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元・天才キッズ動画配信者の末路①
はじめまして。キブシと申します。
私は10年前、某動画配信プラットフォームの登録者500万人を超えるチャンネルで「キッズ配信者」をしていました。
わざわざ“某”動画配信プラットフォームとする意味も無いかも知れませんが、皆さん最初に思い浮かんだであろうあのサイトです。キブシというのも当時の名前ではありませんし「10年前、500万人」といった数字は、あくまでおおよそになります。
こんな
note創作大賞、受賞しました。
こんにちは、キブシです。
この度、私が書いた「元・天才キッズ動画配信者の末路」がnote創作大賞の優秀賞を受賞しました。
読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。
もう一点、ご報告がございます。
こちらのnoteをご覧ください。
キブシ
元・天才キッズ動画配信者の末路⑨
>⑧
こんにちは。キブシです。
これが最後の投稿になります。短い間でしたが、読んで下さった皆様ありがとうございました。
私は、どうしても再会したい人がいて、この文章を書き始めました。その、どうしても再会したい“彼”が「元・天才キッズ動画配信者」だったのです。私がキー坊と呼んでいた“彼”の名を語る事で、本人の目に留まる事があるのでは無いかと期待して始めた次第です。
読んでくださって、
元・天才キッズ動画配信者の末路⑧
>⑦
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8
その日は、まだ肌寒さが残る春だった。朝の冷気とは対照的に、穏やかな日差しに満たされた街並み。これから暖かくなるんだろうなという期待感からか、コートを羽織った学生達もどこか浮かれている。
その車は、建物の前にゆっくりと停車した。高級車では無いが、よく手入れされた黒い車だ。並木通りの木漏れ日が、車の屋根を彩る。それから、ひとりの少女が降りて来た。少女は真っ白
元・天才キッズ動画配信者の末路⑦
>⑥
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7
「てか噂通り貧乏暮らしなんだねー。まぁ似合ってるよ、その服。」
数年振りの再会は感動的とは程遠いものだった。私がカラオケボックスの座席に着いても、姉の悪態は止まらない。上から下まで私の身なりを品定めし、いつついたかも思い出せないケチャップのシミを見つけて、蔑む様にため息を吐いた。
「会いたいって言ったのは、そっちじゃないか。」
姉がストレス発散の
元・天才キッズ動画配信者の末路⑥
>⑤
こんにちは、キブシです。
はじめに、皆さまへご報告がございます。
私がこの告白を書き始めたのには、ある目的がありました。これは決して皆さまを騙そうだとか後ろ暗い事を隠していた訳ではありません。私は、どうしても連絡を取りたい人が居たのです。その人物は、言わずもがな当時の関係者です。
この様な当時の告白を書き、大きな話題とまではいかなくとも、動画配信者の界隈で読んで頂ければ当時の
元・天才キッズ動画配信者の末路⑤
>④
こんにちは、キブシです。
この一連の文章に対して様々なコメントを頂戴しました。ありがとうございます。全てに目を通し、ご意見や感想を有り難く頂戴しております。
当時の私達を知っている知人から連絡があるのでは無いかと不安がありましたが、今の所ありません。不安と言いましたが、僅かに期待もしていました。あの頃の関係者とは誰一人連絡が取れていません。繰り返しになりますが、私は当時の活動を後
元・天才キッズ動画配信者の末路④
>③
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4
「はぁい!どうもこんにちはっ!キーちゃんですっ!」
カメラ目線で元気いっぱいポーズを決めると、カメラのピントが私に定まるのが分かった。私は自分がどうカメラに写っているのかが分かった。ごく普通の多くの子どもも、奇跡のような破壊的可愛さを両親に見せる事はあるだろう。親のフィルターを通さなくとも、子どもの天真爛漫な笑顔や無邪気な姿に、世界中の荒んだ心の大人達は癒
元・天才キッズ動画配信者の末路③
>②
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3
「目が覚めたかい?」
顔を照らす西日と、心地の良い振動で目が覚める。ざらりとした革の質感、どうやら私は車の座席に寝かされていた様だ。シートの下でペットボトルが揺れているのが見えた。何年も掃除をしていないのだろうか。起き上がるとミラー越しにサンタと目があった。良く言えば大らか、悪く言えば大雑把な性格からして、これがサンタの車だとすぐに分かった。
「正直
元・天才キッズ動画配信者の末路②
>①
こんにちは、キブシです。
動画配信をした事がある方は少ないでしょうけど、現代はインターネットで一夜にして有名になる事も珍しくは無いかと思います。ご本人がそうで無くとも、もしかしたら身の回りに有名になった知人がいらっしゃるかも知れません。
「有名になった途端、天狗になった」という類の話は昔も今も変わらずあると思いますが、あれは真実なのでしょうか。当時の私は、幼稚園にも通わず近所の公