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「よくできました」という言葉の魔法

僕が小学校4年生のとき、20代半ばの沢田先生(仮名)という女性教師に教わったことは、今でも鮮明に覚えている。彼女はただの先生ではなく、常に僕たち生徒のことを心から思ってくれていた。

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沢田先生が取り入れた教育方法の一つに「いいこと帳」というのがあった。これは、生徒が毎日友だちの良い点や素晴らしいと思った行動を記録するノートで、翌日、先生がその内容をチェックし、マル、二重マル、そして特に良い内容には花マルの評価をつけてくれた。しかし、多くの評価は二重マルや花マルで、これは先生が生徒のやる気を引き出したかったからだと感じている。加えて「〇〇が良かったですね」と、生徒が喜ぶようなコメントも添えてくれた。僕たちはその花マルを目指し、友だちの良いところを毎日探し、活気に満ちた日々を送っていた。

さらに、沢田先生は独自の宿題方法を取り入れた。それは、先生から指定される本来の宿題ではなく、僕たち生徒が自ら考え、自ら勉強したいことを選び、それを毎日ノートに書いて勉強する方法だった。科目は自由で、国語、算数、理科、社会だけでなく、図工のような教科でもOKだった。今思い返すと、この方法は僕たちの自主性を育むものとして、とても良い方法だと感じている。そして、その宿題にもマル、二重マル、花マルの評価をつけてくれて、同じく「よく頑張りましたね」と生徒が喜ぶコメントが添えられていた。僕たちはその宿題も、先生の花マルを目指して真剣に取り組むようになった。

その時期の僕らは、すごく勉強したのを覚えてる。家に友だちを招いたり、友だちの家に集まったりして、「今日は何の勉強をしようか」と自ら進んで勉強したものだ。たとえば、国語の教科書から漢字を選び出してノートに書いて練習したり、算数では自分たちで計算式を作って書いたりした。次の日、先生にノートを見せるといつも褒めてくれた。そのおかげで、さらに勉強にのめり込むようになった。当時の僕たちの教室は、活気に満ちていた。

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結局、褒められるということは嬉しいものなんだよね。それにより脳が喜ぶし活性化されるし、「次は違うことをやってみよう」というチャレンジ精神も生まれてくるんだよね。

このような経験を通して、僕は自ら勉強をすることの楽しさや友だちの良い点を見つけることの価値を知った。そして、先生からの一言「よくできました」は、僕たちにとって最高の賞賛だった。

褒められる喜びは深い影響を持つもの。僕たちが日々の小さな努力や善行を称賛することで、もっと良いコミュニティや社会を築くことができると信じている。

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沢田先生が取り組んだ教育方法。

褒めることの重要性。

僕はこれを伝えていきたい。

明るい未来のために。


ー 追記 ー
この記事をテーマにして、短編小説を書きました。


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