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勝利の先の景色!梅原大吾『勝ち続ける意志力』を読みました。

日本人初のプロゲーマー梅原大吾さんの書籍を読みました。
「勝利の先の景色を見せてくれる良書」だと思います。

ゲームを続ける違和感、親の応援、大会での優勝、麻雀への転向、介護の仕事の開始、ゲームへの復帰などなど、幼いころからのプロゲーマーになるまでの経験が述べられています。

その考え方の変遷はゲームに限らず、多彩な示唆を与えてくれます。プロの数十年の試行錯誤を一冊の本で、数百円で読めてしまって、コスパが最高な読書体験でした。思ったことを述べていきます。

あらすじ
17歳にして世界一になった。2010年8月、「最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネス・ワールドレコードに認定された。職業、プロ格闘ゲーマー―。これから僕は、「世界一になって」、そして「世界一であり続けることによってしか見えなかったこと」について話をしたいと思う。それは「勝つために必要なことは何か?」「なぜ多くの人は勝ち続けることができないのか?」という話だ。いわば「世界一になり、世界一であり続けるための仕事術」とも言えるかと思う。その技術は、ゲームの世界ではもちろんのこと、それ以外の世界でも必ずや、前進のためのお役に立てるだろう。(BOOKデータベースより)
もくじ
プロローグ
第1章:そして、世界一になった
第2章:99.9%の人は勝ち続けられない
第3章:ゲームと絶望と麻雀と介護
第4章:目的と目標は違う
第5章:ゲームに感謝
エピローグ

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勝利の先の景色を見せてくれる本という印象を持ちました。

本書が特に面白かったのは、著者が17歳で世界一になった後の話がたくさん詰まっているからです。世界一になるまでの過程を示したものは世の中にたくさんあります。が、世界一になったあとの物語を紡いだ本は少ないのではないでしょうか。

まず、本書で印象に残った部分を3つ紹介していきます。

①精神状態

勝ち続けるためには、勝って天狗にならず、負けてなお卑屈にならないという絶妙な精神状態を保つことで、バランスを崩さず真摯にゲームと向き合い続ける必要がある。(位置No.461)

②変化のコツ

自分を変えるとき、変化するためのコツは、「そうすることで良くなるかどうかまで考えない」ことだ。もし悪くなったとしたら、それに気づいたときにまた変えればいい。とにかく、大事なのは変わり続けることだ。(位置No.848)

③質と健康

結局、大切なのは質であって量ではないということだ。
その身を削って1日15時間割いたところで、成長につながる何かしらの発見があるとは限らない。~略~健康でなければ良い結果を残すことができないのは、ゲームに限らずスポーツ、仕事、芸術、趣味など、どの世界にも共通することだろう。(位置No.1612)

精神・思考・健康に対する考え方の部分を引用しました。印象がとてもよかったのは、いっていることがかっこいいだけではなく、試行錯誤の結果の結論だと思えるからです。例えば、③の健康について、作者は一時期「できるだけ多くの時間を費やすべき」と思っていて、その結果、健康をないがしろにし、求めた結果を得られないという経験をしたようです。

失敗から学んだことだと、エピソードからわかります。また、失敗の出来事も書かれているので、納得感も十分です。(ほんとに、数百円で読めてしまっていいんでしょうか。)

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エラー&トライというマインド

本書のメッセージは「いかに変化を許容し、試行錯誤を続けられるか」だと感じました。

私が解釈するに、作者は「エラー&トライ」というマインドを持っています。

言葉が逆ですよね。
がんばること(トライすること)は当然のことでしょう。誰しも誰かから期待があるはずで、成果を求められるからです。その前提に立つと、最初からうまくいくことはほぼなく、試行錯誤を続けることで上達することを窺い知りました。

①トライは当たり前
②最初からうまくいかないことも当たり前

だとすると、エラーから次のトライまでの距離を短くすることに本書のツボがあるように思えたのです。

だから、作者は「エラー&トライ」のマインドを持っていると感じました。上述した印象に残った部分②「変化のコツ」にその鱗片がありますよね。

*

私はnoteへの週1投稿を昨年の4月から、続けています。40週間以上続いています。初期と比べると、書くスタイルも変わってきました。そのあたりもまとめを書けたらいいなと思いました。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。



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