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吐いちゃってハイになっちゃって

ニュージーランド21日目。
天気、曇り。気温16度。ヒートテックを着た。夏ってなに。

最近ずっと悶々としていたことが、ついに爆発してしまった。

どっかーん。

不満は止まらないし、不安は押し寄せるし、涙までも溢れてきた。思ってることを全部吐き出したら、なんだかすっきりした。

結局なにも解決はしなかったけれど、私の中の気持ちは少しだけ、色を変えたような気がする。


お酒に酔った時、乗り物に酔った時「気持ち悪いなあ」と思って我慢していると、どんどんムカムカして、不快感は増して、それを必死に堪えようとして、酸っぱいものが身体中を駆け巡って、どうしようもなくなる。

どうにかしたいのに、どうにもならないやり切れなさと、惨めな気持ちでいっぱいになる。

なんとか気を紛らわしても、水を飲んでも、目線を遠くの山に向けても、吐き気は一向に収まらない。どんどんひどくなる気がする。


ああ、もういいや、もうどうにでもなってしまえ。


緊張の糸がプツリと切れる。かろうじて保っていた自尊心に、なんだか申し訳なさを抱きつつも、思い切ってムカムカを吐き出す。おえぇ。

身体中を駆け巡っていたムカムカが、身体の中から飛び出していく。自分の体なのに、自分の体じゃないみたい。誰か別の人のものを見ているような錯覚。俯瞰している自分。受け入れ難い自分。

気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。

情けない、カッコ悪い、みっともない。

だけど思い切って吐き出してしまえば、案外気持ちは落ち着くもので、酔いが少しだけ引いていく。


吐くのはカッコ悪いことかもしれないけど、どうしようもなくなった時、思い切って吐き出す勇気も必要なのかも。私カッコ悪いです、どうか見ないでください、と虚しく願う勇気。

弱音だって、不満だって、いっそ思い切って吐き出してしまえば、思いの外すっきりとした気持ちになれるんだな、なんて知った。

すっきりしたから、夕陽でも見に行こうかと海に向かったけれど、雲は厚くて、太陽なんかこれっぽっちも見えなかった。

空をすっぽりと覆い尽くす雲。その向こうにある夕陽を想像して、ちょっと元気になった。

今日も生きたね。

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