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勝手に「芸術鑑賞ガイド」ーはじめにー


★本シリーズで紹介していくこと

☆音楽リサイタルに縛られない芸術鑑賞のススメ

音楽リサイタルは、音楽という時間芸術を堪能する時間です。
正直、曲目によっては敬遠しがちですし、舞台装置などが無いことがほとんどなので、見た目の派手さはありません。

私は時間芸術が大好きですし、ニッチなプログラムを狙って聴きにいったりしていますのが、お子様やクラシック音楽に飛び込んでみよう!という方には向いていないものも多いです。

ですから、芸術鑑賞は音楽リサイタルでなくても良いと思います。
少しでも芸術に興味がある方に、

「これなら行ってみたい」
「ちょっと観てみようかな」
「友達と行ってみようかな」

と思っていただけるような、易しくガイドしていけたら・・・と思います。

☆私が紹介したい芸術

  • オペラ

  • バレエ

  • 演劇(芝居・ミュージカル)

  • コンテンポラリーダンス

以上が、今後ご紹介したい4つの主軸です!

こちら舞台芸術は、私が公演運営の仕事をしていたときに、すべて観たものです。ありがたいことに仕事でゲネプロを拝見することができ(仕事なので単に観るだけではないのですが)、100公演以上は観劇しています。

素晴らしい舞台、誰にでもわかりやすい舞台はたくさんあります。
ただ、需要と供給がうまくいっていないことが多いのか、閑古鳥が鳴いている状態の舞台もありました・・・。
とても面白い舞台なのに、勿体ない!!と何度思ったことか。

私が観て、聴いて、感じたことを含めて、鑑賞の注目ポイントを書いてご紹介できればと思います(*^^*)

☆番外編:美術「実は・・・」

毎年、姉と2人で美術鑑賞に行くのが恒例になっています。
私は美術の専門家ではありませんが、美術と音楽は密接な関係にあります。歴史や当時の流行がリンクしています。
印象派ともなると、画家と音楽家がサロンで交流していたくらいですので、音楽家としても美術への造詣は深めたいと考えています。

こちらの記事で「生家は音楽家系ではない」と紹介していますが、実は姉は美大の油絵専攻を卒業しています。

公立大学なので母子家庭でも進学できたらしく、学生時代は油絵だけに情熱を注いだそうです。
今はバリキャリとして、美術とは関係のない金融系で働いています。
自慢の姉です(^^♪

姉と美術鑑賞した後は、美術館併設のカフェに行って、感想を言い合ったり、お互いの知見を交換したり・・・楽しい時間を過ごしています。

専門的ではありませんが、音楽家目線で美術を語れればと思います。

★バイオリニスト目線で紹介したい

私は芸術評論家ではありませんが、芸術学の学士を持ち、舞台制作の仕事に携わった人間です。
今はバイオリニストの仕事に主軸を置いていますので、折角ですからバイオリニスト目線で解説していきます。

☆実はバレリーナになりたかった

小学生から中学生までバレエを習っていました。
地方の小さな教室で、お値段も良心的。そしてアットホームな教室でしたが、実は何人も東京のバレエ団のプリンシパルを輩出しています。


このシルエットで演目と役名がわかったら、凄い(^^)/ ©Michika

そんな先輩方の背中を見て「バレリーナになりたい」と思っていたこともあります。トゥシューズを履いて、全幕物を経験したこともあります(端役)

しかし、バレリーナになるには、身長が足りず、そして骨格も向いていませんでした。こればかりは根性ではどうしようもありません。
日本人のほとんどが、股関節が内向きについていますので、バレエには向いていないのが現実です。

趣味で続けていこうか迷いましたが、バイオリン全力を注ごうと決めたとき、バレエを辞めました。

しかし、大人になってから舞台の仕事に就いたとき、この経験と知識が非常に役に立ちました。舞台の仕事をする人=バレエ経験者ではありません。
専門用語やバレエの仕組みなどを知っていたので、スムーズに仕事を覚えることができました。

バレリーナを諦めたバイオリニストとして、語れることもあると思います❀

☆なぜか声楽家の友人が多い

本当に不思議なんですけど・・・私の親友は声楽科出身
仲が良い同期生も弦楽器より声楽科が多い(笑)

私の性格が起因しているのだと考えています。

弦楽器=お嬢様、まじめ、大人しい
このイメージはあながち間違っていません。

よく喋り、サブカルが大好きで、お笑いも好きな私は、弦楽器専攻内では本当に浮いてました(笑)

声楽科に進学してくる学生は、いわゆる「普通」の子が多いです。
声楽を始める年齢は早くありません。
音大を志すのも高校生から、という学生がほとんど。
これは、声帯の発達が15歳以上になるから、と言われています。
自分の声域がわかるまで本格的なレッスンはできませんし、未発達の声帯を痛めてしまう可能性もあります。

英才教育でもお嬢様でもない私は、声楽の子たちとよくつるんでました。

その影響もあってか、在学中からオペラや歌曲に触れる機会が多かったように思います。


声楽家は華やかなドレスが目を引きますよね~いいなぁ ©Michika


いくら音大生でも、弦楽器専攻だとオペラに関わる機会は多くありません。
この点も、本シリーズで活かせる特徴だと思います!!

☆演奏家も舞台制作を知っておくと良いことだらけ!

舞台制作をしていたことで、私は今「ステージマネジメント」という仕事の依頼もいただけています。
舞台技術さんと演奏家の架け橋的存在の職なのですが、舞台制作を知っていることで、「技術さんが知りたいこと」「技術さんに言っておくとスムーズにコトが運ぶこと」など、裏側の事情を熟知しているからこそ、技術さんと円滑なコミュニケーションが取れる点は非常に楽です。

技術さんで音大卒の方はほとんどいません。
音楽舞台であっても、舞台技術の仕事自体は工学や演劇系なのです。


都内有名ホールや劇場で約3年間アナウンスもしていました

ですから、音楽家と基本性格も違いますし、職人気質な方が多いです。
一見気難しく見えるのですが、打ち解けると本当によくしてくれます。

こうした信頼関係は、お互いをリスペクトし、お互いの仕事を知ることで生まれるものだと思います。

★舞台制作費が〇億!?

これは、私が舞台制作の責任者を任されたとき、上司に言われたことです。

この舞台は数百人が関わり、制作費は3億円。
少しのミスで、それが水の泡にならないよう、気を引き締めてね。

ゾッとしました。
私の判断で数百人の努力と、数億のお金が無駄になるかも。と思うと舞台が終わるまで胃がキリキリ(笑)

でも、規模は違ってもどの舞台も、出演者だけでなくたくさんの人が関わり、情熱を注ぎ、お客様の満足につなげようと動いています。

鑑賞の際は、出演者以外の「縁の下の力持ち」にもご注目ください(*^^*)


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