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人は、弱みを見せれば、心の距離が縮まるのか?

個人的な答えは「NO!」です。

悲しいことに、大多数の人間は無意識に優劣をつけて生活しています。

それは生存競争を生き抜くうえで必要なことであり、他人に優劣をつけないと云う人間は、自分が劣っていると捉えている傾向にあると私は思っています。

つまり、他人は自分よりも優れた部分を持っていると考えることで、他人同士に優劣をつけないように配慮しているものの、自分と他人の間には明確な優劣をつけているという事実から「無意識に」目を逸らしているのではないか?ということです。

本記事は、人が優劣をつける生き物であることを前提に進めていこうと思います。

優劣をつける生き物に弱みを見せて、庇護を受けられるでしょうか?

個人的な答えは「NO!」です。

弱みを見せることで、他人の庇護を受けたり、共感や理解を得られるわけではないと私は考えます。

大切なのは「弱みの見せ方」ではないのか?

今回は、そのようなテーマで書いていこうと思います。

最後までお付き合いいただけると幸いです。

女性・窓・室内・暗い・光・サボテン・熟考・考える・思考

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それでは、改めて他人に弱みを見せるという行為と思考について考えることにします。

弱みを見せるという行為は、敵意がないことや信頼の証として行うことだと考えるのが一般的でしょうか?

もし、このように考えるとなると、ジレンマが生じると思うのです。

つまり、何の見返りもなく弱みを見せることは、相手の猜疑心を強めてしまうリスクを含んでいるということです。

今は、ちょっと検索すれば、簡単に専門的な知識に誰もがアクセスできる世の中です。

特にビジネスの世界では、作れば売れるというマーケットは存在しなくなり、いかにマーケットを作るのか?という考え方にシフトしています。

その中で人間の心理に着目し紐解いていくことで、購買行動を促進させるという手法が確立されてきました。

それらの手法は体系化され、行動経済学や行動心理学、または経済心理学と呼ばれる学問にまで昇華されるようになりました。

このような社会の流れの中で、改めて弱みを見せるという行為を考えたとき、多くの人は手放しに信頼の証だと受け取れなくなっていると思うのです。

「この行動の裏には、どんな心理が隠れているのか?」

さながら名探偵であるかのように、人は頭の中でさまざまな推測を行うようになりました。

ですから、弱みを見せるという行為は、素直に見せればいいというものではなく、見せ方を考えなければ信頼どころか不信を抱かせてしまう行為だと言えるのではないでしょうか?

…世知辛い社会ですよね( ̄▽ ̄;)。

手・信頼・絡み合う・女性の手・指先・長袖

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では、どのような弱みの見せ方が有効なのでしょうか?

個人的な見解となりますが、キーワードは「後の先」と「返報性」です。

「後の先」は、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんので、意味合いを確認してみましょう。

後の先(ごのせん)とは、剣術用語で相手が仕掛けてきた技に合わせて掛ける技である。別名カウンター、返し技(かえしわざ)。
(Wikipediaより)

…一応、返報性についても確認しておきます。

「返報性の原理」とは、人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。
(Wikipediaより)

ご理解いただけたでしょうか?

要するに、こちらから示すものではなく、相手の言動に応じて、徐々に開示することで、段階的に心理的障壁を取り除いていくことが肝要だということです。

一つ、例示を示しながら解説してみることにします。

女性・恥ずかしがり屋・シャイ・手で顔を覆う・ティーン・若い

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今回は、例として「私は人見知りです」という弱みを伝えてみましょう。

まずは、相手との話の冒頭で、人見知りであると告げるケースを考えてみます。

あなたは、とあるセミナー後の懇親会に出席していると仮定します。

あなたと同様に出席していた参加者の一人が、あなたに話しかけてきました。

「私は人見知りで、なかなか自分からは話しかけられないんです…」

…どのように感じますか?

「(゚Д゚)ノ…話しかけてきてるやんっ‼」

「(;´・ω・)・・・胡散臭い」

このように感じませんか?(笑)

もちろん、現実にこのように直接的なアピールをする方は稀でしょう。

ですが、唐突に「実は…」とか「私ってさ…」、あるいは「あなただから話すけど…」と、ほぼ初対面の方に話しかけられたことって、あるのではないでしょうか?

私は、よくあります(笑)。

女性・ビジネス・オフィス・コーヒーブレイク

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次はキーワードに沿って例示してみます。

キーワードとは、「後の先」と「返報性」でしたね。

シチュエーションは先ほどと同様です。

今度は、あなたから他の懇親会参加者に声を掛けてみましょう。

簡単なあいさつを済ませたら、仕掛けていきます。

「今日のセミナーでは、○○についての話が印象的だと思ったのですが、どうでしたか?」

この「○○について」で、会話の道筋ができました。

相手は、共感的理解を示すか、別の論点について述べる選択肢を選ぶのが一般的でしょう。

共感的理解を得られた場合には、「貴方もそう思いますか?実は私は過去に○○ということがありまして、そこから○○について考えるようになったのです」

別の論点を述べられた場合は、「そうなんですね!そのように考えるようになったのは何か理由があるのでしょうか?」

…以下、解説します。

イラスト・女性・カフェ・会話・オシャレ・オープンテラス

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最初に相手への質問を振ったことで、相手は返答をしています。

このことから、共感的理解を得られた場合では、相手の意見があったからこそ、弱みを開示したのだという状況を創り出しています。

相手には「返報性の原理」が働くので、相手の価値観上、あなたの開示した弱みと同等と思われる情報を開示してくるはずです。

そうなれば、ともに弱みを開示したという事実から、信頼感を育むことができると思うのです。

一方の別の論点のケースでは、仕切り直しが行われています。

ですが、会話は続けているので、弱みを開示せずとも共有する情報量は増えていくため、信頼関係構築の一助になっています。

切り出せるタイミングで、適切な弱みを開示することができれば、相手との距離はグッと縮まることでしょう。

段階的に、何度もトライすることで、弱みを見せずとも信頼関係は築けるはずです。

ハンドシェイク・握手・女性の手・ビジネス

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いかがだったでしょうか?

簡単かつ雑な例示ではありましたが、間違っても、最初にカードを切るような真似は厳禁ですよ⁉という話でした。

一つポイントを挙げるとすれば、自分の開示できる情報をストックしておくことで、臨機応変に対応することができ、相手の懐に入りやすくなると思われます。

私の場合は、過去の失敗談で開示できないものは無いので(笑)、あとは相手の反応や状況に応じて、情報を小出しにしています。

…今回のテーマは、捉え方によっては腹黒い策略のように感じる方もいるでしょう。

しかし、「オオカミ少年」のように、真実を伝えているにもかかわらず、相手が真実と受け取らないケースも往々にしてあります。

ですから、「信頼関係を築く」という行為を純粋に考えるだけでなく、いかなる手段を講じても築いていけるスキルがなければ、本当に大切な信頼すらも手に入らない可能性があることを、肝に銘じていただければと思います。

かなり回りくどい説明となってしまいました( ̄▽ ̄;)。

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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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