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いつか大学を卒業してみたい。

北海道の外で暮らした経験が私にはない。高校も札幌市内の高校で、大学は小樽に通った。

数年後、この大学を学費未納で除籍になる。

何度か書いたが、本当はアメリカだとか都内、関東関西に行きたかった。とりあえず北海道を出たかった。

北海道に残るとしても、とにかく意志がなかった。やりたいこともないし、目指すものもない。とにかく惰性でなんとなく。真剣に人生を考えていなかった。

小樽で何が学べるのかも知らなかった。

私こそが人とは違うのだ、という謎の自意識に根ざした美学みたいなものがあった。入学式の日に、友だちはできなかった。たぶんツンとした顔をしていたと思う。

部活やサークルの勧誘をしてくる先輩たちをみて哀れんだ目を向けた気がするが、いま思えば私こそが哀れだと思う。


入学式の日に1人で決めたのは、中退か除籍でいい、ということであり、それは先ほど書いた謎の自意識に根差した美学からくるものなんだけど、そういう過去を持つ人間のほうがおもしろそうだ、と思っていたからだった。

が、両親からすればとんでもない息子だと反省しきり。本当にひどい。プライドのかたまり。意志が弱いだけ。


他の生徒が部活やサークルを決め、ワイワイと履修科目を決めたり、先輩から何かを教わる中、私はといえば友だちがいなかったから、そもそも単位というものが何かすらも分かっていなかったし、おもしろい授業がなんなのかもよくわからなかった。


俺は何をしにここに来ているんだろうな、と思って空虚だったと思う。アメリカにも東京にも行けなかったグズのカスなのに、我こそは、と思っているイタい奴。


私が通った大学は、明治時代の旧高商の流れをくむ大学で、全国唯一の国立の単科大学である。学部が「商学部」のひとつしかない。

英語で書くと、
「Otaru University of Commerce」だ。

学科は商学科、経済学科、企業法学科、社会情報学科の4つに分かれている。

私はとりあえず、社会学、物理学、マーケティング、企業法務、それから当時としては先駆的だった拡張空間だとかの授業、通りいっぺんの経済学、それから英語に関する授業などを履修登録もせず、忍び込んで受講した。

はっきり言って、なんの学びにもならなかった。

なぜなら私に意志がなかったから。
さみしかったし、ずっと悲しかった。


過去のスタエフの配信で話したことがあるが、思うに、日本の大学制度は破綻している。18歳やそこらで人生を決めなければならないのが、そもそもムリな話だと思う。

個人的には即刻社会に出て、さまざまな仕事、業界、業種を経験し、30歳〜40歳あたりで本当に必要だと思える学問を修めるべきだと思う。

もちろん、18歳時点で極めるべき学問が決まっているような優秀な人たちはそのままでいいと思うけど。うーん、でも生産年齢を考えるとムリかぁ。どうしたもんかね、と思ったりもする。



33歳を超えたいま、思うことは。


いま大学に通ったなら、めちゃくちゃ猛烈に勉強するだろうな。もしも4年間自由に過ごしていいですよ、好きなだけ学んでください、と言われたら、涙を流して一生懸命に勉強すると思う。

英語とフランス語と中国語だとか5か国語くらい覚えたい。ビジネスレベルまで出来るようになりたい。きっとできる。

科学、工学、経済学、地質、歴史、文学、芸術、学びたいことはたくさんある。「じゃあ、また大学に入り直したらいいじゃないですか」と言われると困る。


私の場合は家族がいるし、会社もあるから全てを投げ出して勉強のみに専念するのは難しい。でも、きっといつか、もう一度大学に行くかもしれない。かもしれないというか行ってみたい。明確な意志を持って行ってみたい。

私は大学に7年通って除籍になった人間である。これはこれで珍しいことだから、いかにも私っぽくて好きな肩書きだ。

7年通って学費未納で除籍。まずまず。就活もしたことがない。企業説明会に行ってる奴らを全員下に見ていた。そういうイタい奴。いたでしょう。


でも、

いつかどこかの大学を卒業してみたい。友だちをいっぱい作って、卒業式にも出てみたい。この1周目の人生の22歳当時には、そういう、みんながやったであろうことができなかった。

だけど、何歳からやり直しても遅すぎることなんてないわけだから、いつか大学に通って、たくさんたくさん勉強がしてみたい。もっと友だちを作りたい。

もしかしたら、それこそ本当に40歳で大学を受験してもいいかも。

それまで頑張ってあと7年、会社をでっかくしておけばいいじゃないか。出来ないこともない気がしてきた。いや、なんなら会社に大学のような機能を持たせればいいのでは? と最近思ったりする。それについてはいつか書きたい。


もしもこれを読んでくれた方の中に、高校生だとか大学1年生くらいの方がいたとして。

「その時間はとても貴重なんだよ」

という大人がよく言いそうな、クソみたいなことを言うつもりはない。1ミリも響かないことはわかってる。18歳当時の私が聞いたら、顔面にツバを吐きかけそうなセリフだ。


なので私よりお若い方がこれをご覧になったとして。申し上げることは特にない。

ただ私と歳の近い、もしくは私より上の世代の方々には、このように申し上げたい。



何歳からやり直しても、遅すぎるなんてことはありません。私たちだけは夢を持ち続けましょう。

絶対できます。一緒にがんばりましょう。


〈あとがき〉
どんな大学でもいいんです。とにかく「自由な4年間」というのがほしい。どれだけ追求してもOKならば……でも、仕事しながらやってるBenBenさんみたいな方もいるよな、なんて思ったり。自分はまだまだだなぁ。今日も最後までありがとうございました。

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