筋トレ社長

【書評】筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方 - Testosteroneレビュー

『筋トレ社長』として筋トレへの並々ならぬ愛情と数々の熱い格言ツイートが話題を呼び、フォロワー数97万を超える大人気アカウントでもある著者は、著書『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方 』の冒頭で怒りを露にします。

私は今、猛烈に怒っている。
日本のダイエット業界やメディアのやり方に、その無責任さに、だ。
科学的根拠のないインチキダイエットや食事法を次々と打ち出しては、その後のフォローは何もなし。キレのある誘い文句と甘い言葉で次々と消費者を騙し続けているその態度に、心底うんざりしている。
インチキダイエットに踊らされないためには必要なのは、本物の知識を身につけること。そしてそれは、「最強の食べ方」を知ることだ。
Testosterone著『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方 』(P3〜5より引用)

筆者が提唱する「マクロ管理法」による食事法は、誰でもストレスフリーに、長期的に継続できるまさに「最強の食べ方」です。

シンプルで継続できる「マクロ管理法」とは

筋トレ社長

本書で展開される「最強の食べ方メソッド」の核を成しているのが、「マクロ管理法」。性別、身長、体重、年齢と活動量から算出した1日に摂取すべき総カロリーを、導かれたマクロバランスに沿って食べるという至極シンプルな食事法のことです。

このメソッドの根幹にあるのはカロリーの概念です。人の身体は単純なカロリーの足し算、引き算により変わっていきます。摂取カロリーを消費カロリーが上回れば体重は減り、逆であれば体重は増えるのです。この原理は決して覆りません。

「理想の身体を手に入れ、維持する」という目的を果たすには、このカロリーの概念に基づいた計画を遂行する必要があります。つまり「摂取カロリー」と「消費カロリー」を数字データとして目に見えるかたちで把握するのです。

筆者はマクロ管理法を実践するうえで「マクロ栄養素」を知っておくことが大前提だと説いています。マクロ栄養素とはタンパク質、炭水化物、脂質のいわゆる三大栄養素のこと。これらは1gあたりのカロリー量が決まっています。食材にどれくらいのマクロ栄養素が含まれているのかを知ることで、摂取カロリーを導き出すことができるのです。

そして身長や体重から算出した基礎代謝、活動代謝から1日で消費するカロリーが分かります。

あとは増量、減量、現状維持という目的に合わせて食事をしていけば、理想へと近づくことになるのです。

実際に私は、数多くのダイエット法を試してきたが、マクロ管理法が最もわかりやすく、習慣化しやすいと感じている。マクロ管理法と出会って以降、新しいダイエットは何も試していない。ダイエットでたった一つだけ守るべき鉄則があるとすれば、このマクロ管理法といってもいい。他のルールなど、マクロ管理ができるようになってから覚えればいいというレベルだ。
Testosterone著『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方 』(P68より引用)

「マクロ管理法」5つのステップ

マクロ管理法は5つのステップに分けられると筆者はいいます。具体的には以下の通りです。

基礎代謝を割り出す

性別、身長、体重、年齢から1日に必要な最低限のカロリーを割り出すことができます。基礎代謝です。著者はMD Miffinの式を使い算出しています。

MD Miffinの式とは1990年に発表されたアメリカでもっともポピュラーな計算式のひとつです。
詳しい計算は以下の通り。

【男性の場合】
10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) - 5 × 年齢(歳) + 5 =基礎代謝
【女性の場合】
10 × 体重(kg) + 6.25 × 身長(cm) - 5 × 年齢(歳) - 161 =基礎代謝

これが1日じっと動かないでも自動的に消費されるカロリーです。

1日の消費カロリーを計算する

人によって1日の活動量は異なります。前述した基礎代謝もとに活動量も考慮した1日の消費カロリーを導き出すことが「マクロ管理法」の第2ステップです。

アクティブ度が低い人は基礎代謝×1.2
アクティブ度がまあまあ高い人は基礎代謝×1.55
アクティブ度が高い人は基礎代謝×1.725

この計算で算出された数値を「活動代謝」と呼びます。

目的ごとに摂取すべき総カロリーを計算する

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活動代謝が分かれば、次は目的に合わせて摂取すべきカロリー設定を行なっていきます。増量、筋肉を増やしたい人であれば活動代謝×1.2、ダイエットをしたい人は活動代謝に0.8をかけた数値が目的にあったカロリー設定です

