#読書感想文 No.29
今回は、今から約半世紀前(1969年出版)の本の紹介です。
そもそも「知的生産」って何でしょう?
実は、この「知的生産」という言葉は、著者の梅棹忠夫氏の造語であると言われています。
農業によるアウトプットが「農業生産」、工業によるアウトプットが「工業生産」であるなら、「知的活動」によるアウトプットは何だろう?ということで、この「知的生産」という言葉が生まれたようです。
まだ、この本が出版された時代では、「知的生産者」と呼べるのは、作家やジャーナリストなど、一部の職業に就いている人のみの活動でした。
ところが、現代においては、皆さんが家庭生活や社会生活、仕事や研究などのあらゆる場面で知的生産活動を行っています。ですから、より生産性を高めるためのメディアが多く存在するようになったのだと思います。
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さて、皆さんは「情報の4階層」というモノを聞いたことがありますか?
ざっくり説明すると、ピラミッド構造になっていて、下から順に「データ・情報・知識・知恵」です。少し噛み砕いて説明します。
様々な現象から、収集された客観的な値がデータです。値には定量的なモノも定性的なモノも含まれますが、それ自体には意味のないものです。
そのデータを、目的をもって検索・抽出・組み合わせてメッセージを引き出したものが情報となります。つまり、情報はデータ間の関係性や意味づけがなされたモノだとも言えます。
さらに、その情報を理解し、分析・洞察したモノ、或いは情報をもとに新しい価値を生み出すものが知識です。
最後に、知識を実際の経験に活かし、原則やルールを導いたもの、知識から生み出された筋道が知恵となります。初めは様々な現象に過ぎなかったモノが、知恵に昇華されることで、具体的な行動を促し、価値を生むというわけです。ん~、説明が分かりづらかったらごめんなさい。
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知的生産の話に戻りますが、「知的生産」を「知識のまとめ」と定義するとします。人間にとって「知識のまとめ」に必要なモノを考えたとき、文章であるとか、もっと言えば文字に行き着くとしましょう。
つまり「知的生産≒知識のまとめ≒文章≒文字」です。
上記を踏まえると、知的生産活動は、紀元前3200年、ウルク文化期にシュメール人が発明したとされる人類最古の文字「ウルク古拙文字」の時代から5000年以上の間、行われてきたということになります。話が壮大過ぎですか?(笑)。
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まとまってもいませんが、本の話に戻ります。この本は、国内における「知的生産術」にフォーカスした先駆的な出版物です。
もっとも、この本の2年前には、「KJ法」で知られる川喜田二郎氏の「発想法」という本も出版されていますが、現代社会の「生産性向上」の源流を辿ってみてはいかがでしょうか?
なんか全く内容に触れなかった…( 一一)。個人的には、梅棹忠夫氏のタイプライターを始めとする様々なモノへのこだわりが、作中に云々かんぬん書いてあるのですが、読んでいて可愛らしいなと思っちゃいました(笑)。
ということで、今回の投稿はいつも以上に脱線したまま戻れませんでしたが、とりあえず、以上です。m(__)m
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