見出し画像

宝くじ

私はよく分からない所で几帳面?完璧が欲しくなる。

例えばお鍋をしようとなった時は具材を綺麗に詰めたくなる。前にお付き合いをしていた人はそれを見て『なんだか食べにくい』と言っておたまで鍋をかき混ぜていた。かき混ぜられた時に、恥ずかしいような苦しいようななんとも言えない気持ちになった。几帳面でも綺麗好きでもないけどたまにどうでもいい細かいところが気になる私、B型らしいらしい。

だからレポートだったり記述系の問題は苦しい、とにかく苦しい。集中して向き合う事が出来るから得意ではあるけど好きではない。センター試験だったり定期試験の様に答えが決まっているものは答えが導き出せればそこで終わることができる。だけど記述するものはそうはいかない。何文字書いてもどんなにまとめても達成感を得られないし終わったと思えない。一生文字と向き合う私の性質は、コロナの影響でオンライン授業になりレポート試験となった大学の授業形態といい相性を見せた。苦しい苦しいと言いながらテスト期間の何週間も前から書き上げたレポートはいい評価を頂き成績は倍ほどに良くなった。ただこれでいいのかなぁと思いながら提出ボタンを押すあの感覚はなんとも気持ちいいものではない。

そんなこんなで2000年生まれの私は就活生になった。やってきましたエントリーシート。ES。   すごく好きではない、できれば聞きたくない23卒、御社、貴社、説明会、ガクチカ、WEBテ。多分殆どの就活生は同じじゃないかと思っている。どれだけ書けばいいのか、どこまで詰めればいいのか、自分の人生を背負いながら相手に評価される文章を書くのは書いてる時から視線を感じてなんだか背中が気持ち悪い。もちろん面接でも私の完璧を求めたくなる性質は発揮される。うまく答えられなかった時、少し間が空いてしまった時、しばらく反省会が毎晩開催される、睡眠の質が下がる、よくない。

そしてついこの前書き終わった第一志望御社のES。やりきった〜頑張った〜と思いつつ未だになんとも言えない感覚がつきまとう。飲み物を飲んでむせた時に喉に何か残っているあの感じ。耳に水が入った時の気持ち悪い感じ。             就活の話題になると、付き合っている彼との関係を心配する声をよく聞く。イライラしてしまい当たってしまう、歳の差があるからうまく伝わらない、同い年だからライバルのようになる、色々聞く。  私の彼は多分ほとんど知らないと思う。私がインターンを受けたり面接を受けている事は知っているけど詳しい進捗情報や希望する業界は知らないと思う。勿論理由がある。彼は私が人から聞かれる事で急かされているような追い詰められる気持ちになる事をよく分かっているから彼からは特に聞いてこない。嬉しいエピソードも、どうしても苦しくなった時も私から話す事をよく知っている彼。     ついこの前彼にES終わった!嬉しい!と話したら『本当によく頑張って取り組んでるね、ただ生きてるだけで君は偉いからね。生きてるだけで100点満点だからね。』とケーキを買ってお家に帰ってきた。私を抱っこしてくるくる回る彼によりレポートを書いた時の様ななんとも言えない気持ち悪さが少しずつ飛んでいき、一緒に食べたケーキはしっかり甘くて美味しかった。以前Twitterで、生きてて偉いと言う言葉があるが偉くなくてもいいんだという内容を見かけた事がある。確かにそれもそうだなと納得したものの、時には生きてるだけで偉いと誰かに褒められていたいなぁと私は思った。ご飯を作って食べてお風呂に入って寝て、公共料金を支払って、普通に生きるのって難しいなぁと思う一人暮らし生活。隣で生きてるだけで百点満点と笑ってくれる人がいる私はとっても恵まれているんだろうな。苦しい事があった時には話すまで待ってくれて隣で手を繋いでくれる彼。無理に完璧さを求めようとする私を及第点で止めてくれる彼。私も彼にとって、私の周りの友達にとってそんな人でありたいなぁと思いながら今日も湯船に浸かる。            面接で口にする御社が第一志望ですという言葉に嘘はないけど、10年後だったり人生計画の類の人生ビジョンの質問には少しだけ嘘をついている。それっぽい事をにこやかに口にしているが、本当の私の人生の夢は宝くじで2億円以上当てて毎日映画を見て本を読んで音楽を聴きながら散歩する事。ごめんなさい御社。できれば2億欲しいです、それか完全週休3日、10:00〜17:00勤務で手取り25万円欲しいです。神様、私の今後の人生の第一志望は宝くじを当ててのんびり現状維持の生活をする事です、もし聞こえていたら宝くじの当選によって返事をください、心からお待ちしております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?