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絵カードで要求ができない理由

自閉症スぺクトラムのお子さんへの療育でポピュラーな、カードの使用。

絵や写真・文字を使って、言葉に代わりコミュニケーションの手段となっています。


しかし中には、カードを示したり手渡したりすることがなかなかできないかたがいらっしゃいます。

原因は3つ考えられます。

1.カードを渡す→要求が叶う という繋がりに対する理解が未熟

出来事をバラバラにとらえてしまっている段階です。『カードを渡す』ことと『要求が叶った』ことのつながりにまだ気づいていません。カードの意味に気づいていない可能性もあります。カードの内容を再検討する、直に手をとって持たせるといった具体性を上げた援助を繰り返し行う、などする必要があります。

2.欲求がある時に『カードを渡す』と思いつかない

カードを示されれば選べるし渡せる。でもいつもは『ほしい』と思ったら相手に伝えるより先に実物に手を出して取りに行く。こういうタイプです。衝動性のあるかたに多いです。自分で取りに行く方が手っ取り早いので先に行動してしまいます。このタイプの人には、カードの選択肢を視界に入れるようにしておいて繰り返し教えることになります。

3.人に対して抵抗がある

他者に対して不安や恐れがある人です。こういうかたは、『絶対に叶えてもらえる』状況でないと要求が出せません。『ダメって言われるかも』という時は要求を出すより諦めてしまいます。『ちょっと待ってて』でも意欲を失うかもしれません。支援者側がどれだけ安心できる環境を作り出せるかがカギになります。


番外)選びたいものが選択肢にない場合も選べません。「どれもやりたくない!」ってことですね。選択肢全てを突き返してくれれば大人にもわかりやすいですが、子どもが拒否の仕方を理解していなければ無反応となります。

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