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JW120 太子を立てた日

【孝昭天皇編】エピソード11 太子を立てた日


紀元前408年、皇紀253年(孝昭天皇68)1月14日、この日、立太子がおこなわれた。

皇太子こと日嗣皇子(ひつぎのみこ)となったのは・・・。

ここで、第五代天皇、孝昭天皇(こうしょうてんのう)こと、観松彦香殖稲尊(みまつひこかえしね・のみこと)(以下、松彦)が叫んだ。

松彦「もう分かっておるとは思うが、あえて言わせてもらおうぞ!」

そこに三人の大后(おおきさき)がやって来た。

すなわち、世襲足媛(よそたらしひめ)(以下、ヨッシー)と渟名城津媛(ぬなきつひめ)(以下、ヌーナ)、そして、大井媛(おおいひめ)(以下、大井)である。

ヨッシー「二番目に産まれた子だぞ!」

ヌーナ「日本足彦国押人尊(やまとたらしひこくにおしひと・のみこと)ですよ。」

大井「私たちは、ヤマと呼んでるけど・・・。」

松彦「わしに言わせろ!」

そこに日嗣皇子となった、日本足彦国押人尊(以下、ヤマ)がやって来た。

ヤマ「俺が『ヤマ』だ! よろしくな!」

松彦「日嗣皇子として、立派に務めを果たすのじゃぞ。」

ヤマ「分かってるぜ! 親父!」

そこに、松彦の長男で、ヤマの兄、天足彦国押人命(あめたらしひこくにおしひと・のみこと)(以下、アメ)がやって来た。

アメ「此度は、つつがなく末子相続となり、祝着至極(しゅうちゃくしごく)に存じ申し上げ奉りまする。」

松彦「おお、アメか。まことにつつがなく、事が進んだぞ。弟のこと、よろしく頼むぞ。」

立太子

ヤマ「まだ死ぬわけじゃねえだろ? 親父!」

松彦「死にはせぬが、兄弟仲良くが一番なのじゃ。わしも、いろいろと有ったからな・・・。」

アメ「そうは申しましても『記紀』には何も書かれておらぬこと。作者の妄想ではありませぬか?」

するとそこに、松彦の弟で、ヤマやアメの叔父、武石彦奇友背命(たけしひこくしともせ・のみこと)(以下、たけし)がやって来た。

たけし「甥っ子たちには、言いづらいんだけどよぉ。次回も、いろいろ有るみたいなんだよなぁ。」

松彦「で・・・出たなっ! 疑惑の神!」

たけし「兄上ぇ。それは、やめてくんねえかなぁ。作者の妄想なんだからよぉ。」

松彦「次回とか、いろいろとか、言わずとも良いのじゃ!」

たけし「いやぁ、だけどさぁ。」

アメ「叔父上。我ら、逃れられぬ定めと心得ておりまする。それゆえ、何も申されますな。」

たけし「兄上に似ず、立派に育ったなぁ。」

松彦「悪かったな!」

ヤマ「ところで、叔父貴! ここに来たってことは、なんか解説するつもりなんだよな?!」

たけし「おっ! よく分かったな! 兄上の御世に創建された神社を紹介しようと思ってよぉ。」

ヤマ「どんな神社が有るんだ?」

たけし「まず紹介するのが、狭野神社(さのじんじゃ)だよ。」

アメ「狭野神社・・・。御初代様の諱(いみな)ですね?」

たけし「その通り! 御初代様を祀(まつ)った神社なんだなぁ。」

ヨッシー「宮崎県の高原町(たかはるちょう)に鎮座する神社だぞ!」

ヤマ「おふくろ! 詳しく言うと、高原町のどこなんだ?」

ヨッシー「高原町の蒲牟田(かまむた)だぞ!」

アメ「たしか・・・エピソード0.5で紹介されておりますね。神社の社伝によると、初代、神武天皇(じんむてんのう)は15歳まで、この地で育ったとか・・・。」

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狭野神社鳥居
狭野神社拝殿

大井「それから、神社の南方に、御池(みいけ)という火口湖が有るんだけど・・・。」

ヌーナ「御初代様たち四兄弟が、そこで泳いで遊んだという伝承があるんですよ!」

御池
御池1

ヤマ「おふくろ? そうなのか?」

ヌーナ「そう聞いておりますよ。」

大井「そう聞いたとしか、言えないし・・・。」

松彦「皇子港(おうじこう)という伝承地のことじゃな? と言うか、ヤマは、エピソード0.5を読んでおらぬのか?」

皇子港
皇子港近景

ヤマ「えっ? ま・・・まあ、なんとかなると思うぜ!」

たけし「大丈夫か?」

アメ「たしか・・・エピソード0.5で、御初代様の兄君、稲飯(いなひ)様が『確かに・・・よく泳いだなぁ』と仰っておられましたね。」

ヤマ「ホントに泳いでんのかよ!?」

松彦「何を言っておるのじゃ! 『たけし』の疑惑の神が憑りついたのではないか?!」

たけし「ちょっ! これが、ホントの疑惑じゃねぇか!」

ヨッシー「次に紹介するのが、東霧島神社(つまきりしまじんじゃ)だぞ!」

アメ「母上・・・強い心をお持ちですな・・・。」

松彦「不思議な読み方じゃな。『東』と書いて『つま』と読むのか?」

大井「そう読まれてるんだから、仕方ないと思うんだけど・・・。」

たけし「東を『つま』と読む理由については、後の時代で説明することになるんじゃねぇかな。」

ヌーナ「なにゆえですか?」

たけし「まあ、あれだな。ヤマトタケルって奴が出て来ないと・・・。」

ヨッシー「すごく気になるんだぞ!」

松彦「どうせ、解説はしてくれぬのだ。作者とは、そういう奴よ。」

アメ「ところで、御祭神は? それと、鎮座地の地名は?」

ヨッシー「御祭神は伊弉諾尊(いざなぎ・のみこと)だぞ!」

アメ「こちらは国生みの神様なのですね。」

大井「鎮座地は、宮崎県の都城市(みやこのじょうし)だけど・・・。」

ヌーナ「詳しい地名は、高崎町(たかざきちょう)の東霧島(つまぎりしま)ですよ。」

東霧島神社0
東霧島神社1
東霧島神社2
東霧島神社3
東霧島神社4
東霧島神社鳥居
東霧島神社拝殿

松彦「社名とは違って、地名は『ぎりしま』と濁るのじゃな。」

こうして、立太子の件と絡めて、宮崎県に創建された神社を紹介したのであった。

つづく

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