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noteに感謝&思わず脱力した恩師のひと言

こんにちは、ぱんだごろごろです。
恩師の要請により、江戸時代中期の哲学者、三浦梅園について、まとまった長さの原稿を書かねばならなくなったことは、先日お話ししました。

このnoteの場をお借りして、毎日、一章ずつ書いて行きました。
一週間かけて、ようやく書き上がり、それに手を入れ、まとめたものを、メールに添付して、恩師に送りました。

誤字脱字や、体裁が整っているかのチェック、事実誤認がないかのチェックを繰り返し、参考文献をひっくり返して、最後まで、間違いがないかを確かめてからの送信でしたが、送ってしまってからは、とてつもない解放感に浸ると同時に、恩師の反応が気になる日々を送っていました。

noteへの感謝


今回の原稿は、三浦梅園の生誕300年を来年に控え、各自の三浦梅園観を述べよ、というテーマを与えられて書いたのですが、
そもそも今までの私だったら、お話が来た時点で、『書く自信がありません』と、辞退していたと思います。
いくら、専門の研究論文でなくていい、好きなことを書いていいから、と言われても、400字詰め原稿用紙で30枚以内、9月初旬までに、という条件です。
お話をもらったのが、締め切りの約一ヶ月前でした。
出来上がった原稿を、先生に読んで頂いてから、手直しする時間も入れて考えると、三週間しかありません。

どうする?

急いでテーマに沿った内容を考え、取捨選択し、見合ったエピソードを入れて、結論に向けて、有機的につなぎ合わせることができるだろうか?

いや、無理でしょ、と思う自分に、「社員食堂でのできごと」があるじゃない、とささやく自分がいました。
忘れたいと思うくらい、情けない思い出でしたが、三浦梅園との、長い付き合いの中で、あれが一種のターニングポイントになったことは確かでした。
(社員食堂で、ある人から、『三浦梅園とは?』と訊かれ、まったく答えることができなかった、という黒歴史です)

『養生訓』について、noteに書いたばかりだけど、あの記事には書き切れなかったエピソードが、まだあるし、『愉婉録』だって上下巻とも読んでいるから、大丈夫、書けるはず。

それと、三浦梅園を知るための入門書として最適な、田口正治先生の『三浦梅園』と、梅園先生自らが、ご自分の思想を説明している手紙文、『多賀墨卿君にこたふる書』については、過去、何度も読んでいるから、堂々と書くことができる。

そんな風に、とっさに計算した私は、恩師に、

「では、書いてみます」

と答えていたのでした。

これは、まったくのところ、「noteのおかげ」としか言いようがありません。

この二年間、毎週3~4本、休むことなく、noteに記事を書き続けてきたおかげで、書くことに対する心理的なハードルが、自分でも驚くほど低くなっていたのでした。

いつも書いているんだから、これも書けるんじゃないかな。

本格的な論文じゃないし、テーマも決まっているんだから、自分に書けるものを書けばいいんじゃない。

そうやって、少しずつ書き始め、最後は、連日noteに投稿する形で、書き終えることができました。

二年間のnoteでの日々は、形のあるものとして、その実りの姿を、私に見せてくれたのです。

note、ありがとう。
心から感謝します。

思わず脱力した恩師のひと言


昨日、帰宅すると、恩師から電話があったよと、夫が教えてくれました。
夜でしたが、おそるおそる電話をすることにしました。

書き直しがたくさんあるのかな、
それとも、もしかして、ボツにされるのかしら。

不安なまま、電話の子機を取ろうとする私に、
『一つだけ訊きたいことがあるんだって』と夫。

一つだけなら、大丈夫かも。
電話口に出た恩師に、夜分の挨拶をして、名乗りました。

恩師のお尋ねは、すぐに答えられるもので、私は、ほっとしました。

あとは世間話に移り、恩師は、
『ぱんださんは、もっとバリバリ漢文を読まなけりゃいけませんねえ』
とおっしゃいました。

恩師よりは若いかもしれませんが、この老眼と飛蚊症を抱える私の目では、江戸期の漢文も候文そうろうぶんも、読もうとすると、目が疲れるのです。

上手くはぐらかそうとしましたが、恩師は、止めどなく語り続けます。

夫と言い、息子と言い、恩師と言い、
どうして男というものは、自分の得意分野の話になると、
延々と語り続けるのでしょうか。

反駁する気力もなくなった私は、ただひたすら小声で相槌を打ち続けました。
いや、別に、相槌を打たなくても、恩師は、語り続けるんですけどね。
そこは、一応、ほら、礼儀ですから。

私が電話を掛けてから、1時間38分が経過したとき、恩師は言いました。
『いやぁ、ずいぶん長く話しちゃったな。30分くらいかな』

私は、それには触れず、
「先生、今日は、ありがとうございました」
と挨拶をして、電話を切りました。

80歳を超えると、時間が短く感じるのでしょうか。

夫はすでに寝ていました。

今日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
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