ものもらいができた。
左目に。どうでもいいんだけども。
なーんか左目が痛いような、かゆいような気がするなぁと思って数日。鏡を見たら、少しだけ赤くなってた。少しずつ腫れていったんだけど、たぶんよくよく見ないと気づかないかな、というレベル。
「いいから、眼科いきなよ」
妻からそう言われた。眼科かぁ…。
私が小さな頃は家に「病院に通う」という文化がなかった。田舎だったし。しかし、妻はちょっとしたことですぐに病院に行く。妻は「あ!寝違えた!」と言って病院に行く。すぐに行く。
「病院って本当に意味あるの?行った場合と行かなかった場合の対照実験ができないから、いまいち効果が分からないよなぁ」
「え?眼科いきなよ」
やっぱり言われる。逆らわない。
たしかに、これがものもらいではなく、骨折だったら今すぐ泣きながら行ってるし。
と、いうわけで会社から徒歩5分の眼科に行くことにした。人生初の眼科だ。仕事の合間をぬって眼科に行く。途中、会社の事務の女性スタッフ2人(40代)とエレベーターで一緒になった。ランチに行くらしい。
「あら!○○くん、ランチ? 1人でランチ?」
事務の女性は楽しそう。
「いやぁ、ものもらいができちゃって」
「あら『めっぱ』だ!」
※めっぱ=ものもらい(北海道弁)
「めっぱって、ものもらいですか?」
「そっか、世代的には知らないかもね!もう何周分も世代が違うもんね!」
「ですねぇ!」
ナハハハハハハ!!!
ってな具合。エレベーターの中で。3人で。
「なので今から眼科に行くんですよ」
「どこの眼科に?」
「○○眼科っていうところです」
「行ったことある、行ったことある!」
「あたしも!」
2人とも行ったことあるんかい。
私、たぶん人生初の眼科なんだけど、そういうものなのかな。眼科、みんな行くのかな。
「あそこの先生、検査とか色々勧めてくるよ」
「そうなんですか? クチコミよくて、そこにしようかと思ってたんですけど」
「先生いい人だから大丈夫!検査は断れば!」
「断れるかなぁ」
「大丈夫!大丈夫!」
結果、検査は勧められなかった。
そして先生はいい人だった。
はじめての眼科。
「はい、真上むいて〜」
(こ、こうか?クイッ)
「はい、右斜め上〜」
(こうだな?クイッ)
ってな具合。
とりあえず謎のお薬と、目薬をもらったので、この数日はそれで過ごす。先生は続けて、
「あ、目はね、冷やしたほうがいいから。だからね、うん、氷いるかい?」
「あ、は、はい」
「じゃあ、氷出しとくね」
ガーゼに包まれた保冷剤を手に入れた。
結構でかい。
「冷やしたほうがいいんだな」
もしも読者さんの中に、札幌市民の方がいらっしゃったら、今日、札幌駅の地下街で保冷剤を左目につけながら歩いてるサラリーマン風な男性を見かけた方はいらっしゃいますか?
それ、私です。
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