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自主学習という宿題⑨「自分との対話で拓く、主体的な学びの道」

学校の先生は、子どもたちが自ら学び、成長していく姿を見たいという強い思いから、「自主学習」という宿題を出すことが多いです。しかし、その思いとは裏腹に、子どもたちは机に向かう気力が湧かず、ただただ苦痛を感じているケースも少なくありません。

なぜ、自主学習は子どもたちにとって負担になってしまうのでしょうか?

まず、先生が用意する「自学メニュー」は、子どもたちの興味や関心に合致していないことが多く、やる気が出ない原因の一つです。大量の課題を与えられた子どもたちは、何から手をつければいいのか分からず、圧倒されてしまうのです。

さらに、自主学習は「一人で黙々と取り組む」というイメージが強く、子どもたちの苦手とする「自分との対話」が求められます。しかし、多くの場合、子どもたちは自分自身と向き合うことに慣れておらず、思考を整理したり、課題を解決したりすることが困難なのです。

では、どうすれば子どもたちは主体的に学び、成長できるのでしょうか?

その鍵となるのが、「自分との対話」です。自分自身と向き合い、思考を整理することで、子どもたちは学びへの意欲を高め、自ら課題解決に取り組めるようになります。

では、具体的にどのような方法で「自分との対話」を促せるのでしょうか?

それは、学習のふりかえりです。

授業の終わりに、子どもたちに学習の振り返りをノートを書かせます。
今日の授業で学んだこと、感じたこと、疑問点などを自由に書かせるのです。この振り返りを通して、子どもたちは自分の思考を整理し、学びを深めることができます。

ただ、形式的な振り返りに留まっていては、子どもたちの学びを深めることはできません。

真の「学習の振り返り」とは、子どもたちが
・自分の学びを客観的に捉え
・理解度を深め
・次の学びへの意欲を高める

ための活動であるべきです。

では、どのような方法で効果的な「学習の振り返り」を実現できるのでしょうか?

1. 振り返りのタイミングを工夫する
授業の終わりだけでなく、単元や学期が終わったタイミング、朝の会、帰りの会など、様々なタイミングで振り返りを行うことが重要です。

2. 振り返りの内容を多様化する
単に「今日の授業で学んだこと」を書き出すだけでなく
・「自分が理解できたことと、理解できなかったこと」
・「自分の考えや感じたこと」
・「次の授業で取り組みたいこと」
などを書き出すように促します。

3. 振り返りの方法を工夫する
文章だけでなく、短歌(5・7・5・7・7・)、俳句(5・7・5)で表現したり、4コマ漫画、図、スライドなどで表したり、音声で録音させたりと、多様なふりかえり方法を知り、自分にあったふりかえり方法を選択させていきます。

4. 振り返りを共有する
グループワークや全体で発表するなどを通して、振り返りを共有することで、
・互いの学びから学び合う
・新たな視点を得る
ことができます。

5. 振り返りを活かす
単に振り返りを書かせて終わらせるのではなく、

  • 次の授業の目標を設定する

  • 学習計画を立てる

  • 課題を解決するための方法を考える

など、振り返りを今後の学習に活かすことが重要です。

「学習の振り返り」は、単なる学習活動の一環ではありません。それは、子どもたちが主体的に学び、成長していくための重要な鍵なのです。子どもたちが自分自身の学びを振り返り、成長を実感できるよう、様々なサポートを提供していくことが大切です。そうすることで、子どもたちは主体的な学びの喜びを味わい、自ら成長していくことができるようになるでしょう。

こうした活動を継続し、「やってみたい」「しらべてみたい」という気持ちが生まれときになって初めて、自主学習を始めることができるのです!


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