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#0025【不動産投資入門】不動産ファイナンスで用いられるノンリコースローンとは

不動産投資を行う場合にノンリコースローンという用語がでてきます。不動産ファンド、REITで利用されるローンになります。不動産投資を行う上で、ファイナンスは重要なファクターです。ノンリコースローンの概要について説明します。

【ノンリコースローンとは】
レンダー(金融機関)がローンの返済原資を借入人が保有する不動産に限定し、保有する法人にそれ以上の返済責任を遡及しないローンのことです。リコースが遡及するという意味のため、遡及しないローンということでノンリコースローンとなります。ノンリコースローンを活用することにより、不動産を保有する法人の出資者は、出資額を限度として責任を負い、出資額以上の負担を負わない点にメリットがあります。ノンリコースローンの返済原資は不動産からの収入となります。従って、資金の貸し手は賃料収入や売却益等を慎重に検討しローンを貸し出すことになります。

【ノンリコースローンの特徴】
ノンリコースローンと対比されるのは、コーポレートローンです。企業の信用力を評価して、その企業の他の事業から生み出しているキャッシュフローも返済の原資として期待することが可能なローンです。ノンリコースローンの場合は対象となる不動産が生み出すキャッシュフローや売却時の資金を借入金の資金回収の原資として期待するため、不動産の収益性や出口での流動性の高さが重要となります。

ノンリコースローンの借入期間は、不動産の保有期間等を考慮して3年から5年というものが多くなります。期間に制限があるわけではありません。ノンリコースローンではテール期間という期間が設定されます。これは借入期限の延長期間です。このテール期間を設けることで、借入期限後に不動産を売却したり、売却せずに借り換えることができる猶予期間となります。
ノンリコースローンの調達に際して、金融機関に対しては通常の借入と同様に金利を支払います。変動金利と固定金利の2種類があります。金利の支払い以外にも金融機関に対しては、調達時のローン実行のための手数料(貸出手数料)を支払うことが一般的です。ノンリコースローンの調達にあたっては、金利以外の手数料の支払いも含めてローンの調達コストとなる点を考慮し採算性を検討する必要があります。その他にも元本の返済方法や期限前弁済時の取り決めなどが条件として付加されることがあるため、ノンリコースローンの調達にあたっては不動産の運用期間や出口戦略などを念頭に諸条件を決定する必要があります。

【最後に】
不動産投資をしているとノンリコースローンのように聞きなれない言葉が出てきます。意味と特徴を理解することは、不動産の収益性や資産性だけに着目する以外にも不動産の運用を成功させる重要なファクターであると考えます。今回は不動産ファイナンスで用いられるノンリコースローンについて説明しました。最後までお読みいただきありがとうございました。よかったらお気軽にフォロー、スキをお願いします。

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