【京都ライター塾レポ】(2/6)
現役ライターの江角悠子さんが主宰する「京都ライター塾」の受講レポをお届けします。
京都ライター塾とは
ライター歴17年の江角悠子さんが開催する、オンラインのライタースクールです。
2週間に1回のペースで開講し、3か月間・全6回の講義で構成されています。
毎回、講義の時間とワークの時間があります。ワークのテーマはライティングに関することと自己分析の2つです。
ゴールである「ライターになって幸せになる」という考え方に共感し、自分は参加を決めました。
講義では、ライティングスキルだけでなく、江角さんのご経験をもとにしたライターとしての活動の仕方を学べます。
第2回の講義内容
第2回の講義は、インタビューをテーマに以下のことを学びました。
・インタビュー原稿の作り方
・商業ライターとして気をつけるべきこと
・読者視点の記事を書くということ
講義では、商業ライターとインタビュー原稿をそれぞれ次のように定義しています。
商業ライター:誰かの言いたいことを言語化して、伝える人
インタビュー原稿:インタビューして話を聞きだし、文章にすること
実際のインタビュー原稿の作り方は、大きく分けて4ステップです。
①インタビューをする
②下準備をする
③書く
④推敲する
また、原稿作りに関して強調されたのは「素材の重要性」でした。
いい素材があればいい記事が書ける、といえるほど重要。
また、いい文章は「分かりやすい」ものであることも、忘れてはならないことです。
そこで浮かんでくるのは、
「どういうものがいい素材なのか?」
「どうやって集めるのか?」
「分かりやすい記事ってどうやって書くの?」という疑問。
実際の記事から学ぶ
ここで、ペアワークの時間です。
江角さんが執筆された実際の記事を読んで、特徴を挙げていくという内容でした。
講義ではこれを記事の分解と呼びました。分解は、どんなことが書かれているのかを理解するのが目的です。
お店紹介の記事であれば、取り扱う商品やサービス、流通経路、展示の仕方などが挙げられます。
これらこそが「素材」であり、インタビューで集めるべきものなのです。
分解する記事は、自分が書いてみたい憧れの媒体や、得意とするジャンルから選んでみるというアドバイスもいただきました。
集めるべき素材が見えてきたら、いよいよインタビューです。
ステップ①インタビューをする
インタビューで集めるべき素材をまとめると以下のようになります。
(1)客観的な事実
・直接取材対象者から聞いた話
・5W1H(いつ、だれが、どこで、なにを、なぜ、どのように)
・具体的な数字(〇年、〇m、〇個など)
・現場で見たこと
(2)現場で自分が感じたこと
ところで、記事の分解では、文章の流れや頻出するワード、文体もみていくことができます。
これらをみると、どのように書くかといった「型」がつかめてくるのです。
そこで、次は集めた素材を型にはめて書いてみることになります。
「ただし!まだ書き始めてはいけません。」と江角さん。
もう一つ必要なステップがあるのです。
ステップ②下準備をする
下準備は「編集」、「構成」、「結論のイメージ」の3点。
・編集
→素材を「書くもの」と「書かないもの」に分けます。
「書かない」ってアリなのでしょうか、と驚くかもしれません。
文章がまとまらない原因は情報を詰め込みすぎることにあるので、「書かない」という判断も大切なんだそうです。
・構成
→書く素材の順番を考えること。
・結論のイメージ
→「読んだ後、読者にどうなってもらいたいか」というゴールを持つこと。
ワークで読んだ宿泊体験記事でいうと、「そのホテルに泊まってみたい!」と読者に思ってもらうことが一つ挙げられます。
そのため、「特に締めの言葉は大事」とのこと。
ありきたりでは印象に残らない。
結局何が言いたかったのか分からない。
それを避けるには、最後でもう一度魅力を伝えることが必要なのです。
ステップ③書く
いよいよ書く段階に入っていきます。
書くときに気をつけること
商業ライターとして書くには、次のことに気をつけなくてはなりません。
・黒子に徹する
・答えをズバリ書く
・具体的な要素をいれる
・文字数管理をする
さらに、江角さんが心がけている書くときのポイントは次の3つ。
①携帯の通知を切る
②インターネットはみない
③ポモドーロ・テクニックを使う
ポモドーロ・テクニックとは、「25分間集中して作業」と「5分の休憩」を1セットとして最大4セットを回していくものです。
作業を中断する方が続きを始めやすくなるほか、江角さんは自身の執筆スピード管理に活用されているといわれました。
目安となる1時間以内に書ける文字数を把握しておくと、全体のスケジュール調整のめどが立てられるそうです。
実際に書いてみる!
ここで、本日のワークその2「好きなお店についての紹介文を書く」がありました。
書く前には、5分間の素材洗い出しタイム。その後、15分間で250~300字の記事を書きます。
実際に取り組んでみると、素材出しと執筆に作業を分けたことでそれぞれに集中できると感じました。
また、執筆がスムーズにできました。15分間は短いなと思ったのですが、素材を横目にしながら書き始めるとあっという間に終わり、見直す余裕さえありました。
ステップ④推敲する
これをやらないで世に文章を出すことはしない、といわれていました。
推敲では、誤字脱字はもちろん、表現にも気をつけます。
具体的には、「わかりにくいところはないか」、「同じことを繰り返していないか」、「表記は統一されているか」という点です。
不要な部分を削るのも、このステップでおこないます。
特に強調されていたのは「声に出して読む」ということ。文章のリズムを整えることは読みやすさに繋がるのです。
また、推敲をおこなうにあたり「最低1日は寝かせる」ことも大事。書いた直後とは異なり、冷静な読者視点で読むことができるからです。
+αとして「原稿の見た目にこだわる」
推敲のときに読者視点というキーワードがありました。
そもそも記事は最後まで読んでもらえるとは限らないものなのです。
自分を振り返ってみても、このことは分かります。
そこで、読みやすくする工夫を実例をもとに教えていただきました。
たとえば、編集者へ提出した記事には「タイトル」や「本文」といった項目をつけて、一発で記事全体が分かるようになっていました。
また、Web上でレイアウトが崩れてしまう場合には、修正を提案することもあるそうです。
まとめ
今回の講義では、インタビュー原稿の作成をもとに原稿が素材と型でできていることを学びました。
また、書くときには読者視点も重要です。記事のゴールを決めるとき、構成を考えるとき、推敲するとき、レイアウトを決めるとき・・・常に読者を意識して書く必要があります。
講座の感想シェアタイムで、受講生の1人の方が「自分をみて!という意識でこれまで書いていた。読者のことを考えていなくて、恥ずかしくなった。」というようなコメントをされました。
その人が表現してくれた思いは自分の中にもあって、共感しかありません。
京都ライター塾は対話の連続だなと感じます。
講師と受講生、受講生同士、自分自身。
今回の講義でまた一歩、「ライターになって幸せになる」に近づけて嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
【前回の講義のレポ記事はこちら!】
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