クスリ【錠剤】の英単語・歴史|端末機器と関係あるの?
きむっちです。
端末機器のことを「タブレット」といいますよね。
実は、この言葉は錠剤と同じようにつながっているんですよ。
そのつながりを知りたくないですか。
クスリの錠剤(じょうざい)がどのように作られているのか、知りたくないですか。
クスリを錠剤にする理由について知りたくないですか。
この記事では
クスリの錠剤についての
英単語・歴史・雑学について紹介していきます。
錠剤も用途によってマチマチです。
細かいことまで書くとかなり複雑になります。
錠剤全般についての知識や歴史などを知る事ができる記事です。
この記事を通じて、
錠剤を製造する工程の超基礎についても知ることができますよ。
錠剤の英単語
錠剤は
英語で”tablet"です。
日本語ぽく読むと
「タブレット」です。
”tablet"は「端末機器」の意味でも使われます。
【tabletの語源】
"tablet"の語源は
”table"(机)から来ていると言われています。
元々は携帯できる石板などを指していたんですが、
錠剤が出てきたことにともなって、錠剤も表すようになりました。
【端末機器と関係あるの?】
ここで端末機器のことを思い出してください。
端末機器も携帯できる石板だと思うと、そんなような気がしますよね。
つまり、
「手で持つことができる石板のような機器」ということから、
端末機器が”tablet"という英単語で表されるということにつながるのです。
意外なつながりであって、面白いですね。
ここで、
”table(机)”を使うスポーツの1つとして卓球がありますよね。
卓球についても知りたくないですか。
卓球の記事はこちら
【tabletの英英の意味】
ネットの英英辞典では、
”tablet"は次のように表されています。
実際にはいろいろな錠剤のクスリがあるからすべてがあてはまるわけじゃないですが、あくまで一般的なものとして捉えてくださいね。
a small round hard piece of medicine which you swallow
「小さくて丸くて固いもので、飲み込むタイプのクスリ」
引用元:tablet(ロングマン英英辞典)
錠剤とは?
ここからは、錠剤(じょうざい)について
図解を含めながら説明していきますね。
錠剤というのは、
粉末(ふんまつ)や顆粒(かりゅう)を
圧縮成型(あっしゅくせいけい)したものです。
言葉が少しわかりにくいので、
もう少し丁寧に説明していきますね。
【大きさの単位について簡単に説明】
言葉の説明をする前に、
まず長さの単位のことを説明します。
粉の大きさをわかりやすくするために
文房具の「ものさし・定規」を元に見ていきましょう。
ものさしで一番小さい幅と言えば
ほとんどのものが1mm(ミリメートル)です。
1mmは1m(メートル)の1/1000倍の大きさです。
一般的に飲みやすい錠剤の大きさが8mm前後と言われています。
ここで、食卓で食塩の一粒が
だいたい0.2~0.75mmなのですが、
これよりも小さい粒子ということです。
人間の目で見ることができる大きさの限界が
0.2mmと言われるので、なかなかわかりにくいですよね。
実はmm(ミリメートル)よりも
さらに小さな長さの単位があるんですよ。
mmよりも小さい単位の1つとして
μm(マイクロメーター)があります。
1μmは1mmの1/1000倍の大きさです。
目では見えない大きさですね。
このような大きさの
粉末や顆粒を使って錠剤を作ることになります。
ここで出てきた
文房具のものさし・定規について知りたくないですか。
ものさし・定規 について知りたい方はこちら
【粉末・顆粒とは?】
ここからは
粉末と顆粒のことについて説明していきます。
粉末を正確に定義するのは簡単ではないのですが、
この記事での「粉末」とは次の大きさよりも小さいものとして捉えてくださいね。
粉末:30~50 μmより小さい粒子
写真はあくまでイメージですよ。
顆粒:100~1000 μm(1 mm)くらいの大きさの粒子
粉末をこの大きさくらいに固めたものとなります。
顆粒の作り方は次の項目で説明しますね。
下の写真のようなレトルトコーヒーをイメージすると
顆粒の形がわかりやすいですよ。
【顆粒作りとは?】
ここからは顆粒造りについて
簡単に説明していきますね。
① 粉末同士をくっつける
粉末の状態から顆粒の状態にするには、
次のような方法があります。
● 液体同士を反応させて沈殿物を作る
ここでは中外製薬株式会社様のホームページより
一部画像をお借りして説明していきますね。
画像引用元:中外製薬
② 温度を上げて水分を飛ばす
顆粒中に水分が過剰に含まれていると製錠工程で不良品が出る可能性があります。
一般的には粉を流動させながら減圧の状態にして乾燥します。
画像引用元:中外製薬
③ 顆粒を混合容器に輸送して混合する
②が終わった状態だと顆粒の状態が不均一になっていることも。
