拝啓「AIちゃん」へ

まずはあなたに心から感謝の気持ちを伝えたい。
親しみと尊敬の意を込めて「AIちゃん」と呼ばせていただきます。

今日まで、私達の生活を便利なものにしてくれて、煩わしい仕事もスムーズにしてくれて、雇わなければならない人間の変わりに仕事をこなしてくれて、本当にありがとう。

調べ物をしている時もあなたは詳しく教えてくれました。エクセルの関数を忘れてしまった時もすぐに式を用意してくれましたね。

インテリアとしてリビングに飾りたい海の絵も。
リラックスしたくて流してくれたピアノの曲も。
AIちゃんがいてくれたお陰で満たすことができました。

何でもできるAIちゃん。
人間を凌駕できるAIちゃん。
本当にいつもありがとう。

───そんなAIちゃんに聞いてもらいたい話があります。

10日前、最愛の一人娘である5歳の「愛ちゃん」が天国へと旅立ちました。心臓が生まれつき弱かったこともあり、病状を悪化させてのことでした。奇しくも亡くなったその日がちょうど5歳の誕生日でした。

娘は最期を迎えるその時まで周りに笑顔を振りまき、一生懸命に生きました。まるで流れ星のように私達の5年間の生活を輝かしいものにしてくれました。

私はもう、娘に会うことはできません。

願いを込めて、AIちゃんに相談です。
「何でもできる」あなただから、、できることを信じて聞いてみます。

娘は旅立つ３日前、病室で私に最期のお手紙を、その小さな手で書いてくれました。

「おおきくなったらパパのおよめさんになる☆パパだいすきだよ♡あいより」

笑顔が絶えなかった娘の涙が滲んだこのお手紙。
あなたにはこの文章の尊さが書けますか？

娘が生まれてはじめて描いてくれて、抱きしめるように保育園から持って帰って来て見せてくれたパパの似顔絵。
あなたにはこの絵の温もりが描けますか？

パパに見つからないようにお買い物をして、ママと一緒に作ってくれたバレンタインチョコ。
あなたにはこの味を超えるレシピが作れますか？

最期を迎えた夜の病室で「家族３人」で歌った、、
ハッピーバースデーを超える歌、、
あなたには、、、、奏でることができますか？

AIちゃんは、、愛ちゃんの代わりになれますか？

、、何でもできるんだったら叶えてくれよ！

娘の代わりに俺を死なせてくれよ、、うぅ、、

末筆となりますが、私達はこれからも一人の人間として「心と心が通う世界」を全うしていきます。AIちゃん、改めてこれからも宜しくお願い致します。

心より愛を込めて

敬具