目的ごとに各マクロの摂取量を割り出す

1日に摂取すべき総カロリー数を設定できれば、今度はそれをマクロ栄養素ごとに振り分けていきます。

タンパク質は体重の数値の2倍
脂質は総カロリーの25%
炭水化物は総カロリーからタンパク質、脂質のカロリーを引いたもの

こちらが摂取すべきマクロ栄養素です。

摂取量に合わせて食事する

第4ステップまでの計算で摂取すべきマクロ栄養素が導かれていますので、あとは設定に沿って食べていけばよいと筆者はいいます。

マクロ栄養素が守られている限り、食べる順番や食べる回数、食材やその他一切は特に気にする必要はない。1日に摂取すべき総カロリーとマクロバランスさえ守っていけば痩せていく
Testosterone著『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方 』(P92より引用)

マクロバランスを把握したら、次に重要となるのが管理していくこと。筆者は管理におすすめのサイトとして「カロリー Slism」をおすすめしています。各食品の栄養価を調べて計算できるサイトで、マクロ栄養素をあとどれくらい摂取してよいのか、あるいはどれくらい不足しているのかをひと目で確認することができるのです。

ラーメンやスイーツを食べても、夜に食べ過ぎても慌てない

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ダイエットに取り組んでいる際に、誘惑に負けてラーメンやカツ丼、ケーキなどスイーツを食べてしまい自己嫌悪に陥った経験はないでしょうか?先ほどのマクロバランスに照らし合わせみてもこれらの食品はカロリー総量が多く、1食で1日に摂取すべき栄養素のほとんどが摂り終わってしまうこともあるでしょう。

おいしくて魅力的な食品ほど、マクロバランスを壊してしまうことは否定できません。とはいえもし食べてしまっても慌ててはならないと筆者はいいます。一度魔が差してしまってもあとで取り返せるのがマクロ管理法の利点だからです。一度の敗北で絶望して自暴自棄になり、ダイエット自体をやめてしまうことこそ、最も避けるべき事態なのです。

マクロ管理法のもとでは、ショートケーキも単なる食品の一つにすぎないし、マクロ栄養素も数字にすぎない。夕ご飯を調整すれば帳尻は合わせられる。
つい魔が差してしまい、栄養バランスが偏ったものを食べてしまっても、マクロ管理法があなたの拠り所になってくれる。むしろ、マクロ管理法なしで行うダイエットなど、暗闇の中を手探りで進んでいる状態に等しい。
Testosterone著『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方 』(P111〜114より引用)

誘惑を計画に組み込む

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魔が差して食べすぎても、一日の中で帳尻を合わせることで対応できる点がマクロ管理法のメリットです。しかし夜に食べすぎてしまったらどうでしょう。帳尻を合わすこともできません。

筆者は対処法として「気にしないこと」を挙げています。マクロ管理法を用いた長期的ダイエット計画のもとでは、一食の失敗は一ヶ月スパンで見ると30分の1でしかなく、一日三食ペースでみれば90分の1の失敗なのです。普段からしっかり守れているなら、1度の失敗など大したことはありません。

こうした失敗に絶望感を感じるのは「絶対痩せるぞ」という強い意志と、それを裏切ってしまった弱い意志のあいだにギャップが生じるため。もっとも避けるべきはマクロ管理法の放棄ですから、罪悪感はダイエットの敵です。そしてこうした絶望や罪悪感は衝動的に食べてしまったときに生まれます。ならば逆転の発想で、計画に組み込んでしまえばよいと筆者はいいます。

衝動で食べるのと計画に組み込んで食べるのとでは、自分自身の受け止め方に雲泥の差が生まれる。あくまで自分のコントロール下においておけば、ケーキを食べることは「事件」でもなんでもなく「計画」である。
Testosterone著『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方 』(P127より引用)

食事法を見直すことで食事に対する意識が変わる

マクロ管理法の特徴は長期的に継続可能であること。そして再現性があり誰でも始められることにあります。また健康面に害を及ぼすことなく、ストレスフリーであることも魅力です。

そして食事と栄養素の含有量に意識が向くことで、「無駄な間食をするくらいならおいしい料理に残カロリーを使おう」と食品の捉え方も変わっていきます。意識の変化は一生モノのスキルとなって、そして理想の肉体として返ってくるかもしれません。

※この記事は掲載元メディア様の許可をとりnoteに転載したものです。

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