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自主性と言葉で結果が変わる

今回は、智辯和歌山高校の甲子園優勝により、智辯和歌山高校野球部について、そして、昨年の12月にイチロー選手が練習参加をした際ことについて、私なりに思うことを言わせていただければと思います。

まず、智辯和歌山高校野球部は甲子園に出場すれば、優勝候補に名があがるぐらい、強豪校と認知されている。だから、甲子園に出場すること、和歌山県を勝ち抜くことは、当たり前と周囲から見られ、常にそのプレッシャーと選手、監督は戦っている。このような状況で、結果を出すことは、本当に難しいことだと思う。

では、選手(生徒)たちにどのように指導者は接しているのか?現在は、高嶋前監督に代わり、元プロ野球選手の中谷監督が指揮を執っている。中谷監督は、1997年の甲子園の優勝を経験して、プロ野球の世界で10年以上捕手として、プレーをしてきた。中谷監督は、選手の自主性を優先し、選手に考えさせる野球を行っている。冬の時期に選手を指導せず、自分たちで練習を考えさせた時期があるそうだ。それが、選手の成長につながったと述べている。また、選手とのコミュニケーションの多さが目に光るものがある。甲子園の際も、常に選手とコミュニケーションをとっている様子がテレビで放映されていた。このコミュニケーションの多さが、選手との信頼関係を築いているのだと思う。

毎日、私も子どもと接しているのでわかることだが、今の子どもたちは非常に賢い。昔のように「だだやれ」では動かない。「なぜ、やらなければならないのか」「これを今しないと、今後どのようになるのか」を説明して、理解させないと動かない。そして、強制的ではなく、自主性重んじることが大事である。子どもは不思議なもので、自主性を重んじ、軌道に乗った子どもは、途轍もない力を発揮する。本当に子どもは面白いし、一緒にいてパワーをもらうことが多々ある。この中谷監督の自主性を重んじる姿勢と選手とのマメなコミュニケーションこそが智辯和歌山高校の強さの秘密なのではないだろうか?(もちろん練習量が多いことは前提としている)

最後に、昨年12月にイチロー選手が智辯和歌山に訪問した時の最後のやり取りにイチロー選手の凄さを感じたので紹介したい。昨年12月、イチロー選手が野球の指導者としての資格を取り、智辯和歌山高校の昔からの縁があり、選手を指導するという機会があった。3日間選手たちに、技術的、精神的なことを指導し、最後のイチロー選手の挨拶で「ちゃんとやってよ。ずっと見てるから」という言葉だけを残した。私は、この言葉にものすごい重みを感じた。選手の立場にたつと、イチロー選手から、「ずっと見てる」と言われることのうれしさ、そして、中途半端なことは出来ないという危機感が同時に起こるだろう。そのような言葉をかけることが出来るイチロー選手は、やはり偉人である。そして、実際、選手はこの言葉を常に胸に、日々の厳しい練習に取り組み、全国制覇までもたらすのだから、言葉の凄さは凄まじいものだ。

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