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読書会に参加しての学び 10~対話の心得や具体的な方法を活かして~カウンセリング・夫婦の会話  

 先日、読書会に参加してきました。
 今回は「修身教授録」(森信三)の「第29講 対話について」を読み、感想などを交流しました。

 今回の講では、対話の際の心得や具体的な方法が書かれて(話されて)いて、現代でも通じる内容がたくさんありました。次の通りです。
 
・対話というものは、われわれ人間生活においては、非常に重要な意味を持つ。実際、われわれの人間生活といっても、それを大観する時、結局は、話すことと行うことという2つのこと以外には、何一つないと言ってもよい。
 
<対話の際の心得>

・なるべく相手の人に話さすようにする
・進んで相手の話を聞こうとする
・自分は主として聞き役に回って、相手に何ら不快の感じをさせない
・自分の方から先に口を切って喋るということは、極力控えめにする
 
<座談会(3人~十数人)の心得>
・自分はなるべく喋らないようにして、できるだけ聞き役に回る。
・一座のうちで誰か一人が話していたら、他の人々はそれに耳を傾けて、他のところで、また一人が喋るというようなことをしない。
(自分のそばにいる人を相手にコソコソと話をしない)
・一人であまり何回も喋らないようにして、できるだけ全員が、最低一度は話す機会がもてるようにしたい。
 もし正式な司会者がいない場合には、心ある人が、それまで一度も話さない人には「どうです。〇〇さんなど、この問題についてはどうお考えですか」などと話のきっかけを提供するのは、老練な人の心遣いというもの。
 
<対話の際に注意すべき具体例>
・偶然に相手と一緒に口を切る場合があるものですが、そうした場合には、必ず先方にゆずる。
 逆に相手から「お先に」と言われた場合には、すでに相手に先手をとられたわけですから、今さらゴテつかないで、あっさりと話すほかないでしょう。
・これまで話していた事柄が一度中断せられた場合。
 話の筋の脈絡がおかしくなれば、相手の話が一段落したら、もう一度持ち出してもよい。しかし、先方の話題が、全然別の方向に向けられているとしたら、もう自分の先の話題は葬ってしまう外ないでしょう。そして、この辺りの思い切りというか諦めが、実際には非常に大切です。
・こちらが、これまでの話とは全然別の話題を持ち出そうという際には、必ず「ちょっと別の話ですが~」とか「少し話は違いますけれど~」と断ってから話す。
・座談会の場合は、なるべく断定的な言葉を避ける。
 例えば、「私は~と思いますが」「とか「~だと聞いていますが・・・」など一種の緩衝地帯を設けて話をするといい。
・相手の人が知っていないらしいと思われる事柄について話す場合には、「ご承知のように」「ご存じのように」と前置きをしてから話をする。
 でないと相手はお説教されているような気持になるからです。
 
 まだまだ細かな内容が書かれていますが、まずは対話についての主な心得を列挙しました。
 
 これらの内容を受けて、

「相手に何か教えようとか、自分が持っている内容を伝えようと焦ると、しゃべりすぎる傾向にある」

と言われた方がいました。私も共感しました。
 それだと、一方通行になりやすく、対話ではなく「伝達」「説明」に近いのではないかとも思いました。
 
 会話、会議、カウンセリングは対話とは似ていますが、それぞれに役割が違います。
 
 今回の対話は、二人にしろ、少人数にしろ、

互いに自分の思っていることや考えを出し合っていくこと、そして、相手の話を聞いて、さらに自分の考えを深めていくことが重要になりそうです。

 知り合いの先生の話によると、最近の学校教育では、「アクティブラーニング」がキーワードになり、その中で「対話的な学び」も重視されています。
 なので、一人の先生が黒板を背にチョークをもって、ずっと喋っているという「講義」ではなく、子供達が課題について調べたり、考えたりしたことを持ちよって、互いに話し合うことが授業に中で多く取り入れられているそうです。

 そこで一番重要になるのが、「人の話を聞く力」。

 いくらグループで話し合いをしようとしても、相手がしっかりと聞いてくれなくては、ただの自分一人のおしゃべりで、演説?で終わってしまいます。

 自分が経験すると分かりますが、自分が話をしようとしているときに、あちこちで別の話をしていたり、急に誰かが部屋に入って来て、みんながそちらに目を向けたりされると、何とも居心地が悪くなります。自分が無視されているとまではいきませんが、それでも、周りの人たちの関心が自分に向いていないことを察知して、あまりいい気持はしません。
 
 

しっかりと話を聞いてもらっているという感じが伝わってくると、気持ち的にも嬉しいですし、もっと話をしたくなります。

 いろんな技法、手法があるカウンセリングの現場でも、

とにかくまず「傾聴」が大切にされています。傾聴によって、自分を大切にされているという気持ち、信頼関係が築けるからでしょうか。

 
 そういえば、

夫婦の会話の場面で、嫌がられるのは、新聞を読みながら上の空で話を聞かれることと言われます。「いい加減に聞いている」ことが態度からも伝わってしまうから、相手はいい気持ちがしません。

 こんなところにも「対話」の心得、方法が生かせるのかもしれません。
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです

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