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JW117 三人目の大臣
【孝昭天皇編】エピソード8 三人目の大臣
紀元前445年、皇紀216年(孝昭天皇31)1月、新たな大臣(おおおみ)が誕生した。
大臣に就任したのは、津守瀛津世襲(つもり・の・おきつよそ)(以下、オキツ)である。
今回は趣向を変え、オキツの屋敷を舞台としたい。
まず最初に屋敷を訪れたのは、伯父の尾張天忍人(おわり・の・あまおしひと)(以下、オワリン)であった。
![オワリン](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73593374/picture_pc_d5f5f615ebb304fa6c142e5a9eca8739.png)
オワリン「オキツ、大臣就任、おめでとう。」
オキツ「伯父上! 来てくれて嬉しいぜ。」
オワリン「来たついでに、わての息子を紹介するで。」
オキツ「我(われ)の従兄弟だぜ!」
オワリン「では紹介しますぅ。息子の天戸目(あまとめ)やで。トメと呼んでおくんなはれ。」
トメ「やっとかめだなも(お久しぶりだね)! トメだがや!」
![トメ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73593468/picture_pc_5f3f5dbb9510d64f21cab20741069b38.png)
オキツ「ひ・・・久しぶりだぜ。だが、読者から見れば、お初にお目にかかるはずだぜ?」
トメ「ほうだったきゃ(そうだったっけ)? 忘れとったがや。」
そこに、オキツの父、津守天忍男(つもり・の・あまおしお)(以下、アマオ)と、オキツの母、賀奈良知姫(かならちひめ)(以下、カナ)がやって来た。
アマオ「兄上。ようこそ、おいでくださりました。」
カナ「トメちゃんも大きくなって・・・。」
オキツ「久しぶり感が出てるぜ!」
トメ「叔父上、叔母上・・・。今後は、我(われ)が尾張氏を率いてくんだに。」
アマオ「ということは、兄上は、今回でクランクアップっちゅうことですか?」
オワリン「せやで! 汝(なれ)も息子が大臣に就任したんやさかい、クランクアップしとき!」
アマオ「せやな。そうしましょか。」
オキツ「任せてほしいんだぜ!」
するとそこに、物部(もののべ)の三兄弟がやって来た。
すなわち、大禰(おおね)(以下、大禰)、出雲色(いずものしこ)(以下、イズモ)、そして出石心(いずしごころ)(以下、いずっち)である。
![物部三兄弟](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73593933/picture_pc_684db36790fef9e3dacc777a6f678a37.png?width=800)
大禰「エピソード110以来の登場やで。」
イズモ「わても来たで!」
いずっち「オキツ! おめでとう!」
オキツ「親戚のおっちゃん・・・。嬉しいぜ!」
アマオ「わてら兄弟と又従兄弟(またいとこ)の関係になるんやなぁ。」
イズモ「せやで! なかなか、わてらの関係性を説明できる機会が無かったからなぁ。」
オワリン「ところで、イズモは引退したんやなかったんか? たしか、エピソード111で、弟の『いずっち』に大臣職を譲るとか、なんとか・・・。」
イズモ「政界から引退しただけで、クランクアップは、まだやで!」
アマオ「ほな、今回を機にクランクアップするんでっか?」
イズモ「その通り! そこで、わての息子たちを紹介させてもらいましょか!」
トメ「クランクアップなんだで、息子が出るに決まっとるわさ。」
イズモ「そう言わんといてくれ! では、紹介します。息子の六見(むつみ)と三見(みつみ)やで!」
六見「私が六見だ。よろしくな。」
三見「み・・・三見です。よろしくお願いします。」
![出雲色の二兄弟](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73594099/picture_pc_6b1151c688ec9b829d44c5b0a42162da.png?width=800)
オキツ「こいつらが、次の物部氏を背負っていくのか?」
イズモ「背負っては行くんやけど、わての子孫は、ここで終い(しまい)や。」
六見「えっ? 父上? 私と三見には、子孫がいないのですか?」
三見「ま・・・まさか・・・。そ・・・そんな・・・。」
オワリン「ほな、物部氏の今後は?」
いずっち「大変言いにくいんやけど、わての子孫が繫栄していくんや・・・。」
六見「ふっ。これでは道化だよ。」
三見「ちょっと悲しいですね・・・。」
大禰「何を言うてるのや! 汝(いまし)らは、ちゃんと記録に残ってるんやで! 感謝せな、あきまへんで! 記録に残らんかったモンは、ぎょうさん(たくさん)居るんや!」
三見「ぼ・・・僕、頑張ります!」
六見「私も頑張らせてもらうとするか・・・。」
オキツ「なんとか丸く収まったぜ。」
カナ「ところで、大禰殿も、今回でクランクアップなのですか?」
大禰「わては、もう少し出るつもりや。子孫も居らんしな・・・。」
六見「伯父上には、子孫がいないのですか?」
大禰「せやで・・・。一番悲しいのは、わてかもしれへん・・・(´;ω;`)ウッ…。」
三見「ぼ・・・僕、伯父上の分も頑張ります!」
大禰「ありがとうなぁ。」
オキツ「ちなみに、今回登場した人物は、みんな、饒速日命(にぎはやひ・のみこと)(以下、ニーギ)の子孫だぜ。」
![ニーギ集会](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/73594357/picture_pc_2891a42e55ae9be66f56d42434136cd1.png?width=800)
アマオ「言われてみたら、そうやなぁ。ニーギの子孫たちっちゅうことやな。」
トメ「今後も、定期的に『ニーギの子孫たちによる集い』をしよまいか(しようよ)。」
オキツ「いいぜ! 長ったらしいから『ニーギ集会』にするぜ!」
六見「おもしろそうだな。」
三見「ぼ・・・僕もいいと思います。」
アマオ「ほな、定期的に『ニーギ集会』を開いて、わてら一族の解説をしていくんやで!」
オキツ・トメ・六見・三見・大禰「御意!」×5
いずっち「大禰兄上・・・。なんで、兄上まで返事してるんや?」
大禰「もう少し出演するんやさかい、ええやないか。」
こうして、瀛津世襲の大臣就任にかこつけた、ニーギの子孫解説は終わった。
そして、この物語のオリジナル、『ニーギ集会』の発足にも漕ぎつけたのであった。
つづく
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