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JW118 天降神社の伝説

【孝昭天皇編】エピソード9 天降神社の伝説


紀元前445年、皇紀216年(孝昭天皇31)1月、新たな大臣(おおおみ)が誕生した。

大臣に就任したのは、津守瀛津世襲(つもり・の・おきつよそ)(以下、オキツ)である。

こうして、大臣は三人体制となったのであった。

ここで、第五代天皇、孝昭天皇(こうしょうてんのう)こと、観松彦香殖稲尊(みまつひこかえしね・のみこと)(以下、松彦)が叫んだ。

松彦「前回、一度も登場しなかったぞ! 前回は、本来なら、スピンオフではないのか?!」

オキツ「許してほしいんだぜ。」

そこに残りの大臣、磯城葉江(しき・の・はえ)(以下、葉江)と物部出石心(もののべ・の・いずしごころ)(以下、いずっち)がやって来た。

葉江「大王(おおきみ)が出て来なくても良いではありませんか。」

いずっち「せやな。題名は『ジャパンウォーズ』なんやで? 大王が出んと、あかん・・・とは、書かれてへん。」

松彦「なるほど。そういうことか・・・。わしを除け者にして、汝(いまし)らで楽しもうというわけか・・・。」

いずっち「そないなこと、言うてへんのやけど・・・。」

葉江「と・・・ところで、大王? 次の記事は何でしょうか?」

松彦「次の記事? 実はな・・・ついに産まれたのじゃ。我が息子たちがっ!」

紀元前427年、皇紀234年(孝昭天皇49)、松彦の皇子(みこ)、日本足彦国押人尊(やまとたらしひこくにおしひと・のみこと)が生まれたのである。

松彦「そうじゃ。ヤマと呼んでくれ。」

葉江「オキツ殿の大臣就任から、あっという間に十八年も経ったんですね。」

するとそこに、三人の大后(おおきさき)がやって来た。

すなわち、世襲足媛(よそたらしひめ)(以下、ヨッシー)と渟名城津媛(ぬなきつひめ)(以下、ヌーナ)、そして、大井媛(おおいひめ)(以下、大井)である。

ヨッシー「私たちの二番目の子供が産まれたんだぞ!」

ヌーナ「最初の子供は、産まれた年が分かっておりません。」

松彦「・・・ということは、次回は、ちゃんと末子相続(まっしそうぞく)なのじゃな?」

オキツ「大王、気にし過ぎだぜ!」

松彦「悪かったな!」

大井「誰が産んだかも、分かってないんだけど・・・。」

ヨッシー「その辺は気にしちゃダメだぞ!」

いずっち「ところで、長男の名前は何と言うんでっか?」

ヌーナ「天足彦国押人命(あめたらしひこくにおしひと・のみこと)ですよ。」

大井「アメ・・・と呼ぶつもりだし・・・。」

松彦「アメとヤマ・・・ということじゃな。」

二人の皇子

オキツ「ちなみに、同じ年の秋に、神社が創建されてるぜ。」

ヨッシー「天降神社(あまふりじんじゃ)だぞ!」

ヌーナ「福岡県の田川郡(たがわぐん)に属する、川崎町(かわさきちょう)の川崎(かわさき)に鎮座しております。」

大井「JR豊前川崎駅(ぶぜんかわさき・えき)から、西南に1.3キロの場所だし・・・。」

ヨッシー「傍には、中元寺川(ちゅうがんじがわ)が流れてるぞ! 高く早い川ということで、川崎になったみたいだぞ。高いが『崎』で、早いが『川』って言われてるぞ!」

天降神社0
天降神社1
天降神社2
天降神社3
天降神社4
天降神社5
天降神社6
天降神社7
天降神社8
天降神社9
天降神社10
天降神社鳥居
天降神社拝殿

松彦「御祭神は、御初代様(以下、サノ)など日向三代(ひゅうがさんだい)であったな?」

ヌーナ「その通りです。御初代様の曾祖父、瓊瓊杵尊(ににぎ・のみこと)(以下、ニニギ尊)。祖父の彦火日出見尊(ひこほほでみ・のみこと)(以下、ヤマピー)。そして、父親の鸕鷀草葺不合尊(うがやふきあえず・のみこと)(以下、ウーガ)などです。」

松彦「御初代様たち四兄弟も祀(まつ)られておるぞ。」

大井「ちゃんと名前を言うべきだと思うんだけど・・・。長男の彦五瀬命(ひこいつせ・のみこと)(以下、イツセ)。次男の稲飯命(いなひ・のみこと)(以下、稲飯)。三男の三毛入野命(みけいりの・のみこと)(以下、ミケ)。そして、御初代様が祀られてるって・・・。」

松彦「こ・・・これから、言おうと思っておったのじゃ。」

オキツ「ニニギ、ヤマピー、ウーガ、イツセ、稲飯、ミケ、サノ・・・だぜ!」

いずっち「呼び捨てにするな!」

松彦「ヤマピー様の嫁、豊玉姫(とよたまひめ)(以下、トト姉ちゃん)も祀られておるぞ。」

葉江「大王? ウーガ様の嫁、玉依姫(たまよりひめ)も祀られておりますよ?」

御祭神1

松彦「さ・・・さて、他にも、ヤマピー様の息子で、ウーガ様の兄弟である、海若宮主命(うみわかみやぬし・のみこと)も祀られておる。」

御祭神2

葉江「こ・・・これが、御初代様から聞いた『華麗にスルー』というやつですね。」

オキツ「海若宮主? トト姉ちゃん、もう一人産んでたのか? 初耳だぜ。」

松彦「うむ。『記紀』には登場せぬ神様じゃ。そんな兄弟がいたとは・・・。御初代様から見たら、伯父ということになるな・・・。」

オキツ「叔父の可能性も有るぜ!」

いずっち「どういうことやねん? 末子相続が原則なんやで?」

オキツ「そうじゃない場合も有るって、大王が、よく知ってるぜ!」

松彦「悪かったな!」

ヨッシー「ちなみに、御初代様が各地を視察した際、川崎に住んだみたいだぞ。」

大井「そこで、猪狩りをしたみたいなんだけど・・・。猪が多いから、猪国(いのくに)と呼ばれてたみたい。田川市(たがわし)に地名が残ってるし・・・。」

猪国

ヌーナ「猪が驚いて、鼻をついたところが、嘉麻市(かまし)の上山田(かみやまだ)にある、猪之鼻(いのはな)と言われております。膝をついたところが、川崎町の猪膝峠(いのひざとうげ)と言われております。」

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猪膝峠
猪膝峠1
猪膝峠2
猪膝峠近景

ヨッシー「他にも、川崎町には、お尻をつけた、猪尻(いじり)って地名があるぞ!」

猪尻0
猪尻1
猪尻2
猪尻3

松彦「猪之鼻、猪尻については、川崎町観光協会の方に協力していただきもうした。この場を借りて、感謝申し上げまする。」

こうして、皇子誕生記事から、神社紹介へと移行することに成功したのであった。

つづく

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