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ケンヨウ
2022年3月29日 16:26
ある春の日の午後だった。部活がはやくに終わり、僕は着替えて教室を出た。あたたかな風が廊下を吹き抜ける。その誘いに足は運ばれる。さらさらとなびくカーテンは、人の気配を薄くしていく。風にさらわれたカーテンの裏側に現れた人影。僕はドキッとする。でも微塵も動かない、その影は半身をこちらに向けて佇んでいる。風に乗った葉の香り。近づくにつれて、乾きがなびいて、髪の毛を揺らす。手をその肩に置くと