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年の瀬の色【エッセイ】

クリスマスが終わり、お正月前のこの時期は、慌ただしくてあっという間に通りすぎてしまう。でも私はこの時期が好きだ。

学生の頃のこの時期は、ただごろごろとしていた記憶しかない。その幸せ感も相まって、大掃除も、おせちの準備もー、と考えているのがワクワクするのだ。
もちろん大掃除や正月の準備はめんどくさいし、結局なにもせず年を明かすことも少なくない。
ただ、この仕事納め目前の、長期連休目前の、新年になる目前の、この空気が好きだ。

そこらじゅうで汚れを払い、町が澄んでいく気がする。
クリスマスに生まれた喜びがこぼれ落ちたものと、年賀状を用意するような相手を思う気持ちがそこかしこに発生して、一年で一番気が高まっている気がする。
(気とかオーラとか見えるタイプじゃないのでそう思うだけだが)

もうじき休みだ!頑張るぞ!という気持ち。冬休みを想像する気持ち。
よいお年を、と誰かに言葉を掛けて貰えるとき、掛けるとき、相手の幸せを願う温かいもの。そんな気に満ちた優しくも騒がしい年の瀬。
幸せな年末を全人類が送って欲しい。


ただ年末になると、事件が多発するもの事実。寒さも相まって、薄黒いイメージがあるのもこの年末だ。

心持ち次第できっと年末の色を好きに塗り替えられるだろう。

目下、餅を大量に貰ったので正月前から既に消費しつつ、ピカピカした輝きを想像して大好物の黒豆を浸け始めるのである。


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