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11文字で済むことを1100文字使って表現する。

ラーメンを食べすぎた。


これは字数にして11文字。


五十音あるひらがなの中から11音を抽出すると「ラーメンを食べすぎた」という事実を表現できる。

これが英語だったとしたら、

"I ate too much Ramen."


こうなる。AIに英訳させた。

英語で使われる記号はアルファベットだ。アルファベットの文字数は? 26文字だ。上の英文は16文字で構成されている。

26文字分の16文字だから、アルファベットの61.5%を使用して表現していることになる。スマホの計算機で計算した。

日本語の場合なら50文字分の11文字だから、わずか22%しか使用していない。これもスマホの計算機で計算。


日本語はすごいなぁ。


どんなラーメンを食べたかというと、熊本ラーメンを食べた。札幌市内で熊本ラーメンが食べられるお店。セットでどんぶりがついていた。


一緒にいた人から「お昼ご飯は食べましたか?」と聞かれた。時刻は15時を回っていた。お昼は食べていなかった。だから答える。

「食べてないです」

それで熊本ラーメンのお店に連れて行かれた。正直なところ、心の中では、

(15時でしょ、この時間にラーメンなんて食べたら……)

夜ご飯が食べられない。
食べられないというか、食べたくない。

となると、妻に連絡しなければならない。


「たったいまラーメン食べちゃったから、今夜の夕飯は少ない量でお願いしたいなぁ」


めんどくさい。

めんどくさいけど、連絡をしないとおかしなことになる。家に帰って夕飯を食べるけど、いつもよりも食べるスピードが遅くなるだろ。

妻は言うよ。

「何か食べてきたの?」

うん。熊本ラーメン。



全国の夫諸君がどうかはわからないが、妻に対して「夕飯少なくてもいい」と連絡するのは少し気が引ける。なんだか申し訳ない気分になるんだ。



熊本ラーメンは昔、新横浜ラーメン博物館で食べたことがあった。とんこつベースで少し黒いスープで麺はストレート。コクがあってまろやか。

そのお店のラーメンもそうだった。


出てきたラーメンを食べる。
わかってる。これを食べたら夜食べられない。妻に連絡しなければならなくなる。


なのに、いざメニュー表をみると、セットでどんぶりがついてくるという。チャーシューだ。おいしそうじゃないか。



まもなく1100文字になる。
11文字で済む話を100倍に薄めて書いた。
薄めたのか濃くしたのかはわからない。

11文字を1100文字にすると、もちろん表現の幅が広がる。と同時にせまくもなる。11文字だったなら事実の裏に想像の余白があるけど、100倍にすると情報量が増える。

毎日文章を書いている。
11文字で済む事柄を何文字にしてきたんだろう。



ラーメンを食べすぎた。


〈あとがき〉
おなかいっぱいです。ほんとにおなかいっぱいです。どうしてどんぶりまで注文してしまったのでしょう。食べたあとの後悔を想像するのは簡単なのに止められません。なぜなのでしょう。もっと自制する心を養いたいものです。最後までありがとうございました。

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