見出し画像

私と着物

私の父と母は、建築関連の仕事をしておりました。
私がまだ小さい頃、
自社の建物を新築して開店祝いに多くの仕事関係の方をお招きしました。
その時、近くの料理屋さんのおかみさんにお手伝いをお願いしたそうです。おかみさんは、とてもステキな黄八丈を着ておられ、
母もいつか黄八丈が着たいと思ったそうです。

それから何年かして、
ステキな黄八丈に巡り合い、アンサンブルで誂えました。

タンスを開けて、その着物を見ると、
いつもそんな話しを私にしてくれます。

私は小さい頃から、着物と言うとお正月に着せてもらうのと
お盆の時期に盆踊りに行く時に着せてもらう、
年2回だけの年が小学校まで続きました。

お正月の時は、すごく楽しみにしていて、
いつか自分の髪で日本髪を結ってもらおうとずっと伸ばしており、
ついに小学4年生の時に念願叶い、美容院で日本髪を結ってもらい、
着物を着せてもらった時にはとてもうれしかったです。

中学に入り、受験や部活等で着物のことも忘れ、
長い年月が過ぎてしまいました。

着物の入っているタンスも自分ではもう何年も開いていませんでした。
そんな年月をずっと過ごしている時、
友人との食事会で着物を着てくる友だちがいました。

その友人は食事会のたびに着物を着てきて、
ステキだなあと思っていました。
私もあんなふうに着物が着られたらいいなぁ、と思うようになりました。

母の話の黄八丈をさらりと着こなしているおかみさんを
ステキに思ったのと同じだなぁと思いました。
着物を着ているとステキに見えるし、
ステキに見えるように努力する、考えることはとても楽しく思います。

今までなにげなくしていた行動、
たとえば普通に歩くとか、電車に乗るとか、お食事することか、
あらゆる行動に気を使い
改めて一つひとつの動作を見直すようになりました。

そして年齢を重ねるごとに、
品のある所作を身につくようになればいいなぁと思います。

着付けを勉強するようになり
着物と一口に言っても、
留袖・訪問着・付け下げ・色無地・小紋・紬など、
いろいろな着物があることを学び、
帯にしても名古屋帯・袋帯・半幅帯、
帯に関しては結び方までいろいろあることを学びました。
コートでは、道行・道中・羽織などがあること。
今は長めが主流で染め・織りなど、産地の反物の特徴など、
気になることばかりです。

また着物を着て行く場所も考えるようになり、
今までは興味のなかった和の行事にも興味が出てきて、
まだまだ勉強することばかりで胸ふくらみます。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!