見出し画像

読書日記~自分らしく働き続ける~

「明日も出勤する娘へ」
ユ・インギョン著


なぜ働いているのだろう、私にとって働くこととはなんだろう。
就活で壁にぶち当たった時、思い描いていた社会人ではないと感じた時、誰しも「働くこと」を考えることがあったのではないだろうか。
過酷な社会を生き抜いてきた大先輩として、そして一人のお母さんからのあたたかなメッセージがぎゅっと詰まったこの本を通し、肩の力を抜いて自分らしく働き続ける方法をぜひ見つけてほしい。

・今日を生きるのは誰だって初めて
新たな課題や難しいことが処理できなくても自分を責める必要はない。時には「まあ、いっか」と自分を甘やかす図々しさも必要である。
社会において自分自身を守り、励ますことができるのは自分だけだからだ。

・不公平こそが人生の原動力
生まれや育ちの違いにより、スタート地点から不公平な立場にあることは認めざるを得ない。ただ、人生は親から引き継いだバトンを繋ぐ永遠のリレー走であり、スタートが遅くなっても、自分のスピード次第で大逆転のチャンスがある。
世界的実業家や政治家の中にも、決して恵まれた環境とは言えない状況で幼少期を過ごした人が多く、不公平な社会に自分の力で打ち勝ち、何かを変えようと努力する人が最終的に勝利しているのだ。

・時間は自由自在に操ることができる
人生に満足している多くの人は、時間管理に長けている。
1つの予定を実行している時は、そのことだけに集中し、後のことは考えない。どうしても後続の予定がより大事であり、気になる場合は、今の予定をすぐに切り上げるべきだ。
また、「すきま時間」を有効に活用することも大事である。5分でも好きなことなどを行うことで、「今日もいい1日を過ごすことができた」という充実感に満たされて眠ることができるのだ。

・自分の価値や幸せは不変
他人からの侮辱や不当な扱いを受けたとしても、自分がつまらない人間になることはない。
自分の価値や幸せを他人が決めることはできないのである。
そういった人たちとは会い続ける必要はなく、会わなければならないとしても、とりとめのない話をするに留め、何か言われても右から左に流すこと。
自分の心と健康と幸せに意識を向けることが大事だ。

・自分だけの人生のスピード
人生の全盛期は人それぞれである。新しいことへのチャレンジや継続こそ、自分の花を咲かせる肥料となる。だからこそ、自分の感覚をいつまでも研ぎ澄ますことが大切だ。
成功と同じくらい大切なことは、長く幸せに生きることなのだから。

<感じたこと>
韓国は日本以上に女性が社会で活躍することが難しいようだ。ただ、共通して言えることとして、女性が社会で活躍していくために特別必要なことはない。社会のルールを学ぶこと、その上で自分らしいエッセンスを出していくことが、長く楽しく働いていくコツなのではないか。
上司から来客へのお茶出しを頼まれるとき、私はいつも「なぜ女性ばかり頼まれるのだろう」と不満を抱きながらお茶を出していた。
ただ、そのように自分自身がつまらない、大したことないと感じている雑務にこそ、最善を尽くすべきだとユ氏はアドバイスをくれる。尊い気配りが大きな評価につながるのだと。
よくよく考えてみると、いつも打ち合わせ時にお茶を出してくれる方の存在感は大きい。私自身コーヒーが苦手であるが、それを気遣い、そっと紅茶などを出してくれた時は、打ち合わせのことよりも記憶に残ったりする。
働いていると、現状に不満を感じる場面は多々現れる。ただ、その不満の原点をよく見つめ直すと、大抵は自分自身に原因があることがわかる。
不満を周囲に漏らしたり、「あの人が悪い」など他人のせいにするのではなく、時には我慢すること、そしていろいろなことに挑戦することで自分自身を高めていくことを心がけていきたい。


この記事が参加している募集

#読書感想文

188,902件

#仕事について話そう

109,902件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?