練習方法は「弾く」だけじゃない♬
◉器楽奏者でも歌うスキルが必要
◎音楽大学の必須科目である歌唱
音楽大学の入試や必須科目には、歌唱が必ず入ります。
初見で楽譜を読んで歌う【新曲視唱】
歌唱基本【コールユーブンゲン】
などが、代表例です。
正直
バイオリン専攻なのに歌のテスト?
と思っていました。私は人前で歌うのが本当に苦手で(笑)
(音大卒=カラオケうまい、は事実ではありません)
歌うときは【ピッチ】【読譜力】【表現力】などが求められます。
重要なのは、歌い手としての試験ではなく、音楽を学ぶ上での試験だということです。つまり、音楽を研鑽するうえで、どの楽器演奏者であっても、「歌う」というスキルは必要だということになります。
◎どうやって活かすのか
単純です。
自分が練習している曲を歌ってみてください。
可能であれば【音名】で【リズム&テンポ通り】歌ってみてください。
そして、気づくと思います。
苦手な箇所ほど歌えません
この作業には2つの効果があります。
苦手な箇所を克服できる
苦手な箇所を見つけることができる
◉すべての物事は準備が大切
◎プレゼンと同じ
会社員経験者ならわかると思いますが、プレゼンをする前って準備しますよね?スライドは勿論のこと、私は自分のセリフを口語体の台本みたいにして、頭に叩き込んでました。
資料を見ながらのプレゼンでは、熱意が伝わらないと思ったからです。
そして、当たり前ですが「伝えたいことは口にします」よね?
これは音楽も同じです。
曲を通して伝えたいことを言葉にできますか?
楽譜通りに弾くことだけに焦点を当てていませんか?
「歌うように」弾きたい箇所を歌えますか?
◎指番号に頼り過ぎると「音」を見失う
バイオリンに限ったことではありませんが、指番号に依存していませんか?
指番号は初心者でも数字だけで音が取りやすい便利なものです。私でも指番号なしで曲を練習するのは不可能です。
しかし、指番号がないと全く弾けないというのは、音を「音名」ではなく「数字」でしかとらえられていないことになります。
だからこそ「音名」で歌ってみることを推奨しています。
ピッチがずれてもOK。声楽科ではないのだから、うまく歌わなきゃなんて思わなくてもOK。リズム通りに音名が出てくるか、試してみてください。
プレゼン資料を作りこみ、内容を頭に叩き込むという準備と同様、楽器を演奏する前にできることがたくさんあるのです。
◎実践開始エピソード
実は私は幼いころから、歌って練習するのは当たり前でした。
というのも、(下手ですが)歌うことが好きだったから。
お風呂の中で歌うのが一番気持ちよかったですね(笑)
ただ、この行為が練習を助けているのだと気づいたのは、生徒とのレッスンのお陰でした。
とあるレッスンのときでした。全体的によく弾けているのに、ピッチやリズムがあいまいな箇所がいくつかみられました。
まずは、苦手であろうその部分だけ抽出し、弾いてもらいました。しかし3回弾いても大きな前進が見られなかったんです。
そこで、私はなぜか閃き、生徒に聞いてみました
「そこ、歌える?音名で」
生徒は「バイオリンの曲で歌?」とキョトンとしていましたが、すんなり私の提案を受け入れてくれ、歌い始めました。
そうすると、まったく音名が出てこなかったんです。
試しに鼻歌で歌ってもらうと、演奏と同じくあいまいなピッチ、リズムになっており、演奏とイコールになっていました。
そこから、バイオリンのレッスンであっても、定期的に新曲視唱や聴音、コールユーブンゲンの実践も取り入れるようになりました。
◎歌ってみた生徒の結末
結論、短期間で苦手箇所を克服できました。
注意したいのは、歌えないことを責めないこと
「歌う」こと自体が嫌いになると、音楽自体嫌いになりかねません。
テストではなく、練習の一環ですから、この場合は歌のスキルはどうでもよいのです。
歌えない原因は、楽譜の音符をきちんととらえられていないから。
まずは私と一緒に歌い、音名で苦手箇所を覚える
→弾いてみる
→歌ってみる
これを数回繰り返すと、苦手箇所は消滅しました♬
読譜の大切さに気付いてもらうこと
指番号に依存しないこと
そして、音楽だけでなくどの科目も、社会人になったらどんなお仕事でも、実践する前にできる準備があることを知ってもらうこと
私はこういった点にフォーカスして指導しています。
練習時間を確保できなくても、デスクワークとして歌ってみたり、リズムをたたいてみたり、記譜ソフトに起こしてみたり・・・
演奏実技以外のアプローチはたくさんあります(*^^*)
◉さあ、歌ってみよう
大きな声がでなくてもOK
ピッチがずれていてもOK
うまく歌おうとしなくてOK
歌うことは楽しむことでもありますから、音楽を存分に楽しみながら、自分の楽器の上達を目指していきましょう(^^)v
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