見出し画像

カタカナ言葉はちょっと面倒なのです~続き

昨日ボウリング大会で遊んだという話のついでに、外来語のカタカナ表記あるある話を書いてみました。
実はわたしもずっと「ボーリング」と書いていた一人です (^^ゞ

この記事にnote仲間のおじぞうさんからこんなコメントを頂いたのです。
おじぞうさんはメタバースの道案内活動をしていらっしゃいます。

外来語カタカナあるある、まさに、これ!です。
言葉を大事に扱う人ほど悩んでしまうポイントなんですよ。
 

「カタカナ言葉はちょっと面倒なのです~続き」

◆カタカタ言葉が厄介な理由

”spatial” という語は ”space” から来ているので、国語学的に見ると、”space” が慣用的に「スペース」と表記されることから ”spatial” も「スペーシャル」と書く、と考えます。

でも、原語の発音から考えると「スペイシャル」が妥当ですよね。
困りますね。悩みますね。
 

日本語に、外来語が盛んに取り入れられるようになったのは明治以降。
以来、執筆者がそれぞれに苦心してカタカナ表記を作ってきました。
そもそも日本語には存在しない音を表そうとするのですから、簡単な作業ではありません。

日本語は母音が強い言語で、欧米語、とりわけ英語は逆に子音が強い言語です。母音の発音も日本語にはないものが複数あります。
その中でもとりわけ混乱を生むのがこの二重母音の表記じゃないでしょうか。
 

◆伸ばす音が混乱を呼ぶ

実は、日本語でも混乱する部分なんです。

例えば「おう」「えい」という音の場合。
応答(おうとう)は口語では「おおとお」と発音していますよね。
こういう場合は長音記号の「-」を使って書き表すのが基本ですから、もし外来語のように書くなら「オートー」になります。
先生(せんせい)は「せんせえ」と発音することが一般的なので「センセー」ですね。

ところが、外来語の場合、「おう」「えい」をそのまま「おう」「えい」と発音ものがあるので、そこでどうしても表記の混乱が生まれます。

日本語の場合は長音(母音を伸ばす)になるのが、例えば英語ではならない。
"take" "make" は「テイク」「メイク」です。

でも外来語の発音に人々が不慣れだった初期の表記では "cake" は「ケーキ」だし、"stick"(杖)は「ステッキ」と書かれて、それが一般に広まりました。
もしこれらの単語がいま入ってきたのだったら、「ケイク」「スティック」と書かれていたことでしょう。
 

◆正しさだけでは決められない

おじぞうさんが悩まれている ”space” も同じですね。
今ならば「スペイス」になっていたかもしれません。
でも、この言葉は慣用的に「スペース」と書きます。
だから困ってしまう……(笑)

そう言えば以前の職場の同僚に、メール "mail" を「メイル」と書く方がいました。
はい、ごもっともです。発音からすると「メイル」の方が確かに正しい (^^;)
でも一般に広まっている表記は「メール」です。
それをあえて「メイル」と書かれれると、なんかちょっと気取っているようなビミョーな感じがありました。
 

言葉は、語源や言語学的な正しさだけでは選べない時があります。
表記の揺れ(許容範囲)として受け入れられているものもあります。
とくに外来語表記については、どれが絶対に正しいとは言えませんから。

結局は、影響力のある人の発信や、商品名などで一般に広まったものが、多数の人に使われるようになり(たとえそれが表記として釈然としないものであったとしても)定着していくのだろうと思います。

言葉って実はそんなものです(笑)
 

◆ルールは有って無いようなもの

国語審議会が策定して内閣が告示した「一般の社会生活において現代の国語を書き表すための「外来語の表記」のよりどころ」なる文書が文化庁のサイトに掲載されています。ご参考までに。
(結局はたいして役には立ちませんけどね)

大学の国文学科で、文学をほとんどやらずに国語学にのめり込んでいた物書きの戯言でした (^^;)


この記事を読んで、参考になったり、感じるところがありましたら、スキ💖をよろしくお願いします。

コメントなどいただけると、さらに嬉しいです😊
お気軽に書き込みしてくださいね。

この記事が参加している募集

国語がすき

もし記事がお役に立ったなら、サポートいただけるとありがたいです。 頂いたお気持ちは、活動継続のために活用させていただきます。