2回5日間投与した際の有効性と安全性を評価した。中間解析の結果、入院または死亡に至った被験者の割合は、パキロビッド群で0.8%(3/389例)となり、プラセボ群の7.0%(27/385例)と比較して6.3ポイント低く、有意差が認められた。なお、中間解析には日本人1例が組み込まれていた。

 ファイザーは2022年2月1日、2022年内に200万人分のパキロビッドを日本政府に供給する最終合意を厚労省と締結したことを発表した。「4万人分のパキロビッドが既に国内に入っており、まずはそれを厚労省が買い上げる。パキロビッドは2月14日にも供給を開始する」(厚労省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課の担当者)という。

 ラゲブリオの場合、配分を希望する医療機関・薬局は「ラゲブリオ登録センター」に登録し、同センターを通じて配分依頼をする。パキロビッドの2月28日以降の配分も同様の流れになる模様だ。厚労省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課の担当者は、「原則としては患者の人数分だけ注文可能とする。患者がいない場合には1度の注文で5人分までを提供する」と説明した。
国内ではファイザーのパキロビッドに続き、塩野義製薬もCOVID-19に対する新規経口薬(開発番号:S-217622)の承認を目指している。S-217622はパキロビッドと同様に、3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制すると考えられている。軽症/中等症患者約400例を対象にした国内第2b相臨床試験で良好な結果が得られた場合、2022年2月にも承認申請し、最短で2月末から3月の初めまでに供給を開始する計画だ。




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