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大好きな記事まとめ

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また読みたい大好きな記事をまとめました。
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2023年5月の記事一覧

文系?理系?

「俺ができるアドバイスはひとつ。誰のアドバイスも聞くな。もちろんこのアドバイスも」 アメリカのコメディアンのこんな言葉を聞き、感心したり笑ったりだったのですが、近いものを感じたのが、ある脳学者がテレビでこう断言するのを聞いた時です。 「テレビに出る脳学者にまともな学者はいません」 その理由は、もしちゃんとした学者であれば、今ごろ研究に忙しく、メディアで油を売っている暇などないはずだから。 さらにその方は、信頼できない脳学者の見分け方として、あるふたつのワードを使うか否

フランスの女中部屋、納戸、お勝手口

(はじめに) 最近(2018年7月)、「パリでの生活にオススメの「女中部屋」を知っていますか?」https://ja.myecom.net/blog/%E3%81%82%E3%81%82%E3%81%82/ という記事を読みました。このフランスの女中部屋(Chambre de bonne)に関連して、先日習ったフランス語の教科書Mauger Blue Iの104ページにも、大変面白い話が載っていました。 1. フランスにもほんの30年前まで、日本の「納戸」と「お勝手口

Cocteau Twinsと鳩山郁子 〜詩的な幽玄の世界

コクトー・ツインズ / Cocteau Twinsをご存知の方はnoteにいるだろうか? コクトー・ツインズは1979~1997年まで活動していたスコットランドのバンドで、独自な音楽性を持っていた。 彼らは1982年にイギリスの4ADというインディーズレーベルからデビューし、初期の4ADには耽美派なアーティストが多く、アルバムジャケットのアートワークもそのカラーを昂めるようなデザインだった。 私が彼らを知ったのは80年代の中頃で、アルバムを聴き込んだとか大ファンというわけ

『統合失調症の一族』 ロバート・コルカー

この本をはじめて見たのはどこかの洋書サイトでだったか。目が引き寄せられたのはその表紙、豪華な螺旋階段にずらりと並ぶ正装した大家族の写真である。 題名は"HIDDEN VALLEY ROAD Inside the Mind of an American Family”。 なにやらアメリカの個性的な家族の話らしいこの本には、素通りできないものを感じた。 ただ値が張るのでちょっと検討、とアマゾンのカートにとりあえず放置。そしてそのまま年月が経ち、すっかり忘れていた頃に、この本の翻訳

静かな朝ごはん。

映画の効果音を演じて録音するという変わった仕事をしています。その仕事柄、私がなぜ朝ごはんのメニューを気にしているのかというお話です。 私は毎朝、仕事場であるレコーディングスタジオへ行って、マイクの前に立ちます。と言うと、歌手がヘッドフォンをして、鼻のあたりにぶら下がったマイクに向かってその声を録音するイメージが浮かぶかもしれませんが、私の場合は違います。私達が録音する効果音の多くは手元、足元で発生しますから、私の前に置かれるマイクは、足音を録る時以外、常に手元に向けられてい

深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ

北海道で撮影した〈烏(鴉)〉と愛猫を撮った〈サスケ〉。 この二つのシリーズはことのほかすばらしい。 そういえば写真美術館に向かおうと新宿駅で山手線を待っていたら、ホームの人混みにもかかわらず軒先に一羽のカラスがとまっていて、iPhoneで撮ろうとしたのだけど、もたもたしているうちに飛び去ってしまった。 カラスの時間は悠々としている。(O) 会期 2023年3月3日(金)~6月4日(日) 会場 東京都写真美術館2階展示室

いろんなレシピ本が世にあふれている今、ジョージア・オキーフのレシピ本が地味に売れ続けている

A Painter's Kitchen: Recipes from the Kitchen of Georgia O'Keeffe 「画家のキッチン:ジョージア・オキーフのレシピ」 by Margaret Wood September 2009 (Museum of New Mexico Press) そうなのである。 ジョージア・オキーフのレシピ本が、じみーに、ポツポツと、売れ続けているのだ。 刊行が2009年だから、もうかれこれ14年目。 ロングテールかと言われると、