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肯定する力~夢は形を変えて叶えていく、叶っている

 ある小学校1年生の男の作文です。

お母さんの夢
 
 僕はお母さんに「小さいころ何になりたかった?」と聞きました。
 すると、お母さんは「いろいろなものになりたかったよ。おつかいでクリーニング屋さんに行くとクリーニング屋さんになりたいと思ったし、遠足で素敵なバスガイドさんを見ればバスガイドさんになりたいと思ったし、家族でレストランへ行けばウェイトレスさんになりたいと思ったよ」と言いました。
 だから僕は、「そしたらお母さんの夢は叶わなかったんだね」と言うと、お母さんは「全部叶ったよ」と言いました。だから僕は「どうして?」と聞きました。
 すると、お母さんは「だってお父さんのワイシャツにアイロンを当てるときはクリーニング屋さんになった気になるし、あなたに勉強教えているときは学校の先生になっているし、お父さんの車に乗ればお母さんはバスガイドよ。そして、みんなに食事を出すときはウェイトレスさんになった気分よ」と言いました。
 大人っていいな。

 この作文に出てくるお母さんの言葉に、自分の「夢を叶える」と言う時のイメージがいかにやせ細っていたか気づかされました。

  かたい頭の私は、例えば、作家になると言えば、何かの選考会に作品を応募。そこで認められて、出版社から本を出して・・・というイメージしかありませんでした。
 でも、ある人から、自分が作品を書いて、それが誰かに読まれれば(読者が一人でもいれば)、立派な作家だよと言われて、目からうろこが落ちる思いでした。
 実際、唯一の読者である奥さんの為だけに、毎日、作品を書き続けた方がいます。
 このNOTEに書いている人も、自分で、デジタルの本を出版している方が大勢いらっしゃいます。
 
 同じように、アーティストと言うと、何か作品を作って、個展を開いて、誰かに購入されて・・・と言うイメージばかりでしたが、何かを生み出していけば、売れるかどうか別にして、アーティストと呼ばれるかも別として、立派なクリエイターではあると思います。
 このように、夢や仕事について、「こういうもの」と勝手に決めつけない柔軟さが大切だなと思いました。
 
 また、

作文に出てくるお母さんの言葉に、包み込むような優しさ、あたたかさを感じました。

 「そしたらお母さんの夢は叶わなかったんだね」とこの男の子が言った時、このお母さんが自分の現状、生活に不満や不足感で一杯だったら、この子を傷つけるような一言も出てきたかもしれません。「そうよ、あなたのために自分の夢をあきらめたのよ、犠牲にしたの。」等と言う言葉が。
 
 でも、違いました。
 
「全部叶ったよ」って言っています。
 しかも、「家族のおかげで叶った、あなたのおかげで、たくさんかなったのよ」と言って(伝えて)います。

言葉は違いますが、その裏側で、みんなを肯定する、全肯定、大肯定のメッセージを伝えています。そして伝わっています。
だから、「大人っていいな」と言う言葉が出てきたんだと思います。

 小林正観さんは

 幸せは、追い求めて手に入れるものではなく、「私」が「幸せだ」と思えばいいだけ。
 「手に入れたいものをリストアップして、それが手に入ったら幸せ」なのではなく、「すでに手に入れている幸せに気づいた方がいい」

と言っています。
 
 作文に出てくるお母さんは、形は違えど、手にしている幸せを見つめ、自分は幸せ、それも「あなたがいるから幸せ」と感謝の気持ちを伝えている気もしました。
 
 きっと、きっと、こう言われた子は、自分を肯定するでしょうし、根がしっかりとした自信をもって、ちょっとやそっとの事じゃ揺るがずに前進していけるのではないかと思いました。

 そして、夢に向かってチャレンジしていけるし、自分の望むような形で夢を実現できなくても、「叶える」ことはできると思います。

 この作文のお母さんのように。
 
 
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです

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