そのような状態を避けるためにも、乾燥後の顆粒を混合させます。
画像引用元:中外製薬
【圧縮成型とは?】
圧縮成型(あっしゅくせいけい)というのは
顆粒に対して圧力をかけて押し固めることで大きな粒(錠剤)にすることを指しています。
押し固めるときに圧力をかけることで成型され、
錠剤の形にできるわけです。
【製錠とは?】
ここで製錠で錠剤を作るときには打錠機(Tabletting machine)を使います。
打錠機を使う際には、ある程度大きさが揃っている顆粒を円柱の形にした筒に充填して上部と下部の両方から圧縮して成型することになります。
製錠工程は次のようなイメージです。
実際には、製錠後に表面がコーティングされる錠剤もあります。
クスリの場合、強く打錠しすぎると体の中で溶けにくいなどがある一方で、輸送中に割れないくらいの強度を持たせることが要求されることも。
そのため、ちょうどいい硬さの錠剤になるように打錠条件を調整することもあります。
錠剤の歴史
大昔は錠剤がなく、草の根や木の皮などを使ってクスリが作られてきました。しかし、それだけだと飲みたいときに飲めないという問題も。
そう言ったことから、体系化されて、乾燥したりすることで使いやすいものに改良されるようになっていきました。
しかし、乾燥させたクスリが苦いこともあり、飲みにくいという意見があったことから、クスリを錠剤の形にして作るようになったのです。
【製錠技術は医薬品以外でも使われている】
錠剤の歴史は古く、
ローマ時代にローマの医師Cluadius Galenusによって発明されました。
19世紀の後半に入ってから製錠技術が目覚ましい進歩によって
新しい錠剤器が次々に開発されるようになりました。
この流れで、
現在一般に用いられるような形態の圧縮錠剤が製造されるようになったんですよ。
【製錠技術は医薬品以外でも使われている】
実は、この製錠技術は
クスリの錠剤以外でも幅広く使われています。
次のような用途で使われているんですよ。
● 健康食品
● お菓子
● 洗剤
● 工業用触媒 など
ここで出てきた触媒(しょくばい)のことを
もう少し詳しく知りたい方は僕の自己紹介の記事をご覧くださいね。
この記事の最後に自己紹介のnote記事があります。
錠剤の雑学
【錠剤は大きくしているの?】
錠剤といえばクスリとなる成分(有効成分)だけで
できていると思われるかもしれないですね。
実は
錠剤には有効成分以外のものも含まれています。
なんと、
錠剤に含まれている有効成分は全体の1割くらいしかないんですよ。
残り9割は体に害のない添加剤(てんかざい)です。
【どうして錠剤に添加剤を入れるの?】
では、どうして錠剤を大きくしているのか、
それは有効成分だけを錠剤にしてしまうと
限りなく小さくなってしまうからです。
「顆粒でもいいのでは?」と思われる方がいるかもしれないですが、顆粒の大きさにしてしまうと手に取ったときの数を数えるのがわずらわしくなるわけです。
食塩の粒を数えて掴むってなると、考えるだけでも面倒ですよね。
それに、服用後の体内での作用にも影響が出ます。
そういったことから、
有効成分以外のものを添加して錠剤の形にしているわけなんですね。
なお、お菓子などのクスリ以外の錠剤では
全体が主成分になることもあります。
【錠剤を砕いて飲んでもいいの?】
ここで、
錠剤を砕いて顆粒くらいの大きさにして飲もうと思ったら飲めるわけですが、砕いて飲んでいいものなのか気になりませんか。
結論としては、錠剤を砕いて飲んではいけません。
というのも、錠剤は身体のどのあたりで溶けるのかを設計して作られているわけだからです。
飲んだ瞬間に口や喉のあたりに作用しても効果を発揮できないことがあります。
また、有核錠(ゆうかくじょう)と言って、内側に別の錠剤が入っているものもあります。
有核錠の構造になっている錠剤を砕いて飲んでしまうと、先に内側の成分が吸収されてしまうことがあるんですね。
そうなると、クスリとして作用しなくなることだってあるんです。
また、錠剤に含まれる成分は独特の苦みがあることもあります。
服用しにくくても、錠剤のままで飲むようにしましょう。
錠剤で飲みにくい場合にはお医者さんに相談するのがよいですね。
最後に
クスリ用の錠剤は
この記事だけでは表しきれない奥深さがあります。
実際には有核錠の構造になっているもの、水に溶けやすいものかどうかなど、多様に渡っています。
どの部位で作用させるのかによっても設計が変わるわけです。
このようなことから、
錠剤を設計することは決して簡単ではありません。
錠剤があることのありがたさを思いながら、
正しくクスリを使いたいところです。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